2025/05/22 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にシトリーさんが現れました。
■シトリー > ちょっとした近道をしようと路地裏に入ったのが間違いだった。
入り組んだ路地は、下手なダンジョンなどよりも、よっぽど迷いやすい。
右へ左へくねった道を歩くうちに、方向感覚も狂ってしまい。
最早どちらに向かっているのかさえ、定かではなく。
誰か人が居れば、道を訊くこともできるのだけれど、残念ながら辺りは廃屋ばかり。
分かれ道でどちらに行くべきかと困り顔で小さく溜息をつき。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にスヴィチューナさんが現れました。
■スヴィチューナ > 貧民地区の路地裏と言えば、大抵の人にとっては「危険な」が頭につく場所。
他地区の住人が、好き好んで足を踏み入れる所ではないだろう。
だがしかし、地元の人間である小動物系行動のカウンセラーは
「行くべきではない路地裏」と「少し気を付けるべき路地裏」、
そして「大体安全な路地裏」について多少の知識があった。
なので今宵も遅くなった帰宅の途中で通った安全な路地で、
あまり見かける事の無い異種族・・・耳が尖っているので
エルフとかいうヒト達だろうか?が一人で歩いているのを見ると
きょろきょろと辺り見回し、他に誰もいないのを確認してから
おずおずと声をかける。
「あ、あのっ・・・何かお困りですか?
お金とかは貸せませんけど、わたしでお役に立てる事あったら
出来るだけの事はしますよ?」
いきなりかかった声に少女が振り向くなら、
同じくらいの背丈だが、ぱっとしない印象のちょいぽちゃの女性が
何とも微妙な笑み浮かべながら立っているのが見えるだろう。
■シトリー > 不意に声を掛けられると、半ば驚いた様子で振り返る。
「え、あっ、えと、はい。
道に迷ってしまったみたいで……。」
素直に、自身が置かれた状況を口にしながら、声を掛けてくれた相手のことをしげしげと見つめてしまう。
何せ、見るからに治安の悪そうな路地裏で、そんな親切な言葉を掛けて貰えるとは思わなかった。
藁にも縋るとはこのことだろう。曖昧な笑みを浮かべる相手に詰め寄って。
「学院の寮へは、どう行ったらいいでしょうか…?
せめて表通りまでの行き方でも構わないので、教えていただけますでしょうか。」
きゅっと胸元で祈りの形に手を組み、相手へと捧げ。
道を教えてもらえるのならば、逆にこちらがお金を払うべきかもしれない。
そう思ってしまうくらいに、路地裏を彷徨っていたのだった。
■スヴィチューナ > なお微妙な笑み浮かべているのは、単に異種族怖いというマグメールの人間特有の感情によるものだが、
それはそれとして困ってそうな様子だったので、最大限の勇気(当人比)ふり絞って声掛けたからで。
相手から思いもよらなかった・・・単に学院内で彼女のようなエルフを見かけた事無かったから、
関係者だと聞くと此方も顔くっつきそうな勢いで距離詰めて。
「が、学院ですかっ!?
ええええと、寮という事は生徒さんなのですね?
・・・判りました、夜の学院に逆戻りするのとか忘れ物したのでない限り遠慮したいのですが、
こう見えても、わたし先生です!きっちり送らせてもらいますよう!」
目の前で祈るように組み合された両手、思わず少し汗ばんだ手で包み込むように握るが、
慌てて振り解いてから一度深く「はあぁ・・・」と呼吸して。
・・・そのとたん、微かに栗のような匂いが漂ったのは、
いつもの事だが知らぬ間に『真の業務』果たしていたからだが、
そんな事はお構いなしに先に立って、比較的安全な経路探そうと。
「・・・こっちです、けど・・・あまり大声出さないでくださいね?
