2023/09/16 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にロロさんが現れました。
■ロロ > 生まれてこの方宮仕えだろうと、その性が奴隷の物であるというのなら。
正直…あまり富める場所、貴き場所、というのも。落ち着かないものだ。
オフならばこういった一般的な市街地…よりも更にごみごみとした、薄暗い町並。こんな場所の方が性に合っている気がする。
勿論こういった場所には、あらゆる意味で危険が付き物ではあるのだが…それも含めて。
多少の殴り合い蹴り合いでも有れば、寧ろお行儀良くしていなければいけない城等と違い、ストレス発散になるというものである。
実際。そうしたトラブルが尽きなさそうな風景が。歩く先には拡がっていた。
せせこましい酒場の扉を潜ってみれば。酒気をばらまく酔客が二人、三人、連れ添って擦れ違う。
へべれけの侭此方に向け野次を飛ばし、尻に手を伸ばしてきたので。ぺぃっと尻尾でその手を払ってやるのだが。
挑発を挑発と思えるだけの判断力も残っていないのか。そのまますごすご、立ち去っていく酔客共。
「 ――、ちぇ、-」
それでは面白くないではないか。
肩を竦め、舌打ちし…それでも、此処まで来たのだ。
久しぶりに、ロクデナシ共や荒くれ者共で繁盛する酒場で。何か注文するとしよう。
■ロロ > 首輪をした犬の入店に、酔客の目が幾つか飛んでくる。
何故こんな所に、と訝しむ物や。牝犬認識で舐め回すような物。ともすれば裏を疑う物も。
が、大半の客はどちらかと言えば。目の前の酒や料理、ご執心のウェイトレス等、自分達の事ばかり。
変わらず騒ぎ続ける彼等の隙間を交い潜り、カウンターに辿り着けば。
「こういうのも久々だ。ようし、そんじゃ…」
実際。鞍替えしてからは機会が減っていた気がする。
メニューの此処から此処まで、という勢いで注文し。ずらりと並ぶ肉、魚、野菜、また肉…番犬であれ猟犬であれ。得てして獣は餓えるものなのだ。
犬にとっての、もう一つの、発散方法。ありったけの食事にがっつく健啖ぶりが始まった。
■ロロ > 良く喰らい、呑む。
周りの客数名が、細い犬の腹部、その何処に吸収されていくのかと。些か呆気に取られた顔をしていたが。
基本、ノリの良い酔っ払い共である。何が面白いのか笑い出す者、飲み比べをしようという者、等が集まってくる。
些か鬱陶しいと言わんばかりに、眉を欹てこそするものの。食べる方が優先なので我慢、我慢…その場に留まる犬は。
きっちりデザートとして注文したパフェ三つ程まで、全て平らげた所で。漸く一息吐きながら。
「…ンだよ。用があんのかい?今なら丁度食い終わったし―― ぉ、ぉ。 …おぉ? へーぇ…?」
そんな客の中から、誰かが。犬に向かい、この後付き合わないかと…食ではない、別の欲も満たさないかと。声を掛けてきた。
普段なら聞き流すか、臍を曲げて拳の一発でも突き出してやるのだが…今日は。腹も膨れて珍しく、上機嫌だ。
スツール毎声の主へ振り返り、肩を震わすように笑ってみせて。
「…そいつぁ。そいつぁ良い ね。どれだけ相手してくれンのか――」
楽しみだ。と、犬歯を剥いてみせ、その誰かの方へと。立ち上がろう。
■ロロ > 普段はともあれ。偶にこうして、獣らしい性質を発露する日には。
犬の方も最初から積極的になる。
誰かと連れ添い、場末と呼ぶに相応しいであろう安酒場、その二階へと姿を消して――暫く。
喰う側から喰らわれる側か、何れだとしても。階上から聞こえてくるであろう、牝犬の喘ぎ吠える声。
それもまた肴となって、酒場の客達を大いに湧かせ…今宵の酒場は何時もより、さぞ繁盛した事だろう。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からロロさんが去りました。