2023/11/04 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にアドラーさんが現れました。
アドラー > 貧民地区の一角。
ボロボロの民家の前に立つ青い瞳の男。
その手には白い花束。

「…」

民家を目の前にして、目を細める。
孤独で、やや悲しげな雰囲気を出しながら、しゃがみこんで無人の民家に白い花を供える。
合掌して瞼を閉じて数秒間、黙祷をささげる。

「さて」

立ち上がって、服装をただす。
奇異なもの、あるいは得物を見るような視線を感じるが
我関せずといった風に歩き出す。

アドラー > 「おっと」

次の目的地に向かっている途中に目の前から少年が走り
男のぶつかった後に通り去っていく。
不自然なぶつかり方と外套のポケットにしまってあった金銭の入った袋がなくなり、目を細める。

「……全く」

走り去っていく少年の後を追う。
全力疾走、ではなく一定の距離を保ちながら
付かず離れず追跡をしていく。

アドラー > ほんの1~2分ほど追跡したのち、少年は路地の方へと入っていく。
気配を消し、自身も路地をのぞき込むと、いかにもチンピラといった風貌の男が
少年から金銭の入った袋をふんだくってる。

(想定はしていたが、不憫なことだ)

直後、『これっぽっちしかねぇのか!』とチンピラが少年へ向けて殴打する。
やせ細った体躯の少年はたまらず地面に衝突し、痛みに対しうめき声をあげる。

「はぁ~…」

深いため息を吐きながら、走った後の服装を整える。
一応、外套に仕込んでいるナイフやワイヤーを確認して飛び出る機会を伺う。

アドラー > イライラした様子のチンピラが少年の髪をつかみ、持ち上げる。
『ふざけんじゃねぇ!』と怒号が響き、空いた手を振り上げたところに、一閃。
ワイヤーがチンピラの腕に絡みつく。

「そこまでだ」

袖から伸びたワイヤーを掴み、相手の腕の自由を奪いながら路地の中に侵入していく。
何が起きたか理解できていない隙にチンピラに接近、顎に膝蹴りを入れる。
脳震盪を起こしたのか、フラッと身体を揺らして地面へと倒れ込んだ

「大丈夫か?」

ワイヤーを仕舞えば少年の方へ向き直る。
当の少年はあんぐりと口を開けて放心状態だったが、声をかけられてハッとしたのか
怯えたような視線でこちらを見てくる。

何か誤解がされそうな状況だな、と呆れたような表情で頬をかくと
自身の金銭を回収する。

アドラー > 警戒を解くためにしゃがみこんで少年と目線の高さを合わせる。

「この路地を出て、大通りを真っすぐ行った先に教会がある。
 今後こう言う輩に絡まれたくなければ、そこで助けを求めるといい」

少年の手を取って、立ち上がるよう促せば、その手に先ほど回収した自身の金銭を持たせる。
何が起きたか理解していない少年。
いまだにこちらを警戒している様子だが、自身の言葉を聞いた後は頷いて礼も言わずに走り去っていく。

「…甘すぎるか」

静寂の訪れた路地。自身の行動を振り返り、眉間に皺を寄せて目頭を抑える。
こういう時に見過ごせない自分が心配になる。
この調子だとどこかで足元を掬われかねない。

なぜ少年を助けたのか。
悪を見逃せない幼い正義心がまだ残っているのか。それとも

「自分と重ねたか」

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にイェフィムさんが現れました。
イェフィム > コツコツコツ、と、緩い足取りの足音が響く。
そのままひょっこりと路地裏を覗き込めば、
今まさに少年が路地から出てくるところで、
とす、と軽い音を立ててぶつかった少年を両手で支える。

「おっと…、おい、なんだこの状況。」

明らかにこの貧民地区には不釣り合いな身なりだが、
少年は小さく「イフ…。」と、その男装の麗人の名前を呼んだ。

「………いや、大体想像はつくな。
 お前はスった後気を緩めるところがあるな、もうちょい気ぃ張れ。
 あと、スるならばれないようにスれ。」

騎士としてはあるまじき言葉なのだろうが、少年の頭をぽんぽんと撫でて肩をすくめた。
先にいた男性の方へと金色の瞳を向ければ、ぺこり、と、うちの管轄内の子供がお世話になりましたとばかりに頭を下げ。

