2023/10/28 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にミア・コレットさんが現れました。
ミア・コレット >  
夜。貧民地区。
この家にパンとぶどう酒を届けたら依頼達成。
そんな簡単な依頼で来たはずなのに。

どういうわけだか私は後ろ手に縛られている。

つまり、私は騙されたわけで。
あの杖の男に言われた通り、見る目がなっちゃいないことを証明してしまったわけです。
あーあー。面倒なことになった。

女を縛ってやることと言えば一つ。
実際、彼らは縛らなくてもやっていたとは思うけど。

私が持ってきたパンを食べながらならず者たちは私をジロジロ見ている。

ミア・コレット >  
「質問していい?」
「売られる系? やられる系?」

と、聞いてみると両方と言われた。
順番としてはやることやってからになるのかも知れない。

はぁ。なんとも言い難い。
人面獣心のケダモノに純真を踏みにじられるために生きてきたわけではない。

となると脱出だ。
危機からの。苦境からの。あるいは、この運命からの。

ミア・コレット >  
だが人間関係のトラブルは人事を尽くす前に言葉を尽くすべきだ。
とりあえず説得!!

「やめといた方がいいよー、私みたいな子供をかどかわし……」
「かどわかし?」
「果ては売り飛ばすなんて罪が重くなる一方だよ」

ああ、自分で言っててわかる。
説得スキルゼロ!!
これで改心したら相手は善性全振りのド善人に違いないのだ。

そして善人は女の子を後ろ手に縛ってその辺の床に座らせたりはしない。

犯人たちは私を下卑た笑みで嘲笑った。
ちくしょうめ。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にアドラーさんが現れました。
アドラー > 「彼女の言う通りにしたほうがいい」

夜の暗闇の中から声を響かせる。
レンガ造りの道路を革靴で踏みしめ、足音を響かる。
暗闇から現れたのは黒の外套を纏った青年。その青い瞳で犯人らと、少女に目を配る。

「さもないと、痛い目を見るのは君たちのほうだ」

両手を広げ、微笑みながら彼らを説得する。
とはいえ言い方の問題か、彼らのは挑発に聞こえるだろうか。
当の発言者本人もその意図を知りながら挑発めいた素振りを見せる。

ならず者 >  
椅子を蹴り飛ばすような勢いで立ち上がる。

「なんだぁ、テメェは!!」
「死にてぇのか!?」

ミア・コレット >  
あっ助けっぽい人が来た!!
そして出し惜しみをする場面じゃない!
ならず者は男の方を見て汚い言葉でがなり立てている。

つまり私はノーマーク!!

「エトランゼーッ!!」

叫ぶと同時に心のカタチを召喚する。
今回は………

子鬼のような存在がならず者にのしかかる。
そしてその見かけによらない超自重で相手を床に押し潰すように伏せさせるのだ。

「やっちゃえ、オバリオンッ!!」

気絶したならず者を尻目に、やってきた青い瞳の彼に目配せをするのだ。

アドラー > 「死にたくはないさ」

当然、そんな説得は失敗に終わる。
挑発としては成功ではあるが。

ともかく、相手はやる気のようだ。
であるならば、こちらも応戦…

「…!驚いた。」

自分が片付けようとしたならず者の一人が『影』によって倒される。
その一部始終を見ながらも、こちらに迫ってきたならず者の顎先に回し蹴りを食らわせる。
数秒ひるんだ後に、脳震盪を起こした彼は気絶するだろうか。

(彼女の力か。この分じゃ、私が来なくとも自力での脱出はできただろうか…)

ミア・コレット >  
「オバリオン、まず拘束切って拘束ッ!」

立ち上がって子鬼型エトランゼに縛られた後ろ手を自由にしてもらう。
とか言ってる間にならず者たちは刃物を持ち出す。

こうなるから縛られてると一手遅れるんだよねぇ!?

