2024/02/25 のログ
■ティカ > 軽薄な口笛にぴくんっと細眉が吊り上がるが、例え下らぬチンピラだろうと複数人相手では負ける可能性も大いにある。
だからこそ湧き上がる勘気を抑え込み、そのまま通りを抜けてしまおうとしたのだけれど
「―――――………」
娼婦扱いに思わずギロリと紅目を向けてしまっていた。
デカい。
紅髪を短く切ったその男は、座っていてさえはっきり分かる上背の高さを有していた。
一見ひょろりと軟弱にも見えるが、チュニックの襟から覗く首筋を見れば、無駄な贅肉を削ぎ落とした結果なのだと分かる。
だらりとした佇まいにも妙に隙が感じられず、単なる酔っぱらいとは思えない。
『サシでも勝てない』という己が判断にチビの童顔が益々歪んだ。
足を止めて男の力量を測るうち、周りの連中に狭路地の先が塞がれた。
次いで立ち上がり、最早威圧的でさえある長駆に近付かれ、思わずたじろぎ後退りしそうになる身体。
それを無理矢理ずいっと前に出し、たわわの先端が男の腹に触れんばかりの距離から睨みあげての返答は、舐められてたまるかという想いもあって酷く攻撃的な物となっていた。
「―――っせえ酔っ払い。大人しく男同士でいちゃいちゃしてやがれ」
■アキアス > 頭幾つ分、違うだろうか。
酒気で上気する顔で見下ろす相手の姿は、どう見ても酒場で愛想を振り撒くが精々の小娘。
けれど怯えたりするわけではなく。むしろこちらを見上げながらに男の顔を睨み上げて見せる。
さらには距離まで詰めて、体躯の割に豊かな胸を揺らしながらに男へ肉薄し言葉を返してきた。
自身のような貧民街育ちにはなじみ深い、共感できる仕草。
舐められ搾取される側には回るまいという態度。思わずその態度にこそ、笑みを深めてしまうものの。
「男同士ではじゅーぅぶんイチャついたとこでなぁ?
ンな旨そうな餌ぶら下げてお預けはねぇだろ? ……ちょいと付き合えよ嬢ちゃん。
それとも、全員で丁寧に接待してやったほうが好みなら、そうしてやるぞ?」
次いで口端を引き上げる理由は、見おろす女の顔を近くで見ては、愛らしく整った容姿に欲を覚えたから。
腹先に寄せられる膨らみの形取る谷間は深く、先程垣間見えた太腿も実に触れ心地が良さそうで。
男の手が無遠慮に彼女のほうに伸び、その尻肉に触れようとしていく。
叶えば揉み上げながらに、彼女の身体をさらにもう一歩、
自身の方に寄せては身体の柔らかさを直に確かめようとするだろう。
そうする目的は男が口にした通りの〝付き合い〟に同行させることなのは明白で。
更に抵抗するなら、男以外も参加しての乱暴も――この界隈ではごく、ありふれた光景でもあって。
■ティカ > 「――――どっちもお断りだ! あたしは小銭で股開く様な安い女じゃ………と、とにかく今日はそういうのやってねぇんだよ!」
娼婦扱いするなと啖呵を切るつもりだったが、本職だけでは生活が苦しく、時に娼館でバイトする事もあるチビは何とも歯切れ悪く男の誘いを突っぱねた。
その頬が僅かばかり赤くなっているのは、気恥ずかしさと怒りが合わさっての事。
無論、背後に回される腕の動きも見逃さず、どんっと両手で突き飛ばそうと。それで僅かにも包囲が緩んだならば、ただでさえ小柄な肢体の膝を落とし、男達の足の間をすり抜ける様にして逃走を測る。
捕まれば間違いなくマワされる。かといって紅髪男のふざけた誘いに諾々と従うなんて事も出来るはずはなく、駆け出し冒険者は己のすばしっこさに賭ける事にしたわけだ。
■アキアス > 威勢の好い啖呵の途中、妙な歯切れの悪さ。
酒が入っていなければ、今日は、というあたりをさらに論ったことだろう。
けれどそこに頭が回る前に、彼女の手が身体を押す。
いくら酔ってはいても、体躯の差もある。よろめく事もないけれど、不意を打たれた形で見逃してしまい。
「っは、いいねぇ、おら、てめぇら走れ、どっちが貧民街に詳しいのか解らせてやれ!」
きっと、慣れっこなのだろう。
あらためて自身の若い頃を思い出させる展開に、むしろ楽し気に顔を笑みに象って。
慌ただしく少女を追いかけ始める取り巻きに続いて、自身も一つ伸びをしてから走り始めた。
路地裏の追いかけっこ、商品は愛らしい雌猫。
騒がしい夜はまだまだ始まったばかりのようで――……。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からアキアスさんが去りました。
■ティカ > 【部屋を移動します】
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からティカさんが去りました。