2024/04/24 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2 酒場」にニュアさんが現れました。
■ニュア > 商売に使う原材料採取から帰還し、小腹を満たすため適当な安酒場の喧噪の片隅にて、一席に座す。
どうせ酒には酔えない体質であるから、蒸留酒を頼んだのはカタチだけ場に合わせるため。
目深なフードにて容貌隠した、俯きがちな口元が。
卓上に置かれた鹿肉煮込みとパンを、酒と交互に咀嚼しながら、不意に。
「──────…… ェ? 」
そのぬばたまの双玉が瞬いたのは、違和感に気付いたから。
あれ?オカシイ。なんか、自分──酔ってない?
本来なら、そんな筈は無いのだけども。顔周りに奇妙な熱感と、ふわふわとした酩酊がある。
媚毒だとか酒精だとか、血中や体内に取り込む毒物性の類に類い稀な耐性があるのが己の躰。
それが、もし。酔いなんてものに襲われるのだとしたら──?
「………!」
ハッとして隣席を見た。
一見して酒杯を傾け談笑する、冒険者風情の仲睦まじい男女である。
だが、よくよく目を凝らせば──卓を囲むかに幽か、魔力の醸す“揺らぎ“の気配が漂うのだ。
オーケー成る程、───お 前 の 所 為 か。
要するに、同席の女を手籠めにするために、隣席の魔術師たる男が催淫魔術を行使し
魔力感応に過敏な己が流れ弾に被弾した、どうにもこうにもブチキレ案件。
ぁ。隣、マジぶッ殺。 思わずそんな思考にもなる。
ぶッ殺な程度には業腹だけどもこれ以上あてられちゃ堪らなく、
立ち上がらんとして浮かした腰が、──と、すん。 瞬く間に着席。
テーブルに隠れた下半身。華奢な腰元の中心部がほんのり長衣を持ち上げて、屹立しているのだ。
もとよりまるで稚児肉のように愛らしい幼根故に、きっと気付くものも居ないけど。
即座に席を立つを躊躇う羞恥は如何ともし難く。
「 ……ッ。」
被ったままのフードの内側、うんざりと歯噛みをする。いやいや本当に──…マジぶッ殺。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2 酒場」にキュリアスさんが現れました。
■キュリアス > 「困っちゃうよにゃぁ~」
そんな声が、華奢な半あなたの鼓膜を震わせる。
いつのまにやら、反対の隣席には宝石を思わせる美しい銀髪と、ぴょこぴょこと動く猫の耳を生やした青年の姿があった。
長身の体躯をテーブルの上に突っ伏して、両足を限界まで前に伸ばしている。
ただ座っているだけでは、その顔や姿を確認することは今のあなたには困難であっただろう。
周囲の冒険者たちはその青年の声が届いていないのか。
あるいは催淫魔術をかけるのに忙しいのか、両方か。
ただあなたには周囲の喧騒こそあれど青年の声はしっかりと聞こえるだろう。
軽い声質で、今のあなたの鼓膜には刺激が強い高めの声だった。
「にしてもすごい顔してるにゃ?お嬢ちゃん?お兄ちゃん?大丈夫かにゃ?」
くるりと突っ伏したまま顔だけを動かして、青年は隣にいるあなたを見る。
透き通った水のような瞳は、どこか見透かされるような感覚を走らせる。
召し物はあなたのと比べたら立派なものに見えるが、であればこんな酒場など利用はしない。
そういえば酒場の催しに誰かが来るみたいな話もあった気がする。
まぁ、催しの時間はとっくに過ぎてるからあなたは視ることは出来なかったが。
「なんかネコがマタタビ喰らったみたいな顔にゃ。
あ、でもネコだったらそんなに怖い顔じゃないにゃ~。
にゃんというか、滅茶苦茶我慢してる!って感じで面白いにゃ。
にゃはははは!!」
■ニュア > 兎にも角にも、この場に留まる訳にはいかず。
自分に多少の違和はあれど、外套で覆えば他人からバレるものでもあるまいと
腹を括ろうとした矢先───突然、妙に澄んだ軽薄さで、声が響いた。
「───… っ」
思わず振り返る。
