2023/12/05 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にカニスさんが現れました。
■カニス > 貧民地区にある小さな大衆食堂。
数名の客がいる程度の時間帯、出店地域があれなのでメニューの値段もお手頃価格なのが売りだが、当然ながら味とか品質は二の次だ。
それでも貧乏人が少しばかり背伸びしたメシを食うには良いところ。
そんな貧困層の憩いの場にボロのローブを羽織った犬耳の女が一人、晩酌を楽しむ…どころではない。
「ほらぁ、さっさと次持って来いよ、皿が空いちまうぞ」
女の目の前のテーブルには空になった皿が数十枚並び、さらに大量の料理が乗せられた皿がいくつも並んでいる。
それを一人でガツガツとかっ喰らっては料理をいそいそと作っている店主に文句を垂れている。
「まったく美味くもねぇけど量はあるからな、ちゃんと払うモンあるから安心して出してこいよ」
食堂の店主に向ける文句にしてはだいぶひどいことを言いながら、鶏肉の半身揚げにかぶりつく。
実際、表面に塩コショウとかを大雑把にまぶしただけで、中の肉質はパッサパサ。それでも量だけは多いこの食堂は安く腹ごしらえをするのにうってつけだ。
周りの客たちはそれをげんなりした様子で眺めているが、他人の視線など気にするはずも無い女は、文句を言っていた半身揚げを骨ごとバキバキボリボリ音を立てて平らげれば、お次はまるで茹でたみたいにねちゃねちゃした焼き飯を食らい始める。
「うわどうすりゃ焼き飯がこんな水っぽくなるんだよ」
ぶつくさいいながらメシを食べる速度は速く、店主の作るスピードが追い付かないほど。
そんな文句を好き放題言うミレーのような女に周りが何もしてこないのは近づけば噛みついてきそうな野性味のある顔立ちと眼光と体格、それに傍らにドカンと置かれた重厚な戦鎚の存在感があるからだろう。
ローブを羽織っているため中のボディスーツは見えないだろうが。