2024/05/20 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にメルさんが現れました。
メル > 貧民地区にある、とある酒場兼食堂
治安も悪く辺鄙なところにある割には、味は悪くないという評判
ただそれを知っているのは、僅かな常連だけ。

「はい、串焼き大盛りお待ちどーさまです!」

店主の愛想も悪ければ、店自体も隙間風が入り込むあばら家に、
陽気な声が響くようになって、まだそれほど経ってはいない。

「エールのお代わり、承りましたー
 でも、ごめんね。ちょっと氷の魔石が切れてて、冷えてないんだ。
 それでも、いいかな?」

給仕に、若い女の子が入ったというだけで客足が増えるのだから、単純なもの。
飯時になれば、普段は呑んだくれてばかりの男衆も、少女目当てに集まりはじめ。
それでも店の営業に差し障りがないのは、ひとえに数少ない常連客が睨みを利かせているせいだろう。

そんなことは露とも知らずに、少女は不愛想な店主の代わりにと、ご新規さんにもせっせと愛想を振りまいており。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からメルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にゴットフリートさんが現れました。
ゴットフリート >  
夜中の貧民地区。
治安が良い、悪いなんて言葉で語るのも烏滸がましいような奥地。
入り組んだ路地は追跡を躱すのにちょうどよく
あちこちにある袋小路は獲物を追い詰めるのにうってつけだ。
そんな場所を、いかにも身形の良い格好で出歩けば――それはもう“襲ってください”と言っているようなもの。
今回の場合もまさにそれであった。
獲物は捕食者にただ、貪り食われるだけ――。

「……んー…外れだなァ、お前等。
 もう少し健康に気を付けた方が良いと思うぜ、儂は。」

――ただし、獲物が牙を隠し持っていない場合は、だが。
“獲物”――初老の貴族は肩を竦めて溜息を吐き出す。
足元には暴漢が数人、意識を失って転がっている。
一人くらい見目麗しい女でもいれば、あるいは彼等が飼っている奴隷でもいればと思ったが生憎どれも外れ。

「やっぱり、実験素材はバフート辺りで買うしかねェか?
 しかし、せめてもう少し粘ってくれよ…なァ?」

最早聞いている者もいない中、足元の一人の頭をこつりと靴先で蹴る。
キリ――キリ――…とその背後で夜の中何かが揺らめく。
錬金術の実験体探しと、改修した“護衛”のテスト。
どちらも成せれば一石二鳥とこの場所をふらついてみたのだが結果は外れ。
実験素材に使う気にもなれない暴漢に襲われただけ。
やれやれ、ツイてねぇ…と吐息を吐き出しながら袋小路の向こうに視線を投げる。
更なる何かが、あるのか、ないのか探るように。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からゴットフリートさんが去りました。