2023/10/15 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道「まれびとの道」」にササリさんが現れました。
ササリ > 「………」

きらきらと星空が光る夜。
街道をのんびり歩く占い師。手の中には水晶玉。商売道具であるはずのそれを、まるで手首の運動のようにころころと転がしては、それに透かして星を見る。

「……馬車に乗ればよかったかしら。」

馬車はしばらく無いよ、と言われて、あらそう、とばかりに歩いて旅をしているのだけれど。
今更ながらに待てばよかったなあ、なんて思いを馳せる。

お腹が空いたわけでも、寒さに震えているわけでもないのだから、特に危機感や不安があるわけでもないけれど。


「……まあ、もうすぐつくもの、いいわよね。」

このまま歩けば、夜のうちにたどり着くだろう。
そこから宿を取って眠ればよかろう。二日三日歩きっぱなしはよくあることだ。

ササリ > 「こっちであってましたっけ。」

きらきらと星空が光る夜。
ふと思い出すのは、この道で合っていたかどうかという結構重大なモノゴト。

「……そういえば、占い師でした。」

ひょい、と水晶玉をのぞき込む。
星を透かして見ていた透明なそれを眺めながら、この道は合ってるかしら、なんて独り言のように尋ねて。

「……うん、うん。合ってる合ってる。だいじょーぶ。」

一瞬不安になりつつも、まあいいか、なんてころりと笑って歩みは止めない。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道「まれびとの道」」にアイカさんが現れました。
アイカ > その女がそこにいたのは、冒険者として依頼を請け負っていたからだ。
いわゆる採取の仕事。難なくこなして報酬を詰めた袋を片手に、自然地帯から近場の街道まで出てきたところ。
ぐるりと辺りを見渡す。この時間、馬車や通りがかる旅人などまずいないだろう。
ならばここで宿を張るか、あるいは王都まで歩くか…と考えていたところ。

