2024/05/27 のログ
■ミホ・クギヤ > 「食べない食べない。不幸なすれ違いはあったが、よぉーっく!お話すれば分かり合えると思うんだ。」
わからせるのはそれが得意な人に任せるので、おそらく私の仕事じゃないけれど。
仮にもカミサマに一歩近づいたタコをむざむざ無駄にするのは惜しい。
人事を尽くすのさともっともらしく頷くが、目下極限の実力行使を展開中で猫にどう見えるかは分からない。
「仮にも入り江一つを治めた主サマだからね。適材適所でヒトに折り合いをつけてくれるなら上手くやっていきたいんだよ。
こっちにだって譲歩する余地があるのはホントだ、このお方がちょーっとわきまえてくださらなかっただけでね。
前提の共有さえ出来れば、分かってくださるとまだ期待してる。
猫さんが喉から手が出るほど欲しい逸材なら、こちらからご挨拶に伺うかもしれないが。
何もされなきゃ、何もしないよ、付かず離れずそれぞれで安定を保てるならそれが一番良い。
ホントはまあ、このタコを悪く言えないんだ、私らヒトもよっぽどな業突く張りで、
こっちから問題起こしに行っちゃってる事例が増える増える。」
猫の事はあまり興味無さげに言うけれど… しかしこの猫、発言からはヒトの社会にどっぷり浸かっているのが伺え、
どういう子なんだろうねと視線はチラチラ。
「私はミホっていう。猫さんのお名前は?」
話ながらも歩き出してしまい、この猫暇そうだからついて来るだろうと思ったら案の定。
キュリアスと、何だかお洒落な名が出てくると『タマでいいのに』と残念そうに、しかしそんな事より。
「――いやいやいや、それは手遅れさね。人語を操るただの猫もいるだろうけど猫さんはヒトの中で一員をやった事があると見た。」
ご冗談をと笑って、もう日が暮れるのを覚悟すれば足取りはお喋りしながらのものに。
■キュリアス > ふぅん、と声を出しながら猫は話を聞く。
なるほど、決してただ相手をぶちのめすような輩ではないらしい。
どうやって説得するのかは気になるが、しかしそこはおそらく巫女の領分ではないのだろう。
まぁ、どうあれ問答無用でぶっ殺すような人じゃないだけ猫にとっては都合がいい。
こうして話もしてくれるし。
「ふーん、わかってくれなかったらそのまま封印しっぱなしって感じかにゃあ。
まぁ、価値観とかを合わせる合わせないはともかく、相手の話を聞く聞かないが出来なきゃ話にもならないしにゃ。
上からぶん殴ってから話を聞かせるのは野蛮だと思うけども、そうしなきゃいけない野蛮な奴もいるしにゃ。
野生動物の矯正は難しいにゃあ。
猫ちゃんは猫ちゃんだからにゃあ。そっちが欲しい時に僕ちゃんからうかがうことはあるかもしれないかにゃ。
そうじゃないなら僕ちゃんはもじゃ女ちゃんに会うことは基本的にないにゃ。
……ふーむ、ヒトに限らず、社会を持つ心ある種族の欲望は際限がないからにゃあ。
これは勢力を築く側が抱える大きな課題だから仕方ないにゃ」
チラチラされる視線に気づいているのか気付いていないのか。
かなり壮大な話にまで発展しているような気もするが、さて名乗られれば名乗り返して。
「別にそう呼びたいならそう呼んでもいいにゃ。僕ちゃんは猫ちゃんだからにゃ」
と、長い尻尾を揺らして残念そうな顔をしている巫女を見ながら歩いていれば。
「うーん?僕ちゃんヒトをやったことはないにゃよ?
ヒトの社会は猫から見てはいたからちょっとはわかるだけにゃ。
飼い猫もやってたことがあるから、いろんな人から聞かされただけにゃあ。
ただまぁ、ただの猫じゃないって言われれば最近そう思うようになったにゃあ。
というか、ミホちゃんは自分をただのヒトだと思っていないって事かにゃ?」
■ミホ・クギヤ > 「ああ、放免とはいかないね。
このタコにはこのタコなりの言い分があるんだろうが、こうなった以上はほとんどコッチに合わせてもらう。
上手くやってくれてはじめて謝意を示そう。」
実力行使に訴える前の段階であればもっと相手を立てたのだろうけど。
武力制圧された後では当然状況は厳しいぞと、この辺は猫さんにと言うより桶に言って聞かせるような。
猫さんが向こうから来るだけと聞くと、猫らしいやねと可笑しそうに。
「足るを知るって難しいんだろうね、自分達にはもっと出来るなんて思っちゃったら…」
調和を重んじるが基本的にはヒトに味方するヒトの組織。
ニンゲンを贔屓していないと言えば嘘になり、猫さんを前にこんな事を言うと、タコの手前示しがつかない。
言葉を濁して、タスタス歩く。
呼び名、タマでいいって?
