2023/11/22 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にミホ・クギヤさんが現れました。
■ミホ・クギヤ > 【待ち合わせ待機です】
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」に九音物さんが現れました。
■ミホ・クギヤ > 「……ああ、ヤブヘビだぁ…」
平民地区と貧民地区の境、先日除霊?に訪れて権利関係が面倒くさそうで回れ右した廃屋三階建てに、再度訪れている。
取り壊そうとすると何か事故が起きて話が進まないというよくあるアレであるが、
この今や無人の集合住宅にはオカルトマニアでも住んでいたのか、
霊視してみるとどこのものとも知れぬ呪術まがいの痕跡が縦横無尽に入り乱れている。
幸いその殆どは既に効力を失っているように見えるものの、中にはノーシスが封印目的で何か施したのではないかというものもあり、
先日はそれ以上立ち入るのを遠慮した。
――その旨報告したらこの件はお蔵入り、あるいは誰か適任者が引き継いでくれるのだろうと思っていたけれど。
『あの件どうなりました?』なんてうっかり上司に声をかけちゃったのが運の尽き。
黙っていたって後から案件が追いかけて来たかもしれないが『丁度良かったノーシスさんに確認取って来て』なんてまるっきり藪蛇感。
しょうがないので欲しくもない許可をもらいにノーシス教の事務所と七面倒臭い事務的なやり取りを経ての本日ココ。
そんな嫌そうにするならなんで却下してくれないのと、言いたい事の山ほども抱えているが、
場数を踏んだ人に言わせれば『除霊してもいいですか』なんて聞くのはダメ、
『そちらの術式見つけましたがどうなってますか』と尋ねるのが正解とか、こちらがダメな表現でやらかしている節もあるのかもしれない。
「……入りたくないなあ、ノーシスさんだってアレ匙を投げた後だもの絶対。いや多分。
ここまでも藪蛇だけど、こんなのつついたらいよいよだって。
応援お願いして回されたのが物の字って辺り、ウチだって実はやる気無いじゃないかもー…」
ねえ物の字?と、本人を前に若干役立たずのように零してしまうが、荒事専門と見ての、力不足ではなく役不足評価と思って欲しい。
こんなあけすけに話すくらいだから、今回オーナーさんからは鍵を借りて来ている形。
質素な集合住宅のエントランスとも言い難いような狭い入り口を前に、敗走した事にしちゃおうか?って、愚痴。
■NPC > ――雰囲気として、ここに渦巻くのはどんな感情であるか。【1d4:1.喜、2.怒、3.哀、4.楽】 [1d4→4=4]
■九音物 > 「藪蛇つつくより女の子のお尻とか胸つつく方が良いのに。
お人好しも過ぎれば災いの元だよ。」
貧民地区でも異質な組み合わせ。片や黒いオンボロにも見える布切れに身を包む男と、巫女服を着た女の組合せ。
先日とは異なり重い物を引っ張っている事も無いので気楽な歩み。
役不足と言うより宛がわれた隊が違うので巫女のお姉さんは悪くないんじゃなかろうか。
役得とは言えないけれど、お清めに使えるという名目で本山からは清められたお酒にお塩といった物が持たされている。
酒だ。つまり酒なのだ。男が釣られた理由は。
「向こうが匙を投げて、ウチが拾えば問題ないでしょ。
ノーシスに恩を売りたいならノーシスが残した魔法とかにすればいいんだし。
捨てる神あれば拾うなんとやら。
…………………いや、クギヤは僕の事どう見てるのさ。
一応幽霊くらいなら斬れるよ?」
と。足を運んだのは廃屋三階建て。
奇妙な気配が渦巻いている様な気がするけれど、元々貧民地区の陰鬱とした雰囲気がそう思わせているだけかもしれない。
霊視をしている巫女の隣で足元に苦無を刺し。何事か呟くと苦無にお酒を少し垂らす。
お酒が自分達を導く様に、その塊がこっちだよ、と示すかの如く自分達よりも数十センチ先行して招き寄せていた。
「んー。でもなんだろうね。悪霊って言う気はそんなにしないんだけど。
幽霊でどんちゃん騒ぎでもやってるんじゃない?
