2023/10/05 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道「まれびとの道」」にエリナさんが現れました。
エリナ > 「……うーん。さっきの子の反応……可哀想な事をしちゃったかしら?」

まだ昼前の時刻。
王都からそう遠く離れておらず、絶対安心とは言わずとも安全圏内と呼べる程度の危険度しかない街道脇にて屈みこんで草花の採取に勤しみ、フリルの付いたドレスが引っかかって破れたりしないように気を付けながら左腕に掲げた籠の中へと摘み取る事への謝罪と感謝を口にしながら白い手を動かす少女。

少女の姿をした、人形。
ただし普段とは違い、若干ドレスが煤けたり、ほつれ、二の腕のあたりは鋭利な何かにより裂けてしまい肌が覗いている。

籠の中が少し埋まってきた頃、ふと思い返すのは先程の出来事。
幾ら安全圏とはいえ、魔物がいないというわけではなく運が悪ければ街道まで出てきた魔物に遭遇することはあり、その運が悪かったらしい子供が幸いにも自分でもどうにかなる程度の弱小の魔物であった為助けに入り凶牙から身を呈して庇い。
ただ、弱小とはいえ魔物は魔物。護身はできてもまともな戦いには向かず、もし冒険者を名乗れるような者なら手こずることなく退治できただろうが退治するよりも指に仕込んだ使い捨て小銃で威嚇射撃し追い払った方がお互いの為だとなんとか追い払う事に成功。
牙を腕に突き立てられた際、魔物が好む肉の味がしなかったことも理由の一つかもしれない。

一安心だと子供の無事を確かめようとしたが、庇った際にドレスが裂けてしまい、そこから球体関節が覗いた事や、指が取れてそこから銃を撃って今も安全確認を優先し硝煙が立ち昇る指銃のまま子供を覗き込んでいたせいか子供は助けてくれた感謝よりも気味が悪い、化け物、と怯えた様子で王都へと逃げ去って。

きょとんと反応に困った時にはしている表情と仕草で人差し指を頬に添え小首を傾げてみたが、とりあえずあの様子なら怪我はなさそうだし守れて良かったと判断し本来の目的の採取活動を始めたのであった。

だが、あの怯えよう。ひょっとして子供にとって魔物より自分のような人形のほうが不気味で恐ろしいものに映るのだろうか?指銃は採取に向かないから予備の指に換装し付け替え、自分の手袋をしておけば人と変わらぬように見える手を眺めてから、今度こういうことがあった時は怯えさせないように上手くやらないといけないなぁ、と考えてから再び草花の採取活動を再開して。

エリナ > 「さて、と。また魔物が来たら大変だもの。早めに戻らなきゃ。」

ぼんやり考え事をしていたせいか、思っていたよりも作業の進捗状況は芳しくない。
籠の中身にまだ隙間が多い事を認識すれば、ふるふると首を横に振る仕草と共に思考をリセット。
考え事は店ですれば良い。今は採取が先だと再確認してから遅れを取り戻すべくせっせと動き始め。

ただ、その度にちらりと映る破れたドレスから覗く球体関節が見える度に先程の引き攣った子供の顔と叫びが思い出されてしまう為戻る前に簡単に裁縫道具で破れた箇所だけでも修復しようと決めて。

暫くしてから籠の中身が詰まってから簡易裁縫道具を取り出し牙を突き立てられ破れた布地を補修し、流石に全部を整えるのは時間がかかるから最低限見苦しくない程度に身なりを整え直してから王都にある店への帰路について。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道「まれびとの道」」からエリナさんが去りました。