2023/10/02 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にレアルナさんが現れました。
■レアルナ > かつっ。こつっ。
豪奢な邸宅が左右に並ぶ広い道を一人のエルフの女がヒールの音を刻みながら歩いている。
豪商に呼び出され占いの仕事をしてきた帰り道。
左手に持った大きめのバッグには占いに使う水晶玉が入っていて少し重たい。
「もう少し軽い道具で占いを研究すればよかったかな。
例えばカードとか……」
ここはまだ誰が見ているかわからない公道。
疲れた顔を晒すわけにはいかないが、口の中で愚痴るくらいは許されるだろう。
豪商夫人の無茶振りの謝礼に貰った小さな宝石で一ヶ月くらいは暮らすことができることが救いか。
「帰ったら糖蜜酒のボトルを開けよ……」
バッグを持つ左手に力を入れ直すと硬質な靴音のペースを早めた。
お仕事用の黒いドレスの裾から伸びるほっそりとした白い脚がきびきびと動く。
シースルー素材を使っているせいで肩は露出しているに等しい。
こんな姿で夜遅くなったら比較的治安の良い地区でも危険がないわけではない。
■レアルナ > こつこつっ。
律動的な音が石畳に反響している。
なんとなく背後に視線を感じてまた歩くスピードを早めた。
冒険者として荒れ地やダンジョンを駆け回った時に鍛えた四肢は、最盛期に比べると多少筋肉が落ちている。
とはいえ、長い時間を生きるエルフなのでまだ老化してしまうわけではない。
生活に合わせて適正な身体に調整しているだけ。
見た目が見苦しくならないように必要な運動は日々欠かしていない。
「……気の所為……かな?」
足を止めて周囲を見回す。
大きな翠色の瞳には危険な兆候は見えてこない。
長い耳をピクピクさせながら周囲の音を拾ってくる。
近くの邸宅から乱痴気騒ぎの音が聞こえてきたけれど、それは聞かなかったふりをした。
「きっと気の所為。うん」
こくりとうなずくと頭の左右で二つにまとめた薄い色の髪がさらりと揺れる。
エルフの女は再び歩き始めた。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にスルーシャさんが現れました。
■スルーシャ > こつり、こつりと音がする。
後ろから、ゆったりと、一定のリズムで。
こつり、こつりと音がする。
段々と、不安ではなくなっていく。
危険な兆候はあった。あったはずだった。
けれど富裕地区の僅かな喧騒に紛れて、その音は響き続け、エルフである貴女の鋭い耳に届いていて。
だからこそ、やがて”この気配は危険じゃない”と脳髄に染み込んでくる。
その汚染を、貴女は幾ばくか動揺と共に抗おうとするだろうか。
だが、こつり、こつりと音がする。
貴女に安心していいよ、怖くないよと囁きかける。
抗えば抗う程脳髄に絡みつき、その音は”この気配を受け入れないといけない”と染み込んでくる。
それは儀式の列。
狩人が尖兵を操り、貴女の進む先の群衆に紛れさせた手先達が、
手に手に持つ宝石の光を無意識に瞳に吸い込んでしまったから。
煌めく光が心を蝕み、不安も恐怖も、孤独も消えていく。
だってこれから”大事な人と出会うのだから”
だってこれから”大事な人に可愛がってもらうのだから”
やがて貴女は”大事な人との待ち合わせ場所”にたどり着く。
「……お待たせ」
振り返れば、エルフのように耳が尖った病的に白い肌の女が微笑んでいて。
「……待ちきれないって、顔してる。舌を出しなさい。ここで少しだけ可愛がってから、宿に行きましょう?」
貧民地区で、治安の悪い場所で、貴女にそう命令して、舌先を伸ばせば、
お互いの舌先を触れ合わせて、暗闇の中でぴちゃり、ぴちゃりと艶めかしい音を響かせ、女同士のくぐもった声を響かせて瞳を見つめ合う。
その瞳から注ぎ込む光が、貴女の好感を歪めて被虐性に変えながら。
