2025/05/27 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にれあさんが現れました。
■れあ > 日もすっかり落ちた貧民地区。
そのストリートを歩く、一人の女冒険者。
その腕にはギルド腕章がある。それはギルドの依頼を受けての巡回任務をしているものの証。
富裕地区に住む貴族らが「社会貢献」の一助として、彼らの身銭を切り、冒険者ギルドに治安維持の仕事を依頼するのである。
その多くは、ただ腕章をつけてB地区を周回すればよいというもの。
ただし、犯罪現場その他に出くわした場合は、それを看過してはならないので、ある程度の危険も予想される仕事だが、そんな事態には中々ならないので、時間を持て余した若手冒険者等がよく請け負うたぐいの仕事だった。
私も何度目かの巡回だけど、時に腕自慢のゴロツキが絡んできたりとか、酔っ払いの喧嘩の仲裁とか、ストリートキッズの軽犯罪の現行犯逮捕とか、そんな程度のイベントしかおきていなかった。
今日は夜風がいつもより強くて冷たい。
「嵐とかくるのかなー」
ぼんやり空を見上げながら、汚い路地を行く。
■れあ > 汚くて暗い路地の隅に蹲る様にして寝ている貧者の姿を頻繁に見かける。
平民地区の公園とかを追い出され、どこか眠る所を求めてそこに辿り着いたのでしょう。
彼らは無防備と言ってさしつかえない寝相を晒していた。
母国では「辻斬り」という犯罪があった。
自分の腕前を試す。新しい刀の切れ味を試す。純粋に人体を斬りつける感覚を求める。
中には生き血を啜ることで肺の病を治そうとしていた者もいた。
そんな意味では、この王都はなんだかんだ言っても治安が整っているのでしょう。
ふと、通りの向こうから、立派な体格で、腰には剣を下げた、怪しい人相をした人物がヒタヒタと歩いてくる。
私の腕の腕章を目にした相手が、少し道端に寄り、そのまますれ違う。
本当ならピリッとした空気が漂う瞬間だけど、あえて私は無防備な姿を装い、すれ違った人物に一切の警戒をしていないフリをする。
この間に、相手の放つ気や香りを探る。
こちらを害する気配も、血の匂いや火薬の匂いなど、嫌な感じがするものは漂っていない。お酒の匂いと体臭はキツイけど、それだけ。
無事にすれ違った後は、件の人物が足を止め、私の背中に視線を送っているのを感じながらも、それを無視して歩き続けると、その人物も再び歩き始めて、夜闇の向こうに消えていく。
「仕事探し中の冒険者。お年は44歳」
なんて適当にプロファイルしながら、夜道を進む。