2024/04/16 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にメルさんが現れました。
メル > 貧民地区の安宿
――崩れ落ちそうなそこに、連れ込まれることはあっても、冒険者でもない少女がひとり入っていくことは珍しい。
特に不安げな様子も見せずに、真っ直ぐに目当ての部屋へと向かうと、丁寧に傾いだ扉をノックする。

「はいはい、居るのは分かってるんですから、観念して出てきてください。
 ツケが溜まって、うちのマスターも、そろそろ痺れ切らしてますし、
 早いうちにちょっとだけでも支払っておいた方が身のためですよ?」

柔らかな声音で、けれど紡ぐ内容は借金の取り立てと変わらない。
否、脅すようなことは一言も言ってはいない。
多少の助言を添えているだけで。

果たして相手が素直に出てくるかどうかは微妙なところ。
帽子に隠した耳が室内の物音を聞き漏らすまいと小さく揺れ。

メル > 「うーん……ボクも暇じゃないんだけどなぁ……」

ツケが溜まってはいるのは事実だし、取り立てが必要なものも理解はできる。
ただ自分がそれをしなきゃいけないかというと、首を傾げるところはある。
もっと暇しているギルドメンバーも居るはずで。

「確かに、ギルドのお仕事はあんまりしてないかもだけど……
 って、窓から逃げた!? もぅ、手間かけさせないで欲しいんだけどなぁ!」

ぼやいていたところで、バン!と勢いよく窓の開く音に続いて、何やら重たいものが地面に落ちる鈍い音が響く。
短絡的な相手が怪我をしようと知ったことではないけれど、逃がすわけにはいかない。
裏手に回っていると時間をロスすると判断するや、くるりとその場一回転。
ぼろい扉を蹴りの一撃で吹っ飛ばすと、そのまま部屋の中を突っ切っていき。

「ちょっと! 逃げられると思ったら、大間違いですから!」

窓から身を乗り出し、そのまま宙を舞う。
スカートが捲り上がるのを抑えつつ、華麗に着地すると、ヨタヨタと前方を走る中年男を追いかけていき―――

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からメルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にエレイさんが現れました。
エレイ > ──ある日の夜。
男は人気の少ない夜道を、傍らにいる女性に肩を貸しながらえっちらおっちらと歩いていた。
傍らの女性はだいぶ酒に酔っているようで、殆ど男にぶら下がるようにしながら千鳥足でなんとか歩を進めている。

「……こう激しく酔っ払ってしまってはもつわけもない。とりあえずここに入って休もうず」

ちらりと女性を横目に見遣り、その酔い具合を見て苦笑を漏らす男。
度を越して飲みまくったのか、あるいは極端にアルコールに弱かったのか、それとも何か他の要因か──それはまあさておき。
男は安宿の前で一度足を止めると女性にそう提案し、返事を待たずにその中へと入り込んでいって。