2023/11/24 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」に白羽(しう)さんが現れました。
白羽(しう) > 貧民地区の裏をこそこそと移動する少女がいる。
公共の性奴隷である彼女は相手から求められれば拒否する権利がない。
しかし、それでは十分な食料を得られないことも多いため、こうやって残飯などを漁る必要があった。

今日もそうして裏路地をさまよい、食べかけの黒パンを見つけて食べるなどの幸運に恵まれたりしている。

もっとも彼女に近づく影に彼女自身は気づいていないだろう。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」から白羽(しう)さんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」に九音物さんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にミホ・クギヤさんが現れました。
九音物 > 縄を切れという指示の声には素直に従う。それが巫女の声であり家族の声なのだから。
苦無の柄の部分。小さな輪に指を通し、握りを変える風切り音。
直後に手首のスナップで投擲された黒い鉄の切っ先は正確に縄を斬り落とす。
壁に刺さる音は聞こえず、縄が畳の上に落ちる音の方が大きく聞こえる。

幽霊の男、気狂いとも思えるが幽霊など元々こういう物だろう。
成仏出来ないのは本人の性格由来なのか未練があるのか知れず。
逃げようと促されると素直に従う形。この手合いは切り捨てた方が楽なのだが、巫女の方に考えがあるならそれを聞いてからでも良いだろう。
巫女の腕を引き、部屋から出ると扉には乱暴に塩をぶっかけておいた。

「……なにあれ。」

廊下でも腕を引き、仕方がないので御姫様抱っこの様に抱えて3階の降り口から飛ぶ様に2階踊り場の壁へ。
吸い寄せられるように足裏が壁にくっつくと、十分に衝撃を吸収する様に膝が折り畳まれ、そのまま2階フロアへ。
その間は腕の中の巫女をちらりと見て妙な状態になっていないかだけは確認しており。
先程の階下、2階2室と書かれたプレートの扉の前まで移動しようとするだろう。

ミホ・クギヤ > ウケるんですけどチョーウケる、と凄く陽気な男の反応はケタケタイヒイヒ笑う一つだけ。
絞首用の縄が切り落とされると いひっ? と硬直し目的地を見失った感。
二人がドアから外へ転がり出てひとまず扉が閉ざされれば、塩が張り付き泡立つドアが開く事はなく、中の音も聞こえない。

――夢でも見ていたかのようにシンとした廊下を、九音に抱えられ一階下る。
口寄せの余波から脱しきっていなければ、跳ぶように駆ける九音の邪魔にならぬようせめてぎゅっと身を寄せておいた。
重心の固定に必要だという以上の意識は無く、血圧低そうにクラクラと目を回している。

「――自分を人質にどこまで愛されてるか試して失敗した。
 笑うしかない間抜けっちゃ間抜けだけどここまで『残る』動機にゃ弱い。
 ココを呪いで埋め尽くした素人があの子を繋ぎ留めたのか、もしかしら死ぬまでやっちゃったのも、そそのかされたのかも――
 悪さしてるのはあの子だが、因果はこっちだ。」

速い速い、らくちんらくちんと努めて和やかに呟いて、もういいよとポンポン肩を叩く。
2-2前にて地に足つけて、ドアを見つめて悩むのは我が身を守るか、それとも先ほどと同じスタンスでいくか。
即死するほど致死性の高い攻撃は無いのではないかと踏めば、せっかく物の字がいるのだからこのままいこうとノブに手をかける。
――おっと、鍵、開けておくれと九音に促して。

「…上で首くくった子が働きもせず一日中ハッスルしてるのを、誰かがこの部屋で聞いていた。
 あの子の生活が上手くいってるかって言ったらそんな事無いんだろうけど、いいご身分に見えたのかもね。
 上の子を幻視したらこっちの感情に飛ばされた。 もしかしたらここの住人は、やるだけやって出て行っただけかもしれない。」

推定、この部屋から呪われてあのザマなのだろうと。
2-2が開かれれば、この部屋も引き払われており分かり易く祭壇があったりはしなかった。
露骨に温度が低いという事も無いが、空気は生暖かいというかやけに湿度が高くカビ臭い。