ぶッ殺席のちょうど反対隣、座す…というより潰れているのはミレーらしき青年。
誰に掛けられた声なのか判断は付きかねたから、直ぐに視線を逸らして無視を決めこもうとしたけども。
そんなタイミングで、くるりと頭が反転し、青年は此方に顔を向けるのだ。
どうやら彼の話し相手は己であったらしい。
「………別に、大丈夫なんでお構いなく。」
彼の軽やかな愛想とまるで正反対な硬質さとわざと低めた発声にて
話し掛けてくれるなオーラを満面に遠慮無く醸し、ぴしゃりと無愛想にぶつけようか。
随分と華やかな、眼を惹く佇まいは、酒場の雇った芸人だろうか。
それならばこの───妙に癇に障る、華やいだ高い声も合点がいく。
そして今自分は、そんな相手に構ってる余裕等欠片もないのだと。
「……………………………………」
なんかめちゃくちゃ笑われてるし。…イラッ。
無視無視無視無視。
これみよがしに ぐるんっと顔の向きをそっぽ向かせた。
そうすると必然的に、ぶッ殺な男女へと向き、
魔術の気配が薄ら淡く、尖った鼻先を擽ることになり。
結局正面を向いて、上気した面差しを隠すように俯き加減に手早く煮込みを口に運ぶ。
悪循環ここに極まれり。──皿が空になったら今度こそ帰る算段であり。
■キュリアス > 「おぉ、無碍にされてしまったにゃ。僕ちゃんは石ころになってしまったにゃ」
青年の座っている席からゆらゆらと揺れる猫のしっぽが見える。
無愛想さを苦に思うわけでもなく、むしろ楽に思ってニヤついた顔をしていた。
にんまりと人ではない、ギザギザの歯を見せるような笑みはあなたが見れば神経を逆なでするものだろう。
「んっん~。お客さん本気で困ってるにゃ?全然笑ってくれないにゃ」
潰れていた姿勢から上体を起こして、あなたにその顔を寄せる。
端正な顔立ちだが、軽薄なにんまりとした笑みがそれを台無しにしていた。
あなたと比べれば体格は良く、長身なのも相まって見下ろす形になってしまう。
だが青年はそんなことをお構いなしに、鼻を鳴らす音を響かせる。
「くんくん……。本気でマタタビでも嗅いだかにゃ?
まぁそんな時もあるにゃぁ。あ、でも本当に困ってるにおいもするにゃ?
立つのもつらいんだったら部屋まで送るかにゃ?」
親切心、の割にはその目の色は変わることはない。
嬉々としてそう声をかけて、イライラを募らせるあなたを見て笑う。
もしもその場で立ち上がるなら、青年は手を取ってでもあなたを止めるかもしれない。
■ニュア > 「…………………。」
いや寧ろ、石ころであってほしい。切に願う。
石ころの割には煮込みを黙々咀嚼する視界の隅に、ひらひら優雅な猫尾が見えるし、
決して視線は向けてやらないけども、なんかもう、絶対ニヤニヤしてる、という気配がもうすごいのだ。
視界に入れずして神経をぞりぞりと逆撫でてゆく存在感という才能。或る種称賛に値するだろう。
「…………………………………。」
無視無視無視無視無視。
なんだか頭まで茫洋と酩酊を醸してきた気がする。さっさと席を立たねばと思う。
もはや機械的にスプーンで煮込みを口に運び押し込んでいたら、
あろうことか件の青年が此方にずい、と近寄ってきた。
傍らから凄い圧。相手の上背が高い所為で少しばかり己が半身に翳りが生まれるのも、また圧を増大させる。
まるで猫がそうするみたく、すんすんと至近に鼻先を鳴らされるに到って、
とうとうこの、少年風貌の小娘も我慢しきれなくなったらしく。
ぐるんっ、と其方を思いきり向き。
「~~~む し ろ ! ッアンタに困ってる。嗅ぐなウザい喋るなウルサイ近付くな鬱陶しい。」
少年のような少女のような、華奢で繊細で、真っ赤に茹だった容貌。
そこまでどぎっぱりと滑らかに言い切ったなら、ぎっ!!!! 容赦なくねめつけて
席を立とうとするに違いない。ぐ、と両手で卓を押し、力を込めるよに立席しようとするけども
膝が萎えて、蹌踉けそうになるのだ。忌々しくも───この青年の前で。