2024/07/29 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 冒険者ギルド出張所」にシトリーさんが現れました。
■シトリー > 初心者向けに出された冒険者ギルドの依頼
普通の冒険者にとっては、ただの遣いっ走りでしかないそれも、
駆け出しどころか、初依頼の少女にとっては立派な依頼で。
「よいっしょ……っと。
王都のギルド本部から、ポーションと保存食をお持ちしました。
確認をお願いできますでしょうか。」
ごくごく簡素な造りのカウンターに、大きなリュックサックをドンと持ち上げる。
少女の小柄な体躯にすれば、大荷物だっただろうそれ
中身は各種ポーションと干し肉などの保存食だと聞かされており。
どう見ても、冒険者らしくない少女の出で立ちに、窓口の職員がどう反応するか―――
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 冒険者ギルド出張所」にメアさんが現れました。
■メア > バーンッと扉が盛大に開く、そこに姿を現したのは冒険者風の一人の少女の姿。
見た目の年齢的には駆け出しの冒険者であろうが、身に着けた装備品はそれなりに使い込まれている。
誰かのお古なのか、少女がそれなりに活動をしている冒険者なのか。
そうした判断はそれを見た者達が決めるものだろうが…
ズンズンと入り口から窓口に居る少女の横に、横に立った事で結構ズタボロになっているのが伺えた。
そんな姿を見た職員の反応はといえば、『またか』みたいな苦笑混じりの表情。
「あ、ちょっとだけ、ごめんね?
いやー、また失敗しちゃったみたいでね?
惜しかった、ほんっとーに惜しかったんだ、もうちょっとで倒せたんだけどね?
あと一歩ってところでやられちゃった」
先に居た少女には気付いていたが、何か待ってるような雰囲気を感じ取ったか。
それでも失敗の報告をするだけだからとちょっとだけ断りを少女に入れてから。
テヘッ♪なんて反省も後悔もしていない感じで依頼の失敗を軽く報告する少女。
それだけを伝えれば要件は終わったと、一歩下がって少女に次を譲るのだが。
自分と違って依頼達成をしたっぽい少女に、少しばかり敬意の篭った視線が向けられるのだった。
■シトリー > 勢い良く開いた扉の音に、何事かとびっくりして振り返る。
けれど周囲を見れば、そのくらいは日常茶飯事なのか、これといった反応はなく。
大股でこちらへとやって来た少女に、自然と場所を譲り。
「あ、はい。だいじょうぶです。
こちらはあと確認のサインをいただくだけだったので。」
依頼自体は届ければ達成なのだけれど、報酬はあえて王都のギルドでしかもらえない仕組みらしい。
出張所で支払えば済む話ではあるけれど、これも新人養成の一環だとか何とか。
「それよりも……その討伐依頼ですか?
失礼ですが、もしもお怪我とかされているようでしたら、治療いたしましょうか。」
元気の良さそうな雰囲気とは裏腹に、使い込まれたその装備はボロボロだった。
駆け出しに見えて、実はかなりの手練れなのかもしれない。
そうでなかったとしても、討伐依頼を熟す少女に尊敬の眼差しを向け。
そう話している間にも、書き殴られたような確認票を受け取って、こちらの用事も終わり。
■メア > 間違いなく、こうした行動も普段からのもので、失敗もきっといつもの事。
周囲に居る他の冒険者、その中でも彼女を知っている一部からは生温かな視線が向けられていた。
失敗を報告する少女だが、そんな彼女に向けられるそうした視線には蔑みの含まれたものはない。
少女の性格からか、偶然にここに居た冒険者達が人の良い者達ばかりだったのかは分からないが。
サインを貰うだけだからと快く場所を譲ってくれた少女にニッコリと浮かべる笑みを見せ。
その報告後、彼女からの申し出に何を思うか軽く視線を上に向けてから、改めて少女を見遣る。
「うん、そう、本当はコボルトの討伐依頼だったんだけどね?
目的の場所を描いた地図を無くしちゃって、新しいのを貰おうと戻ってる途中に川に転げ落ちちゃって。
そこから更に色々とあったんだよ…えっと、お願いしていい?」
聞いてもいない失敗の詳細を聞かされれば、相当なドジっ子なんじゃないのかと思える程の内容で。
そんな説明をしている横で用事を終えた少女の申し出には、素直に受ける姿勢を見せる。
良く見れば、体の所々に小さな擦り傷や切り傷が見受けられ、その治療を頼んでいるのがわかる。
もっとも、実は彼女自身も回復の手段は持っているのだが。
少し経てば治るから良いやと放っているのだとは分かるものでもないだろう。
■シトリー > 聞いてみれば、魔獣と死闘を繰り広げたわけではなく、色々と残念な出来事の結果だったらしい。
それでも怪我をしたのには変わりないだから、治療することに否やはないのだけれど。
ほんの少し、少女の視線の温度が、周囲の者たちのそれに似たものになったかもしれない。
「えっと……それは大変でした、……ね?
