2023/08/11 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にセリアスさんが現れました。
■セリアス > 貧民地区にひっそりと建つ教会。
人種・種族とそれらの欲望の坩堝のような街で、宗派も様々なものがあれば、
しかも貧した者の住まう地区であれば、何を祀った教会かとも知らぬものも多い。
けれどこの日はその周辺に多くの人が集まっている。
理由は、漂う食事の匂い。
今日は篤志を受けての炊き出しが行われているようで。
セリアスもたまたま縁があった司祭が属する教会だからと、気まぐれにと食材と人員を供出している。
富の分配だなどと上等なことでも、祀られたなにがしかに饗する心積もりでもなく、ほんとうに偶さかの気まぐれ。
件の司祭が多少みすぼらしい身なりでも、磨けば光りそうな妙齢の女性であったことは関係しているかもしれないが。
「しかしまぁ、なんともこの街らしい……」
煌びやかな欲の舞う富裕層や、ギラついた欲のぶつかりあう冒険者たちとも違う。
ただ目の前の食事に、その時もっとも強く反応する食への欲を満たすためだけが目的のような集まり。
在り合わせの食材を混ぜたスープと数だけそろえたパン。
それを配るだけなのに、冒険者やら衛兵が見張りにきているのだから、過去の炊き出しでは悲惨な光景があったのだろう。
その冒険者たち相手にすら、多少身綺麗にした少女やら女性やらが声をかけている。
生きる事、という単純な欲を貪欲に満たすこの地区の住人も、間違いなくこの街の象徴だろう。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にエマ・リチャードソンさんが現れました。
■エマ・リチャードソン > 一生懸命働くおこちゃま。学院の生徒であるエマは炊き出しのお手伝いに来ていたのであった。
「あ、先生お疲れ様です!」
ふんわりとした笑みを向ける良い子なエマ。身体つきは良い子と言うよりはかなり悪い子寄りなのだが幸い今の所そういう被害には合っていなかった。
炊き出しもおおむね片付いたようでそれを知らせに来たというところ。
「大体お仕事終わりらしいですけど……?」
どうしましょう?という顔で先生の顔を見上げる。難しい社会のあれこれは絶対にわかってないな。という素直で可愛い顔つきであった。
■セリアス > 炊き出しの手伝いは連れて来ていた商会の部下たちに任せ、
自身は同じように篤志目的か、あるいは何らかの目論見あって来ている貴族やら、
ある程度地位のある冒険者やら、教会関係者やらと話をして。
そんなふうにして過ごしていれば、ちらほらと混じる見たことのある者たち。
仕事を依頼したことのある冒険者や、殊勝なことに学院で顔を見る学生もいる。
顔見知りには声をかけたりとしていれば、逆にこちらにも声がかかることはあり。
そんな中の一人、幼いとも言える容姿にアンバランスな肢体の少女。
色んな意味で記憶にも残る少女に声をかけられれば、常日頃浮かべる緩やかな笑みを深めて見せて。
「お疲れ様ですねぇ、エマさん。そぅですね。今日は夕方の分はないようですし。
一頻り片付けが終わったら、解散と言う所でしょうか」
あれだけいた人もだいぶん捌けて、人の姿も疎らに。
中には腹も膨れたことだし、ということだろうか、
来客の腕を引き路地やら家の中やらに消えていく商魂たくましい娼婦たちの姿もある。
今日は学院の行事でもないから、引率、というわけでもない。
それでも普段の授業なりでの癖かこちらに意見を窺うような少女を見降ろしながら、
そういえば彼女もどこかの協会からの奨学生であったなと思い出す。
詳しくは知らないが、そんな境遇でわざわざ貧民街の教会の炊き出しに手伝いに来るほど、
となればその生い立ちも想像してか。つい、頭を撫でてやろうというように指を伸ばしてしまう。
■エマ・リチャードソン > 「ふえ?」
頭に手を伸ばされるときょとんとした顔をするエマ。大人しく頭を撫でられるとくすぐったそうな嬉しそうな顔をしてしまう。そして甘えたかったのかぎゅーっ!っと抱き着いてしまう。むにゅ❤ なお本人にむにゅ❤の自覚は全くない。男の子の癖が余り抜けてないし。
「じゃあお片づけ頑張ってきます!」
元気になるわかりやすいエマ。言葉通りに頑張ってお片付けして綺麗な司祭様に挨拶してくると先生の元に戻ってくる。ひょっとしたら先生も一緒に挨拶したのかもしれない。
学院に戻るにしてもほかのところに行くにしても先生についてく気満々な様子。元々貧民街の子だから迷うという事はあまりないのだろうけど大人と一緒だと安全。位の知識はあるようで。
■セリアス > 金色の髪を撫でつけてやっていれば、腰元に抱き着いてくるのに僅かに苦笑を洩らす。
学院でも彼女の同様の振る舞いは珍しくないが、この街ではその振る舞いは危険だとは思うけれど。
身体ばかりは大人顔負けのスタイルだけれど、思考は子供のそれなのだろう。
片付けの様子や挨拶を欠かさない様子であれば、その素直な振る舞いは好ましくも思う。
「私は店のほぅに戻りますが。エマさんは学院か、家のほうに戻りますか?」
自分の所に戻ってきて、他にどこかに行く様子も無ければそのように尋ねてみる。
ここで別れれば彼女のような風貌の少女など、あっという間に路地裏に連れ込まれていきそうで。
そういう街ではあるとはいえ、一応は生徒と教師であるし気にもかけようかとも思うし。
他の男が攫うくらいなら、店にでも連れていってしまおうかという心づもりでもある。
■エマ・リチャードソン > 「お手伝いしましょうか?」
学院は夏季休業中。真面目なエマは宿題も大半を終わらせてしまっていた。小学校に相当するクラスの宿題の量はさして多くないという事情はあるにしても立派ではある。という事情で割と暇だったのと根がお人よしなのでそういう風に言ってみて。
先生のお店に関しては色々学校の物を買うのにお世話になっているお店、である。大人のおもちゃとか見た可能性もあるが理解できているはずも無かった。
■セリアス > お手伝い、と言われて、はて、と一瞬首を傾げるが。
どうやら店のことを言っているようであれば、彼女の青い瞳を覗き込みながら。
「……ふむ、それではお願いいたしましょうか」
そう告げては、二人で貧民街を抜けて平民地区へ繫がる道へと向かって行く。
店から来ていた部下たちには先に戻ると伝えて。
昼下がり、貧民街で他人の欲を満たしたのだから、
次はこちらの欲を満たしても教会に祀られたなにがしかに祟られることもあるまい、と。
幾らか邪な考えを巡らせながら、無警戒な生徒を連れて自身の塒にと――……
■エマ・リチャードソン > 「はいっ!」
エマはそんな先生の思惑も知らずに暢気な顔でついて行くのでした……
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からセリアスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からエマ・リチャードソンさんが去りました。