2024/03/10 のログ
ご案内:「ル・リエーの水遊場」にエンさんが現れました。
エン > 中層階。平民や小金持ちが思い切って奮発した、程度に価格は少しお高めエリア。
昼間ともなればそれでも人気はあるが夜間ともなると今のところは独り占め。
他国から取り寄せたという果樹も、宝石のように煌めく砂浜も、
月明かりを模した照明で暗くも暗すぎず夜の顔を見せて中々に洒落た雰囲気……
は、一様に、残念ながら見えやしないのだが、
人工的に造られた漣や風が木の葉を揺らす音が静かに波打つ空間が心地良い。
外の時節は春を迎えつつあるがまだまだ夜風が染みる中ここは暖かく人工海に入っても温かく気持ち良い。

暫く来てはいなかったが久々に来てみるとやはり良い。
外でこれだけ静かに過ごせる場所は数少ない。
一泳ぎしてから寝そべり椅子にごろりと寝転がれば、腕を枕に足を組み、一息。

「……はーーー。ぁーーー……落ち着く……」

最近は。最近に限った話でもないが殊ここ暫くは部屋で飲んだくれているばっかりだった。
ちょいと運動と少し変わった休息を、と、思って足を運んで正解である、ただ……

「折角なら誰か誘えば良かったかな」

話し相手の一人や二人ぐらいは居ても良かったかもしれない。
発声の仕方忘れそうだ、と、喉を手でさすれば独り言ちて軽く笑う。

ご案内:「ル・リエーの水遊場」からエンさんが去りました。
ご案内:「ル・リエーの水遊場」にエレイさんが現れました。
エレイ > 水遊場内、水着販売エリア。
ここでは水遊場の利用客向けに水着の販売、およびレンタル業が行われている。
エリア内には色とりどり、様々な形状の水着──主に女性用のもの──が多数ディスプレイされており、
客はそれを見た上で水着を選ぶことができるようになっている。
希望すれば奥にある試着室での試着も可能である。

その試着室や水着にも、もちろんこの国の施設らしく怪しげな仕掛けがあったりなかったりするのだが──

「──Zzzz……」

さておき、接客用のカウンターの向こう、椅子に座っている金髪の男は壁に背を凭れながら
こくこくと船を漕いでうたた寝していた。

普段はプールのほうで監視および警備を担当することが多い男だが、今回は珍しく
水着販売のスタッフとしてこの場にいた。
とはいえ、ピークの時間は過ぎたか客足は今のところ途切れているようで。
男も暇を持て余し、いつしか鼻提灯を膨らませた間の抜けた寝顔を晒すことになっていた。

果たして、そんな男を目覚めさせる来客などは訪れるのか──。

ご案内:「ル・リエーの水遊場」からエレイさんが去りました。