ここじゃ邪魔になっちゃいますから、こちらにどうぞ。」
簡易な出張所だけに、テーブルや椅子といった調度品は置かれていない。
それらの代替えとして、荷物が入っていた木箱がそのまま流用されている。
屋根も、厚めの帆布を張っただけの天幕に過ぎず。
そんな出張所の端の方へと、先輩冒険者(?)を誘えば、ぎゅっと祈るように両手を組んで。
ふわりと広がる若草色の燐光
それが少女の身体を包み込めば、爽やかな森の香りを感じるかもしれない。
掠り傷程度であれば、それこそあっという間に、跡形もなく消えてしまい。
「はい、これで終了です。
まだ痛いところとかありませんか?
コボルトっていうと、犬っぽいモンスターですよね?
確か、廃坑とかに巣を作るって聞いたことがありますけれど……」
治療の腕だけで言えば、駆け出しどころか、中堅冒険者にも匹敵する。
そんな少女ではあるけれど、モンスターの知識は、学院で習ったものだけ。
自分の記憶が合っているか、答え合わせを求めるように相手を見つめ。
■メア > 多分…いや、間違いなく目の前の少女は周囲の生温かな視線の理由に気付いたのだろう。
彼女の視線もそれに近いものになっているのだが、それに気付かないのは本人のみか。
心温まる慰めの言葉にニコニコと笑顔を浮かべたまま、大人しく案内されて出張所の端っこへ。
そんな二人の様子をもし初めての来訪者が見たのなら、駆け出し冒険者二人に見えたに違いない。
そうして端っこへとやって来れば、両手を組む少女に小さく首を傾げる。
その祈りが癒しの力を行使する姿勢である事が分かってない、そんな反応で。
しかし、そうしてすぐに発現する彼女の癒しの力。
小さな傷であってもあっさりと消してしまった彼女の力に、目を見張るようにそれを見詰める。
「おー…凄いね、こんな簡単に治しちゃうんだ?
依頼もちゃんとこなせて、その上にこんな力も持ってるなんて、もしかして凄い冒険者さん?
っと、うん、確かそんな感じ?
あー…うー…そうそう、そんな場所だった気が…する?」
キラキラ瞳を彼女に向けながら、組んでいた両手を上から握り締めて。
その後の彼女の問い掛けに、うーんと思い出すような仕草を見せてから、そう答えた。
何とも自信なさげな答えである。
両手を握ったまま、ジッと彼女を見詰め続けているのだが。
「ね、良かったら色々と手伝って貰いたいんだけど、お願い出来ないかな?
私1人だとまたなんかやっちゃいそうだけど、貴女が一緒ならいけそうな気がするの…どう?
あんまり遠くないから、きっとそんなに掛からないと思うの」
なんて、そんな無茶なお願いをし始めた。
■シトリー > どうやら治療は問題なかったらしい。
加護の力を使うまでもない掠り傷ばかりだったから、正直失敗する方が難しいくらい。
それでも世の中、何があるか分からないから、無事に治癒できたことに笑顔を浮かべ。
「これくらいなら、なんとか…です。
全然すごくないです。つい、この前に登録したばかりで、
ひとりで依頼を受けたのは今回が初めてなんです。」
相手からの問いかけに、ふるふると首を振る。
先輩から認められるのは嬉しいけれど、そんな過大評価は逆に居た堪れない。
それはともかく、返ってくるのは自信なさげな答え合わせの結果
もしかしなくても結構行き当たりばったりなタイプなのかもしれないと思ってしまう。
そんな相手から、じっと熱い視線で見つめられると、ちょっとばかり不安が胸を過ぎる。
「え、と……?
お手伝いって、そのコボルト退治をですか?
先程もお伝えしたとおり……その、まだほんとに駆け出し、なんですよ?」
自分でもどうやら自覚はあるらしい。
確かにこのままひとりで送り出すのは不安しかないので、手伝うことはむしろ良いのだけれど。
けれど人選がそれで良いのかと、周囲の冒険者に助けを求めるように視線を向ける。
助けを求めるならもっとベテランのほうが良いだろうと。
■メア > 彼女にとっては造作もない事、自分にとってもそれ自体は難しい事でもなかった。
だが変な所で手を抜いてしまうのは悪い癖、それでいつも酷い目にあっているのだが、懲りないのが彼女。
放置していれば後々どうなっていたのかはわからないが…もしかしたら、自分であれば何かあったのかも。
そう思わせてしまう危うさを、彼女に感じさせられたのかもしれないか。
「え…あれ?そうなの?