「……あら」

星空の下。人の気配。
ちらりと視線をよこせば、そこにはジプシー風の──自分とよく似ているかもしれない──服を身に纏う女性の姿。

警戒されるやもしれないが、まぁ折角の縁。
彼女のもとへ歩み寄りつつ、つとめて穏やかな声をかける。

「ねぇ、そこの人。どちらへ行かれるの? もしかして王都かしら」

とまで問いかけたところで、あれ王都はどちら方面だったろうかと気づく。

「そうなら、道中一緒に行かない? 一人よりも二人の方が危険は無いわよ」

ササリ > 「あら。」

相手からの声がけに、瞳をぱちくり。といっても見えないけれども。

「こんな時間にどうかされたんです?
 旅、というには時間も遅いですけれども。」

首をかしげて相手に尋ね、相手の言葉にうん、と小さく頷く。

「ええ、王都に向かう予定だったのですけれど、馬車がしばらくでないというので。
 歩いて行ったらいけるかなあ、って。」

のほほん、とそんなことを言いながら、こくこくと頷く。

「ええ、喜んで。私はササリ。本当はもうちょっと長い気がするけれど、ササリでいいわ。
 旅の占い師をしています。」

どことなくゆるゆる、のんびりとした話し方をしながら、隣について歩き始めて。

アイカ > 近づいてみると、思いのほか前髪が長い。
顔を半ばほど覆い隠すそれに、でも似合っているな、とも思って。

「いきなりごめんなさい。私、王都に住んでいるのだけれど…今日は仕事でここまで。
思いのほか時間がかかってしまってね。気づいたらこんな時間に」

どうやら彼女の行き先も王都のようだ。
道中共にすることも、承諾を得られた。ならば躊躇う理由もなし。

「歩いて行ったら、って。中々豪胆な人」

のほほんとした口ぶり、のほほんとした内容につい笑ってしまったり。

「ササリね。私はアイカ。ここへは冒険者として仕事に来たけれど、普段は王都で踊り子をしているの」

自己紹介を交わしながら、肩を並べて歩き出す。

「もし貴女が王都に暫く滞在するのなら、どこかの酒場でお会いするかもしれないわね」

ササリ > 「お仕事で。」

おしごとで。頭の中で二度繰り返して、右を見て左を見る。
どう見ても踊り子風である。とはいえ、ここでお仕事ということは何に対して踊っていたのだろうか。

自分が冒険者兼占い師であることをすっかり忘れて、相手をオンリー見た目で判断して、きょろきょろしてしまう。

「ああ、なるほど。冒険者として。
 私も冒険者もしているんですよ。へへへ。」

勘違いをごまかすように照れ笑い。声は少し小さめで、夜風に紛れて消えてしまいそうなほど。
それでも、遮るほどの風でなければ、お互いの会話に問題はなく。

「しばらく…………。そうですね、しばらくは。
 たいざい………。」

言葉を繰り返しながら、そういえば、なんて思考がようやくそこに思い至ったといった様子で。

「………まあ、着いてから考えることにしますー。」

へへへ、とまた照れ笑い。

アイカ > 実際、恰好は踊り子そのものなので少々は混乱させるかもしれない。
とはいえ、勘違いが解けたようで何より。照れ笑いに微笑み、一度頷いてみせた。

「あら、冒険者仲間ね。王都についたらギルドも沢山あるから、
暇があれば登録してみるといいわ。実入りが良いかどうかは…まぁ、仕事によるかもしれないけれど」

今日はいつになく夜風も穏やかだ。
星が見える程に空も晴れている。たとえ声の大小があろうと、会話には何の支障もないだろう。

「……お節介だけれど、大丈夫?
もし滞在するってことになったら、それこそ宿とか。仕事とかいろいろ考えなきゃいけないけど…」

別に考えていないことが悪というわけではないが、中々のほほんとしすぎている気がしたのでつい心配になってしまう。
眉尻がちょっぴり下がった表情で、彼女の顔を覗き込むように。

ササリ > 「そうですね、登録、登録。
 前回の街ではしばらく忘れていたから、気をつけなきゃー。」

微笑みを受けて、ころころと小さく笑い。
ぼんやりギルドに入り浸る謎の人だったことは情けない思い出だ。

「大丈夫大丈夫、なんとかなるんですよ。
 王都に自由に使える場所があればー、占いのテントでもどこかに立てましょうかね?
 そういう場所ってあるんでしょうか。」

あればいいなぁ、なんてふわんふわんとした想像を広げて。
顔をのぞき込まれても、髪で瞳は見えないけれど、きょとん、とした雰囲気で。

アイカ > 「……なんか、思った以上に大物な気がしてきたわね…」

ころころ笑って思い出話を語る彼女を見ながら苦笑する。

「そう? ならいいわ。──王都にテントか。まぁダメとは言わないけど…
王都はあまり治安が良くないからね。平民地区の方に立てると幾らかマシかもしれないわ」

きょとん、とした雰囲気。どうやら先行きのことについては割合楽観的のようだ。
ならこれ以上は何も言うまいと顔を引っ込め、肩を竦める。

「まぁ、ここで会ったのも何かの縁。
王都にいる間、困ったことあったらいつでも言って頂戴。できることなら手を貸すわよ」

なんて気さくに声かけして、じゃれつくように彼女の腕に腕を絡めようとする。

ササリ > 「あら、そうですか?」

ふふー、褒められました、なんてゆるく笑って。

「そうなんですね、では平民地区の方に。
 許可って、どこでもらうんでしょうね。」

楽観的に楽観的を重ねて、上から楽観的をかけて完成です、といった塩梅の思考をしているらしい。ぽやーんとマシュマロのような今後の未来を描きつつ。

「わかりました。アイカさんと呼べばよろしいでしょうか?」

腕を絡められれば、あら、といいながらこちらも腕を絡め返し。しなやかな褐色の肌を触れ合わせながら、質量のある乳房に触れても気にする様子もない。

恰好的に直で素肌であるが、変わらずほへぇー、っとしている。

アイカ > 「まぁ、無難に考えて王城じゃないかしら。実際にテントの許可が出るかはわからないけど…」

楽観的の何乗か。
世の中なんとかうまくいく、みたいな思考を目の前で見せられるとまた心配になるが、
まぁ必要以上に心配するのも失礼かと思い直す。

「ええ。呼び捨てでもいいわ、ササリ。敬語もぶっちゃけて言えば要らないけど、
貴女はそれが素みたいだしね」

特に嫌がられもしなかったので、道中は腕を絡め合って歩くことに。
白と褐色の素肌を触れ合わせる心地良さのまま、時にお互いの腕にお互いの乳房が触れる形になるだろうか。
まぁアイカの方もその辺は何ら気にしていないのだが。

