2025/02/11 のログ
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ご案内:「王都マグメール 王城・夜会」にエリザベートさんが現れました。
エリザベート >  
王城で夜毎に開かれる宴。
今宵は王城のとある権力者が主催した、絢爛華美な催しである。
上等な料理、高価な酒、豪華な装いに身を包んだ王族、貴族。
城下の町の光景と一線を画する、選ばれし者達の宴である。

そんな夜会の会場を闊歩するのは、白を纏う女。
贅沢な料理や酒には目もくれず、挨拶を向ける王族達を尻目に、女の目的と言えば。

「(若いイイ男でも転がっておらんかのう~♪)」

享楽に遊ぶ、楽隠居。
王城の魔術指南役、白魔女とも揶揄される豊満な女は色目をちらちら、獲物を探す。

エリザベート >  
「──どれ、ひとつもらおうかの。
 おお、これはダイラスの相当古い倉からの品じゃな?」

グラスに注がれた赤褐色の酒を手に、優雅に口元へ向かわせる様もまた、周囲の男達の視線を集める。
否応なく目立つ女は酒精にほぅ…と小さな満悦の吐息を零し、グラスを持ってきた侍従のトレイへと戻す。

さて、往々にしてこういう場には政治的な思惑も渦巻くもの、であるが。

普段であれば、王城に巣食う腐敗貴族や魔の手を伸ばす魔族の姿を探して夜会に訪れることも多い。
だがしかし、そればかりでは愉しい日々とは程遠い…。
たまには?こうやって素直に夜会を愉しむのも良いではないか。

ご案内:「王都マグメール 王城・夜会」にクロスさんが現れました。
クロス > (賑やかに多くの貴族が楽しむ中、心の中で苦虫を潰したような顔をする男が居た。
綺麗に整えた燕尾服に身を染め、長い髪をまとめて綺麗にし、片手にはツマミとなるチーズを小皿に乗せたものをお盆に乗せて持ち歩いていた。)

「(ったく、貴族の居る空気とは…どうも性に合わないな…)」

(貧民地区暮らし、生まれも同様な男にとって高貴な貴族の居る空間は気に食わないのであった。
だが、終われば多額の報酬が貰えるのならば少し我慢するしかないと無表情を通し続ける。)

「…ご婦人、チーズはいかがでしょうか?」

(そんな男も一人の客の元へ近寄る。
色白で怪しげな雰囲気のある女性へ近寄れば、大人しく低い声でチーズを勧めようとする。)

エリザベート >  
近づいてきた青年