2024/07/01 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にメルさんが現れました。
■メル > 貧民地区の夜は暗い。
中でも路地裏ともなると、星明りさえも届かない。
入り組んだ路地裏の奥の奥――朽ちかけた廃墟に、闇から滲み出るように人影が現れる。
伸ばした手の先さえも見えないような闇の中で、迷うことなく真っ直ぐにその影は廃墟の中を進んでいく。
―――かつては、それなりの家だったのだろう。
幾つもの部屋が廊下の左右に並んでいる。
今は抜け落ちそうな床を、物音一つ立てずに進んでいき。
薄く扉を開いて滑り込んだ先は、かつてはどうやら書斎だったのだろう。
壁際には書棚が並んでいるものの、今はガラスは割られ、中はがらんどうになっているのが見て取れる。
ぽつんと残されたデスクも埃だらけで。その上から二番目の引き出しをスッと開く。
一見すれば何もない引き出しの中
二重底となった底板を外すと、そこには一枚の封書が収められており。
それを抜き取ると、ちらりと差出人の名前を確認して、胸の内ポケットに収め―――
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からメルさんが去りました。