ササリ > 「なるほど。ふーむふむ。」
「王都の外とかどうでしょう。こう、馬車が止まるような!」

街道そばに適当に作られる掘っ立てテント。
自由な発案をしながら、言葉とは逆に元気に歩みは進む。

「ふふ。………そうですね。
 アイカ、いい宿知ってますー? おしえてー。
 このあと朝からぐっすり寝る予定なんですよ。」

へへー、と笑いながら腕を絡めあって歩くのなら、甘えるように猫撫で声も出してみようか。

アイカ > 「王都の外は逆にアリかもしれないわね……。
…あ、そういえば平民地区に空き家が幾つかあったような気がする。そこ借りられるか訊いてみるのも良さそうね」

テントよりは、雨風凌げる屋根があった方が良いだろう。
一応占い小屋、みたいな感じで店も出せるわけだし。

「ふふ。かわいい声出しちゃって。送り狼しちゃうわよー?なんてね。
いい宿ならいくつか知ってるわ。王都についたら教えてあげる」

猫撫で声にころころと笑って気を良くするアイカ。
腕を絡め合って、手も繋いだりして。楽しそうに言葉を交わしている2人。

ササリ > 「空き家。なるほど。
 占いの館………と呼ぶにはアイテムが足りない。
 何かカードとか適当に並べて、それっぽいお香でも炊いてー。」

目指せ雰囲気。

「おおかみ。」

相手の言葉に少しだけぱちくりと…いや、目は見えないんだけど。
ころころと笑って。んー、ん-、なんて声を漏らしながら腕に身体を寄りかからせて。

「………どうしようかしらー。」

思わせぶりなのか、それとも何も考えていないのか。そんな言葉を小さな声でそう囁いて。手を重ねて、指を絡め。
その上で、ころころと笑う。

「宿は助かりますー。
 途中の街で、有り金全部ーとか言われて走って逃げたりとかしてたのでー。」

とんでもないことを、ころころと笑って話して。

アイカ > 「まぁ、そこはササリの努力次第で頑張ってもらって…」

雰囲気整えれば、まぁ文句はなかろう。
よく考えると王都に占い師と呼べる職の者はあまりいなかった気がする。
まぁ探せば案外そこらに転がっているのかもしれないが。

「あら、案外満更でもない?」

寄りかかってくる身体の重みに、意外そうな瞬き。
触れ合う肩をすりすりと擦り合わせたり、指を絡め合って手を繋いだり。

「……試してみる?」

なんて甘い囁きを返す始末。

「もはや武勇伝ね…。 王都にもそういう宿は無くもないから、気を付けてね」

全力で逃走する彼女を想像して口元が緩む。

ササリ > 「ふふふ、そうですねー。
 大丈夫だいじょうぶ、なんとかなりますよね。」

とってことってこ。足取りは軽快。
相手が囁いてくるならば、んぅー、なんて悩む声を返して。

「ふふー。」

緩く笑って、お返事をしないのだ。
ズルい占い師。まあ、占い師は基本的にズルくないと務まらないものかもしれないが。


「はー、よかった。
 王都について適当に入ってたら、危なかったかもしれません。
 ……あそこに見える明かりって、そうです?」

あれは星じゃないですよね、なんて歩く先に水晶玉をかざす。
透明なそれ越しには揺らめき、瞬く明かりが一つ。

アイカ > 囁き、ふんわり受け流されればくすくすと笑って。寄せていた顔を引っ込める。
まぁこれでも初対面。過度な干渉はきっと角が立つ。
占い師に限らず、商売は多少のズルさがなければ務まらない。多分。

