2023/12/06 のログ
カニス > 「んぁ?」

最後の大皿の料理が運ばれると同時に伝えられたのは、材料が無くなったので店じまいだということ。
口に含んでいた料理をごくりと飲み込んだ女は少しだけ考えたのちににやつきながら言ってのけた。

「まだ酒はあるだろ?」

ウチは酒場じゃねぇぞと文句を垂れる店主を尻目に女はケタケタ笑いながら結局日を跨いでからも店に居座り、のんびりと料理を食べ尽くし、酒もほぼほぼ飲み干してしまうのだった。
いくら良心的な価格の店とはいえ、支払う金額はこの辺の金銭感覚であれば目が飛び出るほどの額だが、女はじゃらじゃらとゴルドの音を奏でる袋を3つほどカウンターに放り投げて釣りはとっとけと言ってのけながら、すっかり出来上がり酔っぱらった状態で店をあとにする…。

「うっ…げぇぇぇぇぇぇ」

店の扉を閉めた瞬間に聞こえてくる下品な声と戻す音に、店主は呆れかえったようなため息を漏らすのだった。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からカニスさんが去りました。