2024/10/26 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 旧道」にアルマさんが現れました。
アルマ > メグメール 喜びヶ原、その旧道。
現在の街道が整備される以前に使われていた旧街道である。
今は整備の手が届かず人通りが少ない危険なその街道を魔獣が悠々と闊歩していた。

その魔獣はアルマと呼称されているオオカミをベースとして様々な生物の因子を組み込まれ製造されたキメラであり、無数に今は数少なくなったアルマの内の1頭である。

無名遺跡の奥にアルマを製造する施設があったが、今はそれも稼働しておらず、半ば朽ち果てたその施設の中で仮死状態になった物が何かの拍子で生き返ったか、或いは施設の誤作動で製造されたかはこのアルマ本人もわかっていないが、少なくともそんな希少な魔獣が目を覚まし、今は獲物を求めて旧街道を彷徨っている。

昨夜と違い、今宵は星も月も輝く明るい夜。
旧道に立ち並ぶ木々の隙間より射し込む月明かりに、魔獣の毛並みは黒く見えながらも月光をはじくと青く輝き、昨夜と違い蒼い瞳は爛々と輝きながら辺りに獲物が潜んでいないか睨みつけていた。

――不幸にも旧道に足を踏み入れる者が魔獣と出会うだろう。
夜空を照らす丸い月を背負うように荒れた旧道を闊歩する、怖ろしくも妖しいオオカミに似た魔獣と。

そして魔獣はその瞳で遭遇した者を見定めるハズだ。
獲物として食うべき『肉』か次なる力を得るための『肉』にすべきか。
それとも己をまとうだけの力ある『装者』となるべき『肉』かを。

アルマ > ともかくお腹が空いている、お腹がくぅくぅ鳴っている。
そこらの生えた草木を食みたいほどに、昨夜の雨で生まれた水たまりの泥水をすすりたい程に。
ただ生き延びるだけならそれもいい、それでもいい。
けれどこの飢えをスパイスに美味しいモノを喰らいたい。

なんの価値もない『肉』であれば食欲を満たすために。
丈夫で見目麗しい『肉』であれば性欲を満たすために。
肉、ニク、にく、どんな肉でも今なら平らげよう。

邪魔な皮(鎧)を剥いで、剥き出しの柔肉を貪り食らおう。
……もし、『肉』がそれなりに資格を持つ『肉』であれば、その時は芸の一つでも見せて餌を強請ればよいか。

ヒスヒスと鼻を鳴らして森の木々が匂わせる濃厚な緑のにおいの中から『肉』の匂いを探りながら、ゆっくりとした足取りで旧道の荒れた道を彷徨い続ける。

もうしばらくはこの辺りで『肉』を狩るつもり。
でなければもっと人里まで下りるのだが、そうなると危険度は格段に上がり、討伐対象にされても困るので、なるべくそこまではしたく無い。

出来れば馬車を襲う程度で済ませたい。
馬の肉を食らって中身を肉を食らうくらいでは討伐対象にされないと考えた。

こうして魔獣は目的を果たさんがために、街道のほうへと走り抜けていくのであった。