2024/02/25 のログ
■アドラー > 「そんなこと…しない、と言っても信用されないか」
無銭飲食なんてこの地区ではよくある話だ。
自分はそんなことをしない、と主張しても、初対面の彼女に響くことはないと考え、頬を掻きながら苦笑いをする。
相手が呪符に対し、より効果を増す細工を施しているなんて考えずに彼女の真似をして口に含んだ。
効果は弱くなっている。なんとなく、そうはわかっていても、初めての経験はやはり驚くものがある。
「ふぅ…はぁ、君らはこんなものを毎日飲んでいるのか?
親切にしてくれたのは感謝するが苦手なものを勧めないでくれないか…?」
喉を抑え、息を整えながらやや目を細めながら彼女を見据える。
身体は熱くなり、顔もやや赤みが増えているが…呪符そのままの効果だったら喋る余裕もなかっただろうか。
口の中も、火傷したような違和感を覚えながらも、なんとか彼女へ苦情を言う余裕はあるようで。
「…君は良くここに来るのか?」
一息ついて酒の衝撃に落ち着きを取り戻した後に、そのように問いかける。
いちばん苦手、や注文に慣れている様子に、恐らくここに足繁く通っているのだろうと考えて。
■ニュア > 「さあね。おにいさんは逃げなくても、おにいさんのアタマがトぶかもだし。」
───酒で。 娘はそんな風に告げ、鼻を鳴らす。
多分、男は逃げることは無いのだろうとは思う。なんとなく。…まあ、伝える事はしないけど。
「どぉだろ。それでキマるヤツもいるしね。
今度はそれの“火鼠入り”で頼むとイイよ。3日間くらい“そこ”に火鼠を飼える。噛み付いたり、走り回ったりして吐きそうになるからさ。」
“そこ”──…咽喉の熱感灯るだろう箇所を指差し、娘がニヤニヤと囁いた。自分は間違っても二度と頼まないけども。
勿論魔術による抽象の実体化だ。だが、咽喉に小さな鼠が宿るのは中々にスリリングだろう。
ちなみに最上級は火炎蛇なのだなんて教えたりもし。
自分の杯を傾けながら、向けられた声に目を丸くし思わず頚を横に振る。心外だとばかり。
「やめてよ。こんな店で常連なんて酷いジャンキーじゃん! …たまに、気が向いたらくらい。」
マスターから刺さる視線を感じるけど、そこは無視。
普段はちゃんとした店で飲んでるってば、と付け足した。
■アドラー > 「…酒は強い方だと思ってたのだが、加減しないと、本当にトんでしまうかもな」
くつくつと笑いながら、言葉とは裏腹に更に酒を煽る。
再度喉が焼ける感覚を覚えると、顔を顰めて、熱い息を吐く。
この感覚が良いという人もいるのだろう。自分にとっては、慣れるのに時間がかかりそうだ
「君のアドバイスは嬉しいが、身体の中に変な生き物を飼う趣味は無いな
他にそういう体験をしたい人物が居たら、ここを紹介しよう」
自身の首をさすりながら、苦笑いを相手に向ける。
しかし、魔術でそんなこともできるのか、と感心しつつも、そんなスリリングなことをする勇気はないと思考する。
火炎蛇(サラマンダー)の話を聞くと苦笑いが驚いたような顔へと変わったりして
「そ、そうか…私の行きつけの酒場が平民地区にある。
時間があればそこに足を運んでくれ。…もし、そこで出会えたのなら、今日の礼もしたい」
普段はちゃんとしているところで飲んでいる、という言葉と共にマスターの視線に気づくと、安心したような困惑したような気持ちで。
そして、今度は自分の行きつけの酒場を紹介してみる。
彼女がどこに住んでいて、どういう身分かは詮索はしないが、もし足を運ぶことが出来るならば
そして、そこで再開できるならば、今日の礼をしたいと気持ちを伝える。
■ニュア > 「こんなドープを酒にカウントしちゃ駄目だって。なんならトべるのも教えとくけど?」
トべるの、キマるの、よりどりみどりだ。
なーんてそんなコト言ってるから、常連なんて思われるんだろう。流石に口を噤み。
「まあ悪趣味だよね。実際ノドをステーキにされちゃったって話も聞くし。
でも寒冷地に籠もる冒険者が飲んだ帰りに、術符だけごっそり買ってくコトも多いってさ。」
故に、“脱法酒”なのだろう。しかしエンチャントだと思えば格安ではあるのだと。
ついでに男へと告げてから、──向けられる言葉に、吃驚したような表情をした。
奢らされておいて礼とは、随分と奇特な言葉を聞いたとばかり。──… 瞬きの後。また笑う。
別にそういうのいらないし、だとか。もう一度逢う可能性なんてあると限らないし、だとか。
思いつく憎まれ口は多々あったけど、それを口にしなかったのは───多分、矢張り己は随分酔ってるのかも。
「ふーん。そしたら何奢って貰おうか考えとこうっと。 ──…さぁて!ニュア、そろそろ行くね。おにいさんはごゆっくり。」
酒の残りを飲み干してスツールを下げ、立ち上がる。少しばかり足元が覚束無いが、
悪酔いしなかったのはもしかしたら、隣人という暇潰しができたからかも知れなかった。
御馳走サマ、と短い一言告げて外套のフードを再び目深に被り、娘は先に店を出る。
机の上には硬貨のヒトツも残さずに、一杯目の代金すらも男任せにしたのは御愛嬌。
そう、無銭飲食なんてこの地区ではよくある話。千鳥足の娘は実に気分良く夜を終え、リフレッシュ成功と相成ったのだとか──。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区「術符の酒場」」からニュアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区「術符の酒場」」からアドラーさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にアキアスさんが現れました。
■アキアス > 娼館も立ち並ぶ歓楽街にある貧民地区の酒場。
柄の悪い連中が酒を呷り、冒険者のギルド支所も併設されているのか受付のようなものも見える。
とはいえゴロツキどもが仕事も終えてその日の稼ぎを消費する時間帯。
夜にもなっては何か緊急の依頼なり、納品などの用事がなければ受付も稼働していないようでもあって。
「ぁあ? いいぞ、今日は奢っといてやる!」
受付からは少し離れた飲食用のスペースで、
焔の如く赤い髪の男が威勢よく取り巻きらしい男たちに啖呵を切る。
どうやら今日は稼ぎが良かったらしい。
やんややんやと周囲も囃し立てては酒を頼んでいる。
娼婦たちも今宵の客を引っ掛けるために出入りしているのか、ウェイトレスのように給仕をしていて。
なにもかもが綯い交ぜになったような貧民街らしい様相を見せる場所で、
羽振りのよい赤髪の男も近くを通る給仕の尻に手を伸ばしたりとお盛んな様子。
相手も慣れたものでいなされ、互いに軽口交え。
気分も良いのだろう、大きな図体でその日酷使したのか関節をごりごりと鳴らしながら、
なにか面白い手合いでも居ないか、来ないか、と、酒精を煽りながら過ごしている。