わたし少しだけ体術の心得ありますけど、変な相手に見つかったら、
場合によっては二人とも無事で帰れなくなっちゃいますから」
顔の前に人差し指立てて「しーっ」とか言いながら、
ゆっくり、本当にゆっくりと歩を進め。
■シトリー > 空は赤く染まり、直に夜の帳が落ちてくるだろう。
最悪、ここで一晩過ごさざるを得ないかと考えていたところだから、本当に助かった。
ただ、急に声をのトーンが上がる相手に、びくりと身を震わせる。
こちらの手を掴んで顔を寄せてくる相手に、わたわたと焦ってみせて。
「は、はい。学園に通わせていただいてます。
え? せ、先生だったんですね。
そ、そんな。先生に道案内させるだなんて………
道順だけ教えていただければ、あとは何とかしますからっ」
そうは言うものの、そんなに簡単にこの迷路を抜き出せるのであれば、最初から迷ってはいない。
とはいえ、どうやら学院からここまでやってきたばかりらしい様子に、道案内を頼むのは気が引ける。
相手から声を落とすように注意されると、話しかけようとしていた口元を慌てて抑え。
「………や、やっぱり、この辺りは危険、なんですか?」
そぉーっと囁き声で尋ねる。
雰囲気からしてそうだろうとは思っていたけれど、問いの答えを待つまでもなく。
ふわりと鼻に突いた匂いに、首を傾げるものの、それについては言及せず。
相手に続くように、ゆっくりとした足取りで、慎重に、物音を立てずに進んでいき。
■スヴィチューナ > どうせこのまま帰ったとしても、どこかで適当に夕食を取って着替えて寝るだけだから、
「困っている生徒さん(重要)」の助けになれるのなら上々だと。
寧ろ学院の誰か偉い人が見ていて、少しでもお給料上がったりしないかなとの下心も多少はあるが。
「甘いですよっ!?
迷ってたみたいですからご存じないのでしょうけど、
この辺りは治安とか無いです、終わってます。
少しばかりのお金を出せば、勘弁してくれるヒトも多いんですが、
生徒である貴方はその・・・失礼ですけどあまり持ち合わせとかないでしょう?
そして、イイ大人なはずのわたしなんですが・・・今お給料日前なので、
金欠なんですよねえ・・・つまり、変に絡まれちゃったりすると、
ちょっと身と言うか、貞操的なモノが危ないかも知れないんですよ。
わたしは大丈夫だと思うんですが、貴方は・・・ええっと、その・・・
非常に可愛らしいので、最悪売り飛ばされたりとかあるかもなので要注意ですよ?」
主に前を警戒しながら、座り込んで談笑しているらしい複数の声聞いたりすると、
躊躇いなく曲がって手招きしてたりするが、
可憐で小さな声での問いに、同じく小声で答えを返す。
そしてここの危険性は同じ女性である自分よりも、(見た目)若くて可愛らしい少女の方が
高いのだと忠告してみたりする。
■シトリー > 人目を避けるようにしながら路地裏を進む。
その間、黙ったままというのも落ち着かず。
内緒話でもするかのように、互いに小声で囁き合う。
「そ、そんなにも、ですか……」
治安に関しては思っていたとおり。
時折、遠くに見える人影は、そのどれもがこちらを歓迎してくれるような気配はなく。
「……お金に関しては、それはそうです。
うぅ、売り飛ばされるって、そんなことまで……」
褒められるのは嬉しいけれど、その結果が人気も最下位となると…。
やはりお金というのは大事。
路地裏を進みながら、改めてその重要性を実感する。
「どこか、お金を稼げるようなところってないのでしょうか…?」
これが通りすがりの相手なら、そんなことまでは訊ねなかっただろう。
けれど、目の前の女性は学院の教師だという。
ならば、進路的な相談を持ち掛けてみても、答えてくれるかもしれない。
少々不躾ではあったかもしれないけれど、そんなことを問いかける。
■スヴィチューナ > 「・・・実際の所は顔見知りになったら、『今はいいから、今度まとめて払えよ』とか
言ってくれるヒトもいるにはいるんですけどね?
ああいうヒト達とコネ作るのって、まともに生きてると割とハードル高いんですよ。
わたしも家の近所にくらいは、見逃してくれる系の悪い知り合いがいたりはするんですが、
ここら辺は縄張りが非常に細分化されてるので、下手すると文字通り体ごと売られかねないんですよねえ・・・」
内容が内容だし、こそこそ歩き回らなければならない関係上、
互いに小声になってしまうのは致し方ないだろう。
少女に対してどきつい言葉使うまいと濁してはいるが、
「体ごと~」というのはいわゆる内臓売買系の組織を指しており、最悪それだけは避けたいから
こんな風に人目を避けているのだとは説明していて。
「お金を稼ぐ、ですか・・・寮に住んでるんでしたら、学院の先生たちの中にも
お手伝い名目で仕事くれるヒトとか居るらしいですよ?