「おおっと聞こえた? いや失礼。名乗ってくれたのにあだ名にもならない別名なんて、つけないさ。
んまあでも、猫さんって呼び方はアリだよね。」
キュリアス、では何だか座りが悪く感じるのは横文字への習熟度合いだろうか。
ヒトをやった事は無い、と言われると 嘘だぁ~? って顔になってしまうが。
化けられるとは知らず、見聞きしただけと言われると納得しそうになる。
さておき、私がヒトデナシだって?
「おん?どうしてそうなる?
いやまあ、一般市民かって言うと多少特異なオシゴトではあるけど… いやいや、ヒトの域は出てないさ。
アレだ、私はシャーマンだよ。神様方にお仕えしてる。 仲間と海を渡って来た。」
巫女でも尼でも何でも良いが、宗教組織の構成員であると。
■キュリアス > 「結構柔軟な組織でよかったにゃタコさん。
下手なところだとそのまま処刑か、別の神様の人身御供扱いにゃ」
そう、彼女に続いて猫は桶に向けて話しかける。
可笑しそうに笑う彼女に不思議そうな顔をしながらも、猫は歩き。
自分らしいと言われながら笑うヒトが多いし、どうしてだろうと思いながら。
「でも、そういう考えがないと発展はしないからにゃあ。
諸刃の剣というか、前に進みすぎてもそのうち後ろに下がるんだから。
巻き込まれないようにするのが一番いいにゃ。猫はそうやって危機回避するものだにゃあ」
歩く巫女の背後をついていきながら、まるで猫のくせに悟ったようなことを。
「じゃあそれでもいいにゃ。猫ちゃんは猫ちゃんってことだしにゃあ。
…いや、だって僕ちゃんは自分をただの猫だと思ってきたけど、違うにゃ?
だったらミホちゃんも自分はただのヒトだと思っても、違う可能性だってあるにゃ?」
お互いになんでそんな事を言ってくるんだろうみたいな顔をして。
猫は彼女の言い分を聞いた後、さらに言葉を続けて。
「でも他人が見ればみんなただのヒトだと思わないことだってあるにゃ?
僕ちゃんはただの猫なのに、みんなみんなそうじゃないって言うにゃら。
つまり僕ちゃんから見ればミホちゃんはただのヒトじゃなくても全然おかしくないにゃ。
そのタコさんだってそう思ったわけだしにゃ?」
と、桶を指……………指?爪で指す。
■ミホ・クギヤ > 「……。」
このタコにとっては他所と比べてマシも何もなく現状が最悪であろうと思えばそこは無言で。
何が可笑しかったのかと改めて言われたら困ったかもしれないが、ようは猫を見るとある程度の割合でヒトは笑顔になるのだ。
「乗りに乗ってイケイケドンドンって状況だと、その辺の判断って当事者には難しいんじゃない。
…でもそうか、猫さんってのは好奇心に殺されるもんだと思ってたけど、引き際を弁えればこそ化けるまで生きられたのかね。」
この猫さんが元々はただの猫であったかどうかなんて知らないけれど。
人生?訓には ナマイキ とやはり可笑しそう。
「……?
うんまあ、色んな風に見られる幅があるのを理解しつつ、後は本人評価で良いんじゃないか。
肌の色が違えばヒトに非ずとか、信じるものが同じでないと嫌だとか、能力がある程度横並びじゃないと我慢ならないの何のと。
そこら辺の理由でヒトと違うの違わないの言われても、合わせきれやしないからさ。」
実害が無ければ放っておいて良し、好きに考えるに任せると首を振り。
「――てなわけで、私はやっぱり猫さんのソレが猫らしからぬと思う。
飼われてたって言ったっけ? ヒトの言葉を理解して話す猫、ペット扱いはし難そうだなあ。」
飼い主さんはどう接していたものか。果たして御存命なのか。
タコは私を特別視しているのだろうか。もちろん仇くらいに思っているのはそうだとしても。
好きに思わせておくさと頷いて、歩調を早める。やがて灯りを点けながら、夜道となっても猫はくっついて来るのだろうか。
街道に出て王都に辿り着き、隊舎まで来たなら猫まんまくらい出たかもしれない。
■キュリアス > 「ま、確かに飼われてはいたけども。
大体僕ちゃんはその人が満足してくれればそれだけで終わるからにゃ。
でも、ミホちゃんが猫ちゃんを飼いたいっていうなら別に猫ちゃんとしては構わないかにゃー」
そう、楽しげに笑う猫は、そのまま夜道になろうと彼女についていく。
その夜は結局、魔物の類いは出ることはなく、無事に帰路につけたことだろう。
出されたねこまんまに、猫は美味しそうにありつきながら。
「ミホちゃんがもし困ってたら、猫ちゃんの方から行くから安心して欲しいにゃ。
猫ちゃんは、満たされない人の味方だからにゃ♪」
そう、意味深な事を言って、翌朝には姿を消していた事だろう―――
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