となると、もしかしてもしかしなくても、期待の新人さんなのかな!?」
ギュッと彼女の両手を握る手に力が篭る、痛くはない程度だけど。
周りからはお前と比べたら誰だってそうだろ、なんて雰囲気が漂っているのだけれど。
そう思われている本人は自覚がないのか気にしてないのか、まったくそれには反応しない。
ただ目の前の少女に対する期待は鰻登りか、そんな雰囲気を彼女に強く感じさせてしまっているだろう。
「そう、お手伝い。
戦うのはきっと大丈夫だから、案内とか、何かあった時に助けてくれれば大丈夫!
お礼はちゃんとするから…ね?ね??」
そう懇願する少女を見る周囲から、感じる気配は遠巻きにそれを楽しむ観客気質。
頼まれている彼女に対してさえ、そんな彼女がどう答えてくれるのかと面白がっている節もありそうだ。
だけどそれでも止める様子が見られないのは、戦ってみれば危険もなく終わらせるとの確信があるからか。
■シトリー > 放っておけないオーラを醸し出す少女自身からの頼み事
これが他のことであれば、喜んで引き受けもしただろう。
そうでなくても、先輩と一緒に冒険ができるということなら、それこそ二つ返事なのだけど。
躊躇してしまう一番の原因は、ぎゅっと握ってくる彼女の視線で。
「あ、あのっ
だから、そんな期待の新人とかじゃなくて……!」
ぷるぷると小刻みに震えるように首を振る。
身に余る期待は、時に重荷にしかならないわけで。
おろおろと、助けを求めたのは、先程サインをもらったギルドの職員で。
『まぁ、パーティーを組む経験もしとくに越したことはないな。
本人が良いって言ってんだから、小難しく考えずに、引き受けてやったらどうだ?』
やれやれといった様子で助け舟(?)を出してくる。
周囲からも、生暖かい同意の声が聞かれ。
「うぅ……それはそうかもですけれど……
いえ、お礼とかは良いです。
うー………その、じゃあ、補助として同行させていただきます。
森妖精のシトリーです。よろしくお願いします。」
鰻上りの期待値に葛藤はあったものの、最後には自棄っぱち。
悪い人ではないようだし、騙すような気配も感じられない。
ギルド職員のお墨付きもあったなら、最後にはそう頷いて。
ただ頼られること自体は、やっぱり嬉しかったらしく、はにかんだ笑みを相手に向ける。
本来ならきちんと挨拶をしたかったのだけど、両手を握られたままだったから、軽く膝を折るだけで。
■メア > 小さな彼女の手を握り続けての懇願、その結果を待つようにジッと視線は彼女を見詰めたまま。
どっちが先輩なのか後輩なのか、誰か初見の者がこの状況を見たら勘違いをする程のものだ。
向けられる言葉に首を振って否定をするも、そんな言葉に挫けるような心の弱さは持ち合わせていない。
そんな強さはもっと別の方向に持ったら良いと思われそうだが、それがメアという少女なのだ。
受けてくれるのか、くれないのか、ドキドキと胸を高鳴らせ彼女を見詰めているも。
そこに救いの手を差し伸べてくれたのは、最初に声を掛けていた職員。
それに加え、どうやらこの冒険者ギルドに居る先輩達は皆、心優しい人達ばかりなのだろう。
次々と同意の声があがっているが、彼女からしたらどう思えるものなのか。
「本当!?
うわー、嬉しいなー、貴女が一緒ならきっと依頼達成も確実だよ!
…あ、私はメア。
あんまり自慢出来る事ってないけど、色々と出来るから頑張るね。
それじゃ、この依頼の達成まで…シトリーと私は冒険者仲間、よろしく!」
その答えは半ば自棄っぱちなものもあったようだが、今更それを気にしてないのはわかっているだろう。
握った手をブンブンッと振りながら、顔を寄せ、しっかりと彼女の顔を見詰めながらの自己紹介。
笑顔を浮かべる彼女に笑顔で返す。
「あ、そんな訳だからさ、また前に貰った地図を貰って良い?
今度はシトリーが一緒だから、しっかりと依頼達成して戻ってくるから。
ね?シトリー♪」
そうした後に思い出したように職員へとお願いする少女。
そんな少女のこの結果がわかっていたかのように、すでに準備されていた新たな地図を手渡される。
行き先は地図の通り、仲間も加わり、改めての依頼遂行となるのだろう。
その結果がどうなるのかは…
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 冒険者ギルド出張所」からシトリーさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 冒険者ギルド出張所」からメアさんが去りました。