■レアルナ > こつりこつりと規則正しいリズムが聞こえてくる。
やはり尾行をされていた。
尾行者の位置や距離を把握するためにその音を聞き逃さないように集中する。
歩く所作はつとめて変えないように。自然に。自然に。
けれど、その判断こそが罠へと堕ちる悪手となった。
こつりこつりと聞こえてくる音がやけに頭に響いてくる。
視線の先にはチカチカと光が瞬いているのが見える。
その光もまた罠の一部だった。
その音に集中すればするほどに猜疑心が少しずつ溶けてきて、心が落ち着いてくる。
コワクナイヨ。コワクナイヨ。
タイセツナヒトガマッテル。
ゆったりと安らいだような気持ち。
足元の感触がふわふわとする。
遠い昔に初めて恋をしたときのようなどことなく浮ついた気持ち。
エルフの女の表情がすっかりと緩んで蕩けている。
「いかなきゃ……」
硬質な靴音のリズムは後ろから聞こえてきた音のリズムにすっかり同期させられていた。
眠い訳では無いのに瞼がぴくぴくと痙攣する。
光と音のリズムにすっかりと意識を囚われてしまい、口元が緩む。
まるで糸に繰られているかのように、その足取りはいつの間にか富裕地区から貧民地区の方へと移ろっていく。
そうだった。わたしは大切な人に会いに行く約束をしていたんだった。
どうして忘れていたんだろう?
こつっこつっと硬質な音に合わせてキリッと屹立した胸の蕾がドレスの布地に擦れて気持ちがいい。
両脚の間がじんわりと熱くなってきた。
「……ぁ……ぁぁ……」
着いた。約束の場所に。
振り返ると、白い肌の美しい女が微笑んでいる。
「ごめんなさい。わたしのほうこそおくれてしまって。
うん……。もうまちきれません」
うっとりと目を閉じると桜色の薄い唇を開いて小さな舌を出した。
「ん………ちゅっ……んちゅっ……はむっ……んくっ…」
黒いドレスのさやさらした布地を大切な人に擦り寄せながら背中に腕を回す。
黒いハイヒールを履いた脚を少しだけ背伸び。
唇に温かい濡れた感触がする。
その感触が水面の波紋のように身体中に広がっていく。
暗闇の中での甘い味がするディープキス。
翠色の瞳を開くと、目の前には真紅の鋭い眼光。
その中に吸い込まれるような感覚がとても気持ち良い。
「つれて…いって……ください」
媚びたような表情でその美しい女性を見上げた。
■スルーシャ > 既に術中に堕ちた、否、あまりにも効き過ぎているエルフ。
かつては冒険者だったらしく、その素養も認めて目をつけていたが、どうやらそういう素養もあったらしい。
いつしか相手のほうから己の足音にリズムを合わせてくる。
まれに見る、完全に同期した、己の催眠に呑まれたものだけが魅せる症状。
エルフだけあって物理的な暗示には弱いと踏んでいたが予想以上で楽しくさえ思う。
「大丈夫よ……、時間はたっぷりあるわ。」
待ちわびた初恋の相手に出会ったかのような初々しい反応。
瞳を閉じて口づけをねだる貴女へ、舌先を伸ばしてしばし水音を響かせる。
お互いの唇を情熱的に舐り回す浅ましいまでに欲する舌遣い。
それをひとしきり堪能してから、貴女の背後に回り込むと、秋風を阻む外套で貴方を包み込む。
「道具屋を根城にしたわ。そこにたどり着くまで貴方は私の慰みもの。
貴方は私の操り人形。私の言うことを聞くだけでアマイキするイケナイ人形……♡」
囁いて。囁いて。脳髄に暗示を刻み込む。
「歩きなさい。百歩先の道具屋まで。歩く度に貴方はアマイキしておまんこがトロトロになるの。
たどり着いたら、貴方は自分の意志でこの暗示を受け入れてしまう。
だって、貴方は”私のものになりたい”のでしょう……?」
甘く囁き、黒ドレスの中に忍ばせた手が乳房を、秘所を下着の中へ潜り込んでまさぐりながら歩き始める。
ゆっくりと二人で散歩を愉しみ、道具屋に近づけば勝手に扉が開く。
その敷居を、己の意志でまたいでしまえば、暗示は深く根付いていくだろう。