「これは、これは、どうやら馴染みの子供がお世話になったようでありがとうございました。
 とりあえずそこの野郎どもの処遇は俺に任せてもらえるか、
 それともアンタ個人がしたいようにするか選んでもらっていいか?」

シャンッ、と剣を抜きつつ尋ねる言葉に、先ほどまで少年に絡んでいた男たちの顔色が変わる。

アドラー > 「ん?君は…」

噂を聞いたことがある。
貧民地区には男装の騎士が居る、と。
献花の度にここへ来ることはあるが、実際邂逅することはなく、驚いた様子で騎士の方へ視線を向ける。

「あぁ、あの子は君の息子だったのか。
 私がどうこうするより、君が処罰を与えた方が効果的だろう
 
 頼めるか?騎士様」

勘違いなのか、冗談なのかわからぬ声色で子供のことについて語りながら、青い瞳を目の前にいる男たちへ向ける。
気が抜けてしまって残った男たちの対応を考えていなかった。

一歩下がって、どうぞ、といった風に微笑みながら彼女に道を開けて。
自分は路地の壁にもたれかかってその様子を見物しようとする。

イェフィム > 「どうも初めまして、こんなでも騎士やってます。」

少年にしがみつかれたままの状態でぺこりと一礼。
ぎゅ、としがみついたままの少年は「あの人が助けてくれた。」と、
一応助けられた自覚はあるらしいことを述べていた。

「…いや、俺の年でこの年の子供がいるわけねぇだろ。
 アンタ本気なのか冗談なのかわかりにくいわ。

 処罰に対しては俺に任せたら私刑で終わる可能性もあるが、
 まぁ、それでいいっていうならその通りで済まさせてもらうよ。」

ジトリ、と、勘違いなのか冗談なのかわからぬ声色に対して金色の瞳を光らせながら、
「お前は先に帰りな。」と、少年に告げると、残っている男たちの前へと歩み寄っていく。

「そうだなァ、とりあえず腕と脚、どっちがイイか選べ。」

その一言で、少なくとも無事で済まされることは無いことを悟った男たちの顔色が変わる。
「いや、未遂だぞ!!!」と、声を上げる男すらいたが、
それすらもやかましいわと言わんばかりに剣を握る手を一振り。
そうすれば明らかに剣の攻撃範囲の外にあった瓦礫がスパンッと真っ二つに裂ける。

「未遂じゃなくて、大体のこと済ませた後にこのお兄さんが来たんだろ。
 いくら俺がやる気ねぇからってそこまで見る目が無いと思われるのは心外だねぇ。」

にへら、と、この状況下に反して緩く笑い。

アドラー > 「初めまして。自己紹介は…後の方がいいか。
 冗談だ。しかし君のような美貌の持ち主なら、もう相手が居ても不思議じゃないと思ったんだ」

微笑みを浮かべながらも、彼女の立ち振る舞い、剣を見据える。
同時に顔色の変わった男たちに目をやれば、不憫と感じて苦い表情を浮かべる。

「お手並み拝見だ。噂に聞く騎士、剣裁きを見せてくれ」

瓦礫が真っ二つに裂ける様子に驚きつつもにやりと笑顔を浮かべる。
一朝一夕で成せるほどの剣技、圧力ではない。
目を細めてこれから起こる戦闘の様子を観察する。

チンピラたち > 一部の者は尻尾を巻いて逃げようと後ろを振り返るが
3人。武器を持った者たちは騎士の方へと向き直る。

「畜生!ただ殺されるくらいならやってやらぁ!」

手には斧や短剣を持っており、息を合わせて一斉に襲い掛かる。
路地という立地上、一方からの攻撃。

上と左右から同時に彼女へ攻撃が襲い掛かる