まずはそこらへんを当たってみたらどうですか?」
なお、女性がお金を稼ぐと聞くと、いの一番に「娼館」とか思い浮かべたりするのが、
貧民地区在住クオリティなのだが、流石にそれを学院の生徒に勧める訳にもいかないから、
手近なところで兼業の・・・所謂非常勤講師の一部には、冒険者もいたりするから、
一時的にでもまとまった額が手に入る仕事とか斡旋してくれるかもと。
「若しくは・・・貴方が兼業冒険者になって、薬草採集とかで堅実に稼ぐって手もありますよ?
あまり詳しい事は知りませんけど、ちゃんと手続きすれば問題ないですし、
ギルド・・・でしたっけ?によっては、課外授業扱いで単位も取れるとか聞いた事ありますから、
良かったら検討してみてください」
こちらは風の噂程度ではあるが、そういう事をしている生徒も多いと聞いているから
命の危険ない訳じゃないからお勧めはしないがと、注意してから言ってみたり。
とか言っている間に、二人にとって見覚えのある場所・・・学院近くの通りが見えてきたので
かがめていた背を少し伸ばしながら、話しやすい様にと横に並んで歩き続け。
■シトリー > 「なるほど……ご近所さんだったら、やっぱり多少のオマケはあったりするんですね。
でも、そんなに縄張りがいっぱいあるなら、衝突も多そうです。」
ふむふむと感心したように頷きはするものの、逆に考えればご近所さんであっても、しっかりとお金を巻き上げられるということ。
それで助けてもらえるのならばいいけれど、その辺りは果たしてどうなのだろうか。
他の部族との衝突を避けて、森の中に引きこもっていた一族の出身だけに、その辺りの争いごとには敏感で。
「先生方のお手伝いですか? それなら、お手伝いできそうな分野もありますね。
ちなみに先生は、何の授業を受け持っておられるんですか?
あ、申し遅れました、魔法学を専攻してますシトリーと言います。」
幾分開けた場所に出てきたこともあり、今更ながらに名前を名乗る。
隣に並ぶ教師に対して、歩きながらではあるけれど、頭を下げて。
「冒険者になってお金を稼ごうと思ったら、やっぱり一攫千金じゃなきゃ難しいみたいです。
装備とかにお金も掛かっちゃいますし……
ダンジョンで宝物を見つけたら、一気にお金持ちになれちゃうって話ですけど。」
授業で聞いた話をそう説明する。
それこそ命がけというのは、授業でも聴いているわけで。
それに見合うリターンがあるかというと、それこそギャンブルだろう。
寮までの道すがら、そんな会話を交わしながら―――
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からシトリーさんが去りました。
■スヴィチューナ > 「おまけって言うか・・・ある程度まとめてから渡せって言われてるようなものなんですけどね、あははは・・・
多いですよー・・・だからしょっちゅう勢力図が変わるんで、
ちゃんとご近所とおつきあいして、情報収集欠かさないようにしないとです」
相手との関係値によっては助けてもらえなくもないが、そっちはあまり期待しない方がいいと苦笑いして。
「あ・・・まだ言ってませんでしたか。
わたし、『第4保健室』所属の保険医権カウンセラーのスヴィチューナ、です。
シトリーさんですね、覚えましたよっ♪
もしお悩みとかありましたら、放課後にうろついてたりするのでお気軽に声をかけてくださいね?」
常識として目上から名乗らねばならなかったと今更ながらに赤面しつつ、丁寧な挨拶に
慌てて頭下げながら自らの職業相手に告げる。
「でもでもそういうのって、危険度も段違いだって言いますよ?
やっぱりコツコツ稼いだ方がいいと思うんですけどね、
・・・その失礼ですが、シトリーさん戦闘とか向いてなさそうですし・・・」
エルフが長命だとは聞いているが、目の前の少女の戦闘力までは把握していない為、
心配そうに眉寄せながらどうにか寮の入り口まで送り届けて、別れの挨拶交わした後
遅くなった家路を急いで帰り。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からスヴィチューナさんが去りました。