■レアルナ > 大切な人が優しい言葉をかけてくる。
「うれしい……」
まるで大切に包まれたかのようなキスで心には多幸感が溢れ出す。
キスが終わると背後から外套に包まれた。
美しい女性から目を離すことができない。
そして赤い眼光は脳の中をゆっくりと侵蝕していき暗示を確実に刻み込む。
「……はい。
れあるなはごしゅじんさまのあやつりにんぎょうになりました。
ごしゅじんさまのことばでいつでもアマイキします……」
赤らんだ白い耳がピクピクと動いて暗示の言葉を一つ一つ拾い上げて脳の中に格納する。
瞼が半分くらい下がって眠る直前のように気持ちよさそうな表情を浮かべた。
「はい。
れあるなはひゃくほさきのどうぐやまであるきます。
あるくたびにれあるなはアマイキしておまんこがとろとろになります……。
たどりついたら、れあるなはわたしのいしであんじをうけいれます……」
白い肌を赤らめて蕩けた表情を大切な人に向ける。
「あなたの……ものに……」
薄い色のルージュで彩られ嬉しそうに緩んだ唇の端からはいまにも涎が垂れてきそう。
大きく胸の開いたドレスから入り込んだ手が乳房をまさぐると、硬く屹立した乳首が掌をくすぐって存在を主張する。
スカートの中の秘所は甘酸っぱい蜜でぐっしょりと濡れて毛が剃ってある恥丘の手触りはツルツルとしている。
こつっ。こつっ。
夢遊歩行のようなエルフの女のヒールの靴音が貧民地区に刻まれていく。
黒光りするパンプスの細いヒールが手入れの行き届いていない石畳を叩くたびに
「…ぁんっ……ぁぁんっ…」
喘ぎつつ白い肢体をびくっびくっと艶めかしくくねらせる。
石畳の上には甘酸っぱい雫が落ちて歩いた跡を示すかのよう。
大切な人の腕に抱きつくように甘えながら道具屋までの夢遊歩行を楽しんでから糸で繰られたようにくるりと扉に向き直る。
手も触れないのに開いた扉の中に黒いハイヒールの尖った爪先が入った瞬間。
「……ぁ……はぁ……ぁぁ……」
うっとりとした吐息をこぼしたエルフの女。
光を失い焦点を結ばない翠の瞳はこの女が心の中のすべてを明け渡したことを示している。
扉をくぐって道具屋に入ったエルフの女はふらふらとおぼつかない足取りでゆっくりと店の奥へと進んでいく。
心の中を幸せだけで満たされた催眠人形は既に引き返せないところまできていた。
■スルーシャ > ゆっくりと暗示が、悪意が、悪戯心が相手の心の中でかけがえのない思いに変わっていく。
貧民地区の窓ガラスに映る己の瞳さえ追って、自ら暗示を取り込んでいるのではないのかとさえ思い、いやらしい笑みを浮かべる。
「レアルナは良い子ね……。ただおもちゃにするつもりだったけれど、勿体なくなってきたわ……。私好みの人形に作り変えてあげる……。可愛がってあげる……。魔族に愛されたい為に人間を裏切るエルフ人形にしてあげる。」
朱に染まる耳が震える様を見つめて、甘く唇で食みながら、顎を撫で回し、完全に術中にはまったエルフを愛でながら囁いて。
「ああ、すごく仕上がっていく……♡ こんな逸材を見逃していたなんて……♡」
自ら顔をこちらに向けて抑揚のない表情を見せつけ、胸をまさぐっても、秘所を弄んでも悦びに打ち震える有様に舌なめずりをして。
「いいわよレアルナ。歩む度に貴方の心に、体に、子宮深くに暗示は根付くの。
貴方を私のお気に入りにしてあげる。」
囁きながら闇夜を歩き、やがて根城とする道具屋にたどり着く。
まるで人形のように姿勢正しく方向転換して、足を踏み入れた貴方が喜びに打ち震え、手中に収まった悦びに打ち震えながら、貴方を家の中に引き込み、扉をゆっくりと閉めていく。
がちゃりと、扉が閉まる音がする。
ギチリと、鍵が閉まる音がする。
心が閉め込まれ、鍵がかけられて、その鍵を開けるのはスルーシャだけとなって。
「寝室はこの奥よ。レアルナ。人形に服は、下着は必要ないでしょう?
