2023/10/14 のログ
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ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 草原」にエレイさんが現れました。
エレイ > 「──Zzzz……」

まだ日の高い時間帯。
街道脇の草原で、草に埋もれるようにして仰向けに寝そべっている金髪の男が一人。
両手を組んで枕にしながら、晴天の空の下でマヌケな寝顔を晒して絶賛爆睡中だった。
時々吹き抜けてさわさわと草を揺らす風に擽られたように、ムニャムニャと寝言めいた
声を漏らしたりしつつ。

なお男の寝るその近くでは、男が連れたものらしき、馬具を装備した平均的な印象の鹿毛の馬が一匹佇んでいる。
時折草を食んだり、ゆったりと歩いたりするものの男から大きく離れることなく一定の距離を保ち続けていて。
のんきに眠る男と合わせて、ごくごく平和な光景を形成していた。

とはいえ──男の姿が草に埋もれていることから、遠目から見れば馬が何故か単独で
佇んでいるようにしか見えないかもしれないが。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 草原」にラティーシャさんが現れました。
ラティーシャ > まだ日の高い時間帯、普段は乗合馬車を使うのだがこの時は少し歩こうと街道を歩く。
中々に疲れはするが馬車からは違うように見える景色を眺めて歩く。
そうしていれば、ふと街道の脇の草原に一匹の馬が見える。

最初は野生の馬かと思いはしたが、馬具を装備しているのを見れば持ち主がいる馬。
しかし周辺には人影はなく、もしかして逃げてきたのかと考え。
それならば捕まえ王都に連れていけば飼い主の手に戻ると考え、街道をそれて草原に足を踏み入れ。

「そこの馬、少し動かないで。飼い主を探してあげるから」

草を食んだと思えば決まった範囲で歩く馬に静かに声を掛けて近寄っていき。
草に埋もれて眠る人影がいるとは思わずに馬の近くに歩みよっては慣れた手つきで手綱に手を伸ばして捕まえようとしていく。

エレイ > 主が起きるまでの時間をのんびりと過ごしていた馬は、ふと耳をぴくりと動かす。
こちらに近寄ってくる誰かの足音が耳に届いたからだ。
ゆっくりと首を動かしそちらに顔を向け、その誰か──少女につぶらな眼差しを真っ直ぐ向ける。
緊張も警戒もした様子もなく耳を立てて佇みながら、直ぐ側まで訪れたその少女に手綱を取られれば、

『──ブルル…』

軽く鼻を鳴らしたあと、おもむろにある方向に歩き始める。
その歩みは手綱を引っ張って止めようとしても止まらないだろう。
少ししてその歩みが止まれば、馬はゆるりと顔を下げ、草むらに発生している
不自然な凹みに鼻面を差し込む。
そこを覗き込めば、凹みの原因──眠りこけている男の姿を少女も認めることになるはずで。

「……んが?」

そして馬に鼻先で頬をつつかれた男は、寝ぼけた声を漏らして半目を開けた。

ラティーシャ > 近づくと真っ直ぐに眼差しを向けてくる馬。
つぶらば瞳は何を考えているかは判らないが、放っておき狼などに襲われても後味が悪い。
そんな考えで王都に連れて行こうと手綱を手にすると鳴いたと思えば歩き出す。

「こら、そっちじゃない」

逆だからと手綱を引くも馬は止まらずに歩いていき。
仕方がないと馬の後を追うように歩けばやがてあゆみが止まる。
そして草むらに鼻先を突っ込む様子に何かあるのかとそこを覗き込み。

「この人、飼い主?」

覗き込めば眠っている男の姿が目に入り。
逃げたではなく飼い主が居た事に、よかったね、と馬の首筋を撫で。
寝除けた声と共に男の目が開けば、おはよう、寝坊助さん、と声を小さくかけていく。

エレイ > 少女の問いに馬はもう一つ鼻を鳴らし、すっくと戻した首を撫でられ大人しく佇み。
その間に、起こされた男は半目のまま中空を眺めていたが、やがてのそりと緩慢な動作で身を起こし、
両腕を上げて伸びをしながらくーわわ……と大きなあくびを漏らして。

「ンンン、よく寝たわい……おう、おはようだぜ」

か細い声で掛けられた声で、ようやく馬の隣にいる少女の姿にも気づいたが
特に驚くでもなくへら、と笑みを浮かべて挨拶を返すと、ゆっくりと立ち上がって
自らの背中や尻をペシペシと軽く払って細かい草を落とし。

「んで……キミは一体どうしたのかな? ソイツがなにか粗相でもしちゃったかね?」

寝起きで事態がまだ把握できていない男は、軽く頭を掻きながら馬の手綱を取っている
少女に首を傾げて問いかける。
よもや馬が放ったらかしにされていると心配されていた、などとは思わずに。

