2024/09/09 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 冒険者ギルド出張所」にヴァーゲストさんが現れました。
ヴァーゲスト > ――冒険者ギルド出張所。
賞金稼ぎである男が今夜姿を見せたのはメグメールに幾つかある冒険者ギルドの出張所である。

普段ならパトロンである商人に付き添い街を回ったり、好みの亜人がいる(らしい)場所に護衛として付き添ったりと忙しいのだが、偶に自由な時間ができるらしくお酒が美味しそうな場所を回っている……のではなく、賞金首の確認や短期で仕事がないか探しに来たのだ。

王都の冒険者ギルドだと人相の悪さから周囲の視線がちくちく、ザクザク、ドスドスと痛いので、こうして利用者があまりいない場所へと。

「ひとまず、何はともあれ酒だ!酒と肉。
 骨付き肉とかあるだろ?食いながら歩けるやつ。」

ドンッ、と酒場のカウンター席に腰を掛け。
ダンッ、とカウンターを叩いて人差し指を一本立てて。
ゴゥ!、と勢いのままにあるんだかないんだかわからぬ物を注文し、最後に「キンキンに冷えたエールをジョッキで!」と決める。

毛先に近づくにつれて燃えるような赤に変わる黒髪。
爪か刃物か顔の半分に縦に走る古傷に、その結果の隻眼。
自覚ありで本当に人相の悪い男はそれでも酒を注文する際だけは屈託のない笑みを浮かべた。

「あと短期なら護衛も可、それと美人なら剣術指南も可。
 もうひとつ加えて、夜のお供ならいつでも可、って条件に見合う依頼があったら頼むわ。」

欲望と下心満載。
そんな依頼はあるわけがないのに、適当に酒場の主人に告げると、機嫌よしで鼻歌を披露する――ドヘタであるが!

ヴァーゲスト > 注文の品が出そろう前に、頭の上に豆電球が浮かびそうな顔。
此処で酒を浴びるように飲んで眠ってしまうと宿が取れない可能性が思い浮かんだようだ。

「悪いマスター!多めに金払うから宿まで持ってきてくれるか?部屋は……2階の角部屋頼めるか?」

2階は宿になっているはずだと、カウンター向こうのマスターに苦笑いを浮かべながら、両手を合わせて殊勝な素振りで部屋を借りる相談をすれば、ごく手慣れたようにマスターがカギを投げてきたので、ガキンッと歯で受け止める。

おっと顔面狙って来やがったな?と苛立ちを覚えなくもないが、急な急で仕方なしと甘んじれば席から立ち上がり、咥えているカギを手に落として、二階の階段がある方へと歩き出す。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 冒険者ギルド出張所」からヴァーゲストさんが去りました。