私に愛される為に脱ぎながら寝室へ向かいなさい」
そう囁きながら二人して寝室へ向かい、廊下へ一枚、一枚と身に着けている着衣を脱ぎ捨てていき、寝室に至れば、一糸まとわぬ姿でベッドに倒れ込む。
「レアルナ。今から貴女は私の手駒になるの。
だから、今だけ、心を元に戻してあげる」
そう言って指を打ち鳴らし、貴方の意識を呼び戻す。
だが体は、心は強い暗示で、良識を持ちながらも内心目の前の魔族に手込めにされたい願望を刻み込んで。
魔族を受け入れて絶頂してしまえば、人形になるという”知識”も添えて
■レアルナ > 「……はい。
れあるなはごしゅじんさまのおにんぎょうになります……。
まぞくにあいされたいためににんげんをうらぎるえるふにんぎょうになります……」
道具屋へ至るまでの路上でどんどん洗脳が進んでいく。
長く伸びた耳が唇で挟まれるのが気持ち良いし、顎を撫でてもらえる手の感触も気持ち良い。
ずっと弄ばれていたい。美しい主人の言葉通りにエルフの女は一歩歩くごとに人形へと変化していく。
仕上がっていくのを喜ぶ言葉にはむしろ誇らしい気持ちが沸き上がってくる。
「はい。いっぽあゆむごとにしきゅうのおくにあんじがねづきます……」
うっとりと夢を見ているような表情で濡れた唇の間から言葉がこぼれ落ちる。
ガチャリと道具屋の扉が閉まり鍵がかかる。
「はい。れあるなはぬぎながらしんしつにむかいます」
まるで最初から寝室の位置を知っているかのように歩みを進める。
ごとっ…かちゃり、と音を立ててアクセサリが床に落ちる。
シースルーになっている飾り布がふわりと舞い、細い指先が触れると黒いドレスがするりと床に落ちた。
ぐっしょりと濡れた黒いレースの下着を器用に脱いで黒いハイヒールだけを履いた状態で寝室に入る。
最後にヒールを脱ぐと一糸纏わぬ姿でベッドの前に立ち、くるりと回れ右をしてからゆっくりとベッドに仰向けに倒れ込んだ。
「はい。れあるなはごしゅじんさまのてごまになります。
こころが……もどります」
パチン。
フィンガースナップの音がするとエルフの女の意識が戻った。
突然の覚醒に混乱する。
「えっ?
ここどこ……?!」
眼の前には見知らぬ魔族の美しい女性。
「ひっ?!」
しかも自分は全裸だった。
思わず上半身だけをベッドの上で起こして女性を睨みつける。
……けれど……心臓がドキドキする。
見知らぬ魔族の女性なのに、身体の奥が熱く疼く。
左腕で胸を隠して右手で秘所を押さえた。
右手には熱くヌルヌルした感触。既にぐっしょりと濡れている。
左手をくすぐるのは物欲しそうにしこった胸の蕾。
……理由はわからない。分からないけれど、無性に犯されたかった。
目をそらそうとしてもそらすことができない。いや、目をそらしたくなかった。
いま、自分は魔族に襲われている。
この流れでは、犯されて子宮で魔族を受け入れてしまえば操り人形にされる。
それが分かっているのに、逃げようという気が起こらない。
人形にされるのは恐ろしい。自分を保てるのかどうかもわからない。
冒険の中で魔族に魅了されてしまった犠牲者を見たこともある。
知識では分かっているのに感情が逃げることを許さない。
「……や……ゆ……ゆるし……て……」
ガチガチと歯が鳴る。
白くほっそりした脚が震えて、大切なところを隠している手も震えている。
目には涙も浮かんでいる。
怖い。
魔族も怖いけれど、……今のこの状況を受け入れつつある自分の心が怖かった。