「来るか……! 私の力はすごいぞ……!!」
「すごいぞ」

相手に力を見せてから威嚇。
順序としては何も間違ってはいないのに。

何故だろう……語彙が残念すぎて通用しない気はしている…

ならず者 >  
乱入者に蹴り飛ばされる形で一人、仲間が気絶する。

「テメェら……!!」
「待て、男の方は格闘が強いぞ!!」
「ガキを気絶させてからだ!!」

ミアの方にダガーの柄で殴りかかり……

アドラー > 「おっと!」

外套の袖からキラリと一閃、光が走る。
その次の瞬間、ならず者の手にはワイヤーが絡まり、その自由を奪う。
袖から伸びたワイヤーを引くとならず者の持っていたダガーが宙を舞い、男の手元に。

「だからやめておいた方がいいと言ってるだろう
 もう一度言うが、痛い目に遭いたくなければ、彼女の言う通りにした方がいい」

ここまで来ると彼女のため、というよりならず者たちのために言っているようなものだ。
ワイヤーを持っている手を振り切れば、ならず者の手が他の仲間の顎を打ち抜く。
次に自分自身を殴らせ、気絶へと追い込む。

一人、また一人と相手を倒しながらも、彼女の方は大丈夫か目を配る。

ミア・コレット >  
「ぎゃあ!? オバリオ……オバリオン早くぅ!!」

エトランゼに守ってもらいながら、だけど。
一応の防戦一方。

ワイヤーを振るう彼の、陽動するかのような派手な動きに一瞬場が凍る。
ここだぁ!!

「オバリオン、おぶされーッ!!」

ならず者にまたのしかかり攻撃を仕掛ける子鬼。
オバリオンは東方の伝承存在ッ!
のしかかったらどこまでも重くなる!!

また一人気絶させた途端に。
ならず者たちは仲間を見捨てて逃げ出していった。
散り散りに、何一つ持ってはいかず。

身軽……だけど、仲間を置いていくのは軽薄。

「ああ……ありがとう」

ようやく落ち着いて彼を見る。
スマートなデザインの蒼と黒のコート。
場馴れした様子の、感情の乱れのない碧眼。
そして泣き黒子。

「助かった、終わってしまうかと思った」

アドラー > (あの影はオバリオンというのか…そこまで重いようには見えないが)


ならず者の相手をしながら次々と敵にのしかかる子鬼を見て、そのように思案する。
一人、一人とならず者は倒れ、残りも散り散りに逃げ出してしまった。

ワイヤーやならず者が持っていたダガーを懐に収めると話しかけてきた少女に目をやる。


「何もしていないさ。あの場面、君であれば独力での脱出もできたはずだ」


倒れたならず者たちを一瞥しながら礼を述べる彼女へそのように告げる。
実際、タイミングさえあれば彼女一人で一網打尽にはできただろう。
自分はそのきっかけを作ったに過ぎない。謙遜がましい態度で改めて彼女の容姿を一瞥する。

金髪碧眼の小柄な少女。
緑を基調とした明るいコートはギルドの集会所で見かけたような気もする。


「自己紹介が遅れてしまったな。私はアドラー。君の名前を聞いてもいいかな?」


自身の胸に手を置いてそのように自己紹介をする。
可能な限り警戒されぬよう、笑顔を見せる。

ミア・コレット >  
「どうかな?」

相手の言葉に、服についた埃を払いながら答える。
どうでもいいけどならず者は埃っぽい場所に居を構える。
私とは相容れない要素の一つだ。

「後ろ手に縛られてたし、手こずってのは確かだと思うけど」
「仮定はともかく今はあなたが来たというのが事実」
「私が無事だというのが現実」

古ぼけた屋敷を後にする。

「アドラーさん、改めてお礼を。私はミア。ミア・コレット」
「ありがとう、助かったわ。おかげで怪我一つしてない」

ふっと微笑んで、コートの裾でカーテシー。

オバリオン >  
「ゲッゲッゲッ」

役目を終えて消えていく。

アドラー > 「ミアさんか。いや、礼には及ばないさ。
 同業同士、助け合いの精神が大事だろう?」


彼女の自己紹介を受け、その名前を復唱する。
そしてギルドで見たという朧げな情報を頼りに自信の身分も明らかにする。

夜中の貧民地区。お世辞にも治安のいい場所とは言えない。実際襲われているわけであるし。
そんな場所にいる理由は依頼の遂行のためか、と様々な予想を立てながら、一つの疑問に焦点を絞る。