ラティーシャ > 馬のそうだと言っているような鳴き声、大人しくたたずむ首を撫で。
目を覚ましたと思う男が空を見上げていたと思っていれば動き出すことに一歩下がり。
腕を伸ばして大きな欠伸をする姿に本当に眠っていたのだと判り。

かけた声に言葉を返されると小さく頷き。
驚いた様子が無い事に、こんな場所で無防備?に眠っているだけのことはあると。
そして立ち上がったのを見れば背の差があり見上げるようになり。

「この子が一人だったから保護しようとしただけ。
飼い主が居るならよかった」

男が手綱を手にすれば手綱を離し。
粗相ではなく、飼い主が居ないと思った事を説明をして。

エレイ > 「──ふむ? ああそうか俺の姿が見えないからこいつがソロ行動をしていると
思ってしまったワケか……要らん心配を掛けてしまったようだなすまぬぇ」

少女の返答に反対側に首を傾げ直すが、自分の姿が少女からは見えなかっただけかと
察すれば眉を下げて笑い、軽く詫びの言葉を返し。

「ちなみに実は飼い主ではなく借り主なのだがまああそれはそれとして……
キミはお一人かね? 街道からそんなに離れてないとはいえ外れた場所だから、
ここもモンスターとかが湧かないわけではなく結構危険だぞ?」

それから、周囲を軽く見渡したあと改めて少女に向き直ると、他には誰もいないことに気づいて問いかける。
じろじろと無遠慮に、その姿を上から下まで眺め回しつつ。

ラティーシャ > 「そういう事、逃げたかはぐれたって思ったの。
本当に、不要な心配でよかった」

街道からは見えなかったと、先ほどまで歩いていた街道に視線を向け。
眉を下げて軽い詫びの言葉に気にしていないと首を振り。

「そこはどっちでもいい。
見ての通り一人。それはよくわかってるけど大丈夫。
この辺りのモンスターに負けるほど弱くない」

もし何かが襲ってくれば容赦なく攻撃魔術を叩き込む、そう見せるように手に魔力を集め。
無遠慮に視線を向けられると、何?というように首を傾げて。

エレイ > 「ウム、でもサンキューだぜ。キミは優しいなッ」

見ず知らずの馬を心配してわざわざやってきてくれた少女にニッと笑い、
ビシッと親指を立てながら礼を述べ。

「──ほうキミは魔術師であるか。確かにその佇まいからしてトーシロとは
違っているようだが……こういう場所はだだっ広いからなバックアタックには気をつけたまえ」

手に魔力をまとわせる彼女にほう、と声を漏らし。
観察した立ち姿の様子や、肌に薄っすら残る傷跡なんかからも、彼女の言葉が
嘘でないことは察しつつも、眉下げて笑ってアドバイスめいた言葉を投げかけ。

「さて……心配を掛けた詫びと礼ぐらいはしないと男がすたるというものだが……
キミはこのあとはどうするのかな?
ああちなみに俺は旅人で冒険者のエレイというのだが呼ぶときは気軽にさん付けで良い」

何か彼女に返礼の一つでもせねば、と顎に手を当て思案してから、このあとの彼女の予定など問うてみて。
それからふと思い出したように、何故かドヤ顔で変な自己紹介を繰り出して、
キミは? というふうに笑顔を向け。

ラティーシャ > 優しいと言われるとそうかと思うが、そうなのだろうと思う事にし。
笑う男に小さな笑みを向けて。

「そういう事、それなりに経験も積んでる。
後ろは街道だし、不意打ちはそうないよ」

男の言葉にそうだというように頷き。
アドバイスはありがたいが、ここだと大丈夫だからと小さく笑って。

「この後?王都に戻るだけだけど…お礼は別にいいよ。
エレイね、私はラティーシャ。また会えた時は……その時はその時で」

礼をという男に大したことはしていないと首を振って辞退し。
名乗られるとマイペースに名前を名乗り返す。
そして、馬によかったねともう一度首を撫でると、男にそう軽く告げて頭を下げ。
そうして街道に戻っていく。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 草原」からラティーシャさんが去りました。
エレイ > 「そう? まああとりあえず借り一つということで覚えておくので、
何かあったら頼ってくれたまへ、ラティーシャちゃん」

礼は良い、と言われて眉を持ち上げるも、へらりと笑ってそう言って。
首を撫でられた馬はぶるる、とまた鼻を鳴らし。
去ってゆく少女を見送ってから、自らも馬に乗るとその場を離れ──。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 草原」からエレイさんが去りました。