2025/05/06 のログ
れあ > 3連勝のあとやってきたのはキッズの集団3名。
推定年齢11,12,12歳。
その顔には殴打の後があり、キッズギャング同士の抗争かなんかで、喧嘩した帰りでしょうか。
どうやら彼らは勝った側らしく、大声で武勇伝を語り合い、敵を罵る祝勝会を始めた。
あまりの騒々しさに「うるせーぞ」と強面の成人男性が釘を刺すが、彼らはおそらく内心ビビりながらも中指を立てて返すなどの蛮行をし、余計に煩く騒ぎ出す。

私はと言えば、彼らを完全にスルー。
なぜかって、男共は…というか人間は集団だとその性質がガラッと変わるから。
気が大きくなって、調子に乗って、残酷にもなる。

うるっさいなーもーはやくかえれー。せめてひとりになれー。
なんて思いながらお酒を飲む。
少年たちが「女がいるぞ」とこっちを見てても、それに気付かないフリでやりすごした。

そんな少年隊が帰った後に、またニューフェイスが来店する。
幼さを残した顔に「俺はもう一人前のアウトローさ…」みたいな表情を浮かべた、推定年齢13歳の男子。
身長はまあ私よりも大きいか。子供にありがちな未成熟な痩身ながら165cmはありそうだ。
同世代では一目置かれているに違いない。
そんな彼は気だるげに私の向かいのテーブルに座り、取り出した煙草に、サマになってる動作で火をつける。
ふーっと煙を吐き、私を視野に入れて「お」みたいな、軽薄なつぶやきを漏らす。

はい、バトルの合図頂戴しましたー!

「お」とか言われちゃったので、それに対して私は彼を見る。勿論無表情かつ無感情。
彼は「あぁ?」みたいな感じの表情で煙草を加えなおし、肘をついて上体を私の方に寄せる。
眉毛に無駄な力を入れて、これは恐らく「怖がらせようとしている表情」だ。
明らかに、私が顔を背けるのを期待している。

「……」

無表情のまま、彼の目を…その瞳を…じぃ~っと見る。
1分経過。
2分経過。
彼は「お客さん、なんか頼んでくれないと商売にならんのですよ」と言ってきたオヤジを手だけで追い払う。
3分経過し、男が更なる威嚇の為に机を蹴飛ばそうとしたその機先を制しておっぱいをみせた。
推定年齢13歳くんの顔が氷ついたように無表情になり、その口からタバコが落ちる。
煙草は彼の手の甲に「じゅう」って音立てて火傷を作り、彼は「ぅあち!」って情けなく声を上げた。
そこからはソワソワしながら、煙草に火をつけなおそうとして2回失敗し、再び店のおやじさんから注文をせがまれて逆切れしながら、そそくさと酒場を出て行った。
「なんだいあれは」とオヤジさんが呆れたようにつぶやいた。

思春期なんでしょ、と私は心の中で返事する。

れあ > これで4連勝。
今日は5連勝したら帰ろうかな~なんて思いながら勝利の美酒(安酒だけど)に酔う。

とりあえず、本日の対戦相手4名の顔を思い浮かべ、あの子たちは今頃…とか考えて、ふふっと笑う。
なんだろうね、この感じ。
殺伐とした心に戻ってくる活力を感じながら、やっぱり私には猫と温泉と甘いものと♂なんだな~と実感する。

「アレが…ああなっちゃうんだよねー…」

思わず口に出して呟きながら、酒場内にいる成人男性陣を眺める。
そして本日4杯目のお酒を頼み、窓の外を見る。
流石にもうお子様はお腹を出して寝てしまっている時間かもしれない。

本日の勝負はこれで打ち止め。

「ごちそうさまでした」

そんな言葉を誰にともなく…まあ普通に聞いたら酒場の主人に対して…もらして、席を立つ。
そしてやや上機嫌な感じで貧民地区の路地へと出ていきました。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区にある酒場」かられあさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にキールさんが現れました。
キール > 貧民地区をぶらりと歩く巨躯の男。
着崩したスーツから覗く胸板、盛り上がり広い肩に太い手足までみっちりと筋肉がみっちりと詰まっており、どことなく漂う純粋な暴力の香りが治安の悪い貧民地区の雰囲気を塗りつぶすかのように闇に潜む者達を遠ざけている。

「やれやれ、ここも随分と汚なしくなってつまらなくなったな…」

等と呟きながら路地を悠々と歩いている。
ここに映ってきたばかりの頃には徒党を組んで男に喧嘩を売るものもいたが、それも最近ではぱったりと途絶えてしまった。

それもこれもある意味で男の身から出た錆ではあるがそれを棚に上げていて。
数時間前に新しく男の縄張りに根を下ろそうとしたちんぴらたちの根城に一人殴り込みをかけた帰り道、新しい血が僅かに染みたグローブを軽く握り込めば押しつぶされた革がぎゅぅと小さく啼き声を上げる。

久しぶりに何か裏の仕事でもするか等と、この間ふらりと立ち寄った情報屋から買った参加自由の仕事を思い出し始める。

悪徳商人への制裁やら、役人や騎士たちへの闇討ちや警告、貧民地区に手を入れようとする正義の味方への妨害か、はたまたそういった鬱憤を獣欲に任せて女を貪るか…。

キール > そんな事を考えながらぶらぶらと貧民地区の路地へとわざわざ足を踏み入れるのは何か面白い事にぶつからないかと。

例えば無謀にも男に絡みに来るならず者や、そんなならず者に襲われている者を助けて逆に喰らうもよし、それとも自身が悪漢として喰らうもよし。

どんなことが起きるのかと楽しみになれば自然と軽くなる足取り。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からキールさんが去りました。