げっへっへーカワイイおねーさんが足を踏み入れたぜー。……とかね。」
気配にはそれなりに鋭敏だが、殺意や悪意といった物は感じられない。気楽に鍵を借りて、中に足を踏み入れた。
……ところで。この2人は灯りを持ってきているのだろうか。
「クギヤ、灯り。」
■ミホ・クギヤ > 「いや人の好い事をした覚えはないのよ今回本当。
ノーシスさんの方でも建物に対して住宅としての使用を許可するというか祝福する部署と、
心霊現象的なものを生活の面で支援するみたいな部署があるらしいんだけど、
ココに手をつけてるのは『住宅』の方で、そっちとしちゃもうほとぼりが冷めるまで開かずの間に…
…しておきたそうな雰囲気を私は感じた。
私達が介入した成果がどうあれ、人の住居として使用するのは非推奨という立場は、
一度結果が出ている事だから覆らないとか何とか… 家主さんはどうする気だろうね。
それとも、別件でノーシスから嫌われたりしていたから、そんな対応だったのか。」
関係書類がもうちょっとした冊子よと身振りで示し、
斬れる、と言う九音に『だからだよ』と肩を落とす。
「斬れるだろうけれども斬るのは最後の手段で頼むよ。
理由なく荒ぶってる方が珍しい… のはウチ(本国)のお国柄なのかもしれないけど。
もういいやって諦めつけてもらえればそれが一番… そも、何が悪さしてるのかもまだ分からないしね?」
怨念の何のではない可能性だって、どうだろう。
お神酒抱えている九音が温存して着服するつもりだとは知ってか知らずか。
頼りにはしているが早まってくれるなよと言いつつ、初めから制圧するつもりで乗り込んだ方が早いだろうかと三階を仰ぐ。いやいや。
「――楽しそう? だから怖いんじゃないか。
泣いたり怒ってたりすれば察しもつきやすいけど、これで実害出ちゃってるし。
ふーん? 線の細い男の子に舌なめずりしてるかもしれんよ?」
慰めておあげよと笑う。
本格的にやるなら建物を火で囲ったりするのかもしれないが、
ボンボリ切り取って来たような提灯に火を入れて、拝みポツポツ助力を請えば、鬼火四つが二人の周りを適度に照らす。
一体どちらが幽霊やらという風情で建物へ踏み入り。
一階エントランス、郵便受け、扉四つ、階段、以上。
こういうのは上に何かあるものだ。 先に登れるだけ登るでいいかね?と振り返りながら。
■NPC > ここで事を起こしている主格は、男女、どちらでしょう?【1d2:1.男、2.女】 [1d2→1=1]
■NPC > その男幽霊は1.男好き 2.女好き 3.どっちもいける 4.どっちもだめ [1d4→3=3]
■九音物 > 「あぁ、そういうののクギヤの勘は当たりそう。
ノーシスだって一枚岩じゃないって噂もあるし、別口から当たって恩を売るのは良いかもね。
……家主が自分でノーシスの別口に売り込み、説明した方が良さそうだけど。」
関係書類は基本的に見ない。治安の悪いトコにぽい、と放り出されて先行情報収集。あるいは社を建立するなり活動拠点を構えるなり下地を作っておくのが仕事。
なので難しい書類とかは読まないのも常だった。
身振りで冊子の厚さを示した彼女に、珍しくげんなり、といった表情を浮かべたのはそんなものを読みたくないからであり。
良くもまぁそんな物を読んだのだというある種奇特な人間を見る目で巫女をジト目で見遣っていた。
ただ、斬るのは最終手段と言われたのでまだ妖刀は抜いていない。
提灯の灯りで少しだけ目に付いた郵便受けは気になったが、上から見る方が効率が良いのは確か。
郵便受けに伸ばしかけた指を引っ込めつつ、登れるだけ登る事に異論はない様だ。
素直に巫女の後ろに続くのは、鬼火が先行する事で視界の確保が出来る事もあるが。
それ以上に、階下から見上げるという事は色々眼福でもあるのだ。
「……怒っているなら斬れば良いだけだしね。
確かに楽しそうで実害出てるのは問題かぁ。解体出来ない、させない。
楽しそうっていうのはどっちにも当てはまらないね。」
慰める云々は興味も無さそうにスルースルー。
要所要所に塩を撒く。お清めの意味もあるが一番は目印だ。
お清めの塩は手出しがされ難い。例えば知らない場所を延々とループする事になってもすぐに目に付く。
お札でも良いが生憎、そういうものの扱いは巫女の方が慣れているので持たせているのだった。
二人の足音を響かせ、ふと吹いた風が二人の首筋を撫でる。
歓迎の意図でもあるのか、妙に生暖かい風だった。季節的には冷たい風の筈なのに。
一先ず、最上階にはついた。ここから1部屋1部屋見ていく事になるのだろうか。
「……一応2人で見まわる?」
■ミホ・クギヤ > 「面倒くさかったのか、意地悪してるのか、
本当に手出し出来なかったのだとしたら、ちょっとマズイなあ…」
口寄せ的な事が出来なくは無いし、対妖魔の戦闘部隊に籍を置いた事もあれば九音同様戦えはするけれど。
この地に根を張るノーシスが匙を投げた案件がコスパ悪しであったなら、私達には手に余るだろうと。
書類に共感を示してくれる九音に、分かってくれるかい、見た事無い書式、知らない単語だよ労っておくれとしみじみ頷いて。
こっちだってやりたくてやった訳じゃない、お鉢が回ってきたので仕方なくである。
仕方なくでもやるとなったら一応ちゃんとやるイイ子枠なので、割とそういうの回され易いのかもしれないが。
「――怒ってるからって斬りかかったら後は殺し合いじゃないか。
あちらさんはもう亡くなってるってのにそんな分の悪い… ああや、私達の言える事じゃない。
あー… とにかく、怒りだってちょっとした気付きとか相手の理解で解消される事があるんだし、霊桜流でいくんだよ。」
死者に対して、なかなか死なない二人である。ズルく見えるんだろうなあと気まずい顔をして。
ともあれ、カチコミならノーシスさんがもうやっただろうという先入観。
私達は私達らしくあれと言うが、九音のスタイルも紛れもなく霊桜の一派であり、厳密にはなんともいえない。
つまりただの好みを口にしているのだが、その辺り、この先輩は私に合わせてくれるという思いもあるのだろう。
「楽しんでんだから邪魔するな、くらいのものなら、力量によっちゃお祀りして守護になってもらおう。」
発言の割に事の運びが丁寧な九音を尻目に、だっぽりした緋袴をバサつかせて階段を登る。
誇りが舞い上がるが、侵入の痕跡があるのは土地柄、無断で寝泊まりしちゃっている人なんかもあるのかもしれない。
しかしそんな話は聞いておらず気配も無いので、居つきはしないという事は、何かあるのだろう。
鍵を回して屋上に顔を出し、空気を通しておこうかとそのままに。
「手分けするのもやぶさかじゃないが――」
そんな、異界化とか致命的な襲撃を心配するほどだろうかという思いもあるが。
ノーシスは匙を投げ、その理由は判然としないのだ。
甘く見ているかねと思い直せば、一緒に行こうかと頷いた。