2024/09/17 のログ
セット > 数時間後、やってきた定期便に乗って、男は何処かへと去った──
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 冒険者ギルド出張所」からセットさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 旧道」にヴァーゲストさんが現れました。
ヴァーゲスト > 「かぁー!!ここはどこだ?どこなんだ!?」

男は吠えた。

此処はメグメール喜びヶ原にある街道…ではなく旧街道。
今夜は小遣い稼ぎの依頼を終えて、途中街道で乗り合い馬車を拾って乗って帰る予定が、すっかりと現地で一休みと仮眠してたら寝過ごして馬車がない時間帯に帰路につく事になり、今に至る。

記憶が確かなら、こっちの道は使われていない旧道であるが、街道よりも短時間で王都につくと誰かに聞いた記憶が朧気にあり、流石に旧道といっても道の何だから歩いていれば王都に着くだろうと、鼻歌交じりに街道から旧道に足を踏み入れて、今に至る、今に至るのだ。

「っかしーなぁ?人の匂いもしやしねぇし、馬の匂いもしやしねぇ、木と土と獣の匂いしかしやしねぇ……これは、まさか、もしや、アレか?」

そう『迷子』である。
この場合は『遭難』が正しいかもしれない、と自分に突っ込みを入れる程度はまだ心に余裕がある。

余裕があるのでひとまず、お酒を飲むことにした。
手のひらサイズの金属製のスキットルを懐から取り出すと、太い指でギュと蓋を捻り、中から漏れる香りすらもったいないと言わんばかりに蓋が開いたと同時に口付けて、ぐいっと呷れば蒸留酒がのどを抜け、鼻腔から芳醇な香りが抜け、喉を焼くような熱を感じて胃に落ちていく。

ごくり、ごくり

歩きながら咽もせずに勢いそのままスキットルの中身を飲み続け、行きつく先もわからぬままに旧道を酒気帯びながらさまよい歩いている。

ヴァーゲスト > 金属のスキットルは空になった。
掌に逆さまにして振っても雫一滴も出てこない。
仕方なく、スキットルの蓋をキュッと締めると懐へとしまう。

「仕方ねぇ、仕方ねぇなぁ……。」

立ち止まる。
一度、二度、何度か屈伸運動を繰り返し、すくっと立ち上がると、顎に手を添えて今度は首を左右にコキコキと捻る。

あとは走る!全速力!すなわち力の限り。

誰もいなければ魔族である血をたぎらせればよいだけ。
走り、飛び跳ね、風のごとく。

……無事王都に帰れたかは……。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 旧道」からヴァーゲストさんが去りました。