「王都みたいな大きい街だと、悪い人も多いからね。気を付けて。
──あれは…」

前方に見えるぼんやりとした明かり。
頭の中の地図と照らし合わせる。──目指す目的地で間違いなさそうだ。

「そうね。あれが王都マグメール。…思ったより早く着いたわね」

良かった、とホッとしつつ。手は繋いだまま足取り軽く道を行く。

ササリ > 「よかったー、逆方向に進んでいたらどうしようと思っていたんです。」

ふふー、と微笑みながら腕を絡めたまま、二人歩調を合わせてのんびりと。
目的地が見えるなら、気持ち急いでいた足も緩むというもの。

「ふぁ。」

あくびを一つしながら、空を仰ぎ見れば、先ほど見た星は変わらない場所に輝き続けていて。まるで少しも進んでいないような気持ちになるけれど。

「ふふー、布団で寝る前に体でも流しましょーっと。」

上機嫌に笑いながら、道案内をきっとしてくれるであろう同行者にもうちょっとだけもたれ掛かって。

王都まで、もう少し。

アイカ > 「逆方向に進んでたら…そうね。小さな村に辿り着いてたかもしれないわ」

王都とは逆方向。今は王都軍の基地としても使われている小さな村の光景を思い起こしつつ。

さて、もうすぐ王都。
道すがら、腕を絡めてのんびりと明かり漏れる方へ向かっていく。
欠伸を思わず零してしまう彼女に笑ってしまいつつも。

「王都に大きな温泉旅籠があるから、気が向いたら行ってみるのも良いかもね」

そんなおすすめ情報を流しつつ、穏やかな夜空の下。もう少し同行は続く──

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道「まれびとの道」」からササリさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道「まれびとの道」」からアイカさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 冒険者ギルド出張所」にヴァーゲストさんが現れました。
ヴァーゲスト > 何をしているかと言えば何もしてない。
――訂正、仕事を待っている、依頼が舞い込んでくるのをだ。
メグメール(喜びヶ原)にある冒険者ギルド出張所、そこに併設された閑古鳥も大合唱するようなボロ酒場、のカウンター席に腰をかけ生ぬるエールをひとり飲みながら。

ただ何もせず待っているのではない。
冒険者ギルドの方で王都までの岐路、若しくはこの冒険者ギルドから何処かの都市への護衛、若しくは救出や討伐の依頼があれば酒場にいる赤髪の冒険者まで、と依頼書と真逆の宣伝広告を貼り付けてある。

そもそも、こんな可能性の薄い仕事はしたくなかった。
王都にあるギルドで金になる仕事を請けたかったのだが、その冒険者ギルドから短期間拘束で酒飲み放題で経費持ち、何て甘い言葉が並べられた依頼書を引っぺがしたら――この有様である。

つまり、だ。
冒険者ギルドが昨今の諸々を考え見て、街道を移動する際は護衛をつける、夜遅くなる前に移動を終える、という常識的な行動から外れた例外をお救いする仕事である、お酒が美味い、いやマズイ正直王都で冷えたエールが飲みたい。

「帰りてぇなぁー…どうせ仕事なんてないんだろー?
 あれば経費もちとかよー酒飲み放題なんて書かねぇもんな?
 知るかよー…馬車で移動できない貧乏人とか、徒歩で動いて計算ミスった奴なんかよー……。」

グチグチグチ。
気がつけばもう1杯木製のジョッキに表面張力が活躍するまでギリギリに温いエールが注がれた物が置いてあり、酒場のマスターは「よるなのでねます」とメモを残していなくなっている。

同業者の顔もなし、誰かオレと同じ罠に嵌った奴はいないのか、等と脳内で愚痴をだらだら零しながら、自分の頭を抱えてアー…って顔をしている。

そのままカウンターに突っ伏して眠る。
誰かが起こさない限り今夜のベッドはここになるのだ……。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 冒険者ギルド出張所」からヴァーゲストさんが去りました。