「あれは君の力なのか?跡形もなく消えてしまったが…」


笑い声を出しながら、消えてしまった子鬼がいた場所を指さす。
召喚術の系譜の術だろうか。いろいろなことを考えるが、彼女に聞くのが手っ取り早い。
彼女と肩を並べ歩きながら、質問をする。

ミア・コレット >  
「同業……つまり冒険者?」
「一方的に知ってもらってるみたいで申し訳ない感じ」

「パンとぶどう酒を配達するだけの仕事って聞いたのにコレだわ」

自嘲気味に語る。
今回ばかりは迂闊で残念だったと言わざるを得ない。
……今回も、かな。

「うん、心の形を実体化させるエトランゼって能力」
「今回はオバリオンが出たけど、戦う気分になってないと…こう」

「フニャフニャのエトランゼが出ちゃう、スライムとかカカシとか」

消えたけど私の中にエトランゼは常にいることを説明しながら歩く。
あちこちから視線を感じる。

「私達は身なりが良すぎるのかな?」

アドラー > 「いや、こちらが勝手に君を知っているだけだ。
 申し訳なく感じる必要はないさ」

確かにこの地区ではパンとぶどう酒を配達するだけでも命を落とすリスクはある。
彼女のような見た目だと特に。
同じ王都でもこれだけ治安の差があると、毎回驚かされし、疲れる。

「エトランゼ。なるほど、珍しい力だ。
 しかし、いいのか?まだ私が君を襲う可能性だってあるのだが」

能力についての説明に耳を傾け、目を細める。
情報は力だ。それをぺらぺらと口にする用心のなさをまるで面白がるかのように
冗談めかしに微笑みを向ける。

「そのようだ。注目の的になるのは嫌いではないが、いかんせん、相手が悪いな」

ミア・コレット >  
「紳士的ね……」

にっこり笑った。
人間と話していることを実感する。
拙いとはいえ人の説得を嘲笑うならず者と対峙していたから余計そう思う。

空を見上げる。丸い月が私達を見下ろしていた。

「騙された直後に何言ってるんだと思われるかもだけど」
「信じてみようって気分になったのかな…」

うーんと唸って。
助けてもらったとはいえ、確かにアドラーさんとは初対面だ。
自分のことがよくわからない。

「ここから出よう、報酬をもらったら食事でもどう?」
「助けてもらったお礼くらいはするよ!」

アドラー > 「紳士?私が?」

自分にかけられた言葉に意外そうな表情を浮かべる。
連日、盗賊であったりモンスターであったりを相手していたせいで自分の振る舞いを評価する相手がいなかった。
言葉遣いなどが間違ってないことに安堵し、胸をなでおろす。

「私を信じてくれるのはうれしいが、その甘さはいずれ自分の首を絞めることになる。
 気を付けた方がいい。ミアさん」

すべてがそうとは言わないが、騙すか騙されるか、やるかやられるかが主軸となるのがこの世界だ。
注意喚起のつもりでそのように相手に言い放つ。

と説教がましく言ったものの、本人も本人で自分の行動原理を理解できていないようだが…

「そうか、ではありがたく受け取っておくとしよう。
 ここは空気が悪い。早々に退散しようか」

相手のお礼に期待しつつ、少しだけ歩くペースを速める

ミア・コレット >  
「意外そうね……」

ひょっとしたら私は世間知らずで。
紳士的という言葉には侮蔑的なニュアンスが含まれるのかも知れない。
……もしそうだったら後で謝ろう。

「はぁい」

騙されて危機に陥った直後に。
喉元過ぎずこれでは呆れられても仕方ないか。

「うん!」
「あ、紅花掛色(べにばなかけいろ)って食事処が美味しいんだよ!」
「案内する、行こうッ!」

そう言って彼と共に足早に去っていくだろう。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からミア・コレットさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からアドラーさんが去りました。