NPC > 【この部屋にまつわる感情は? 1d5:1.憤怒、2.色欲 3.怠惰 4.強欲 5嫉妬】 [1d5→5=5]
九音物 > 「楽じゃないでしょ。大丈夫?
……変な霊に入り込まれても知らないよ。」

和やかに呟いた様な表情をしているが、この巫女とは短く無い付き合いだ。
無理をして無理をしていないと言い張る我の強さと精神力を知っているだけに、直ぐに下ろすのではなく深呼吸をさせてから降ろす。
鍵穴に差し込む時も出来る限りゆっくりと。
鍵が開く音が聞こえてくるまで数秒を要してから鍵を引き抜き。
代わりに妖刀の方へ手を掛けつつ扉を開く。
彼女と違い、致死性の物がなくとも面倒なのは精神的な作用の方。

悪い類の物であれば斬り捨てる事も辞さない構えで扉を開くと、奇妙に湿度が高い。
空気が肌を撫でるだけでその表面に汗が浮かぶような不快な風。
匂いも不快な物であり、露骨にこちらの精神を蝕むかのような不自然な気配。
室内は一見すれば何もない。様に見える。

「呪の類は専門外だけど。……いざとなれば斬るよ。」

それはノーシスの魔法式であろうと霊桜教の結界であろうと切り裂く意思表示。
本来は巫女の同意が無ければ抜くつもりはなかったが、上の階での出来事を見るに場合によっては自己判断で抜くつもりだった。
何をやっていたのか、そこまではわからない。霊視が出来る巫女の方がその辺りは詳しいだろう。
念の為、あくまで念のために扉は開きっぱなしに。
流れてくる風に乗ったものは妙に粘っこい感じもある。部屋に一歩足を踏み入れるだけで眉根を潜めていた。

ミホ・クギヤ > 「口寄せなんて招き入れてナンボさね。
 でも追い出せるからやるんだし、控えに物の字が居てくれりゃ怖い事も無い。
 危なそうだったら名前でも呼んでおくれ。」

悪魔が来たりてみたいになってくると話が変わるけど、死者から想いを知ろうとすれば合わさってしまうのが手っ取り早いと。
それは対話を諦めているような思考でもあるけれど、それを指摘してもより有用な手札を持っているか否かだと言うだろう。
物の字の気遣いを感じながら息を整えて、供えの無い自然体で室内へ。

「何かのマジナイで操られてるとしても、ここの主格は上のあの子だよ。
 …来ないね? 来ないのかな? 建物壊すほどの動きが無ければ本丸から動かないのか、抵抗されたら根性無いのか。
 とにかく、ここに別の何かがまだ居るって事は―― 無い、んじゃないかなと思うけどどうだろね。
 ただ想いは染みついてる。」

それがヒントをくれるだろうよと、ざっと室内を回りながら すぅ ふぅ 瞑想でもするように息を整えた。

――意識はまだ住人が居た頃のこの部屋に。
家具の引き払われた現在と大差ない質素な部屋に赤い西日が差し込んでいる。
床に伏せる母親。病は癒えず、治療する費用は賄えず、聞きかじりのマジナイは全く奏功した気がしない。
せめて、縁起の良いものを、ちょっとした儀式を、いくつもいくつも重ねてみても、日に日に弱っていくのが分かる。
精一杯誠実に働こうと報われる事は無く、だからと言って何かしなければ生活が立ち行かず。
そこに当てつけのようにやけっぱちな陽気さで叫ぶ家主の息子の声が聞こえる。
また やちんが あがった ここはにんきのばしょだから? あいつのために

こんなにこんなにくるしいのにどうしてあいつはあんなふうなのにどうしてわたしのおかあさんは

――病床の母を少女の私が見下ろしている。
――病床の私に跨って、陽気な男が腰を振っている。
――病床の私に跨る少女が、私の、首を――

「――っかッ …はッ …ァっ …は――」

その幻視を九音に伝える事が出来たかどうか、いずれにせよ必要な情報はこの先なのだけど、
虚ろな目で佇む巫女は、ひくん ひくんっ ふるえはじめ、窒息の様相を呈している。

「…に、え―― ゅか―― ょりし…」

人差し指が曖昧に床を指差す。
そんな状態に構わず、天井からは ずるり 陽気な男の腕と頭部が、九音目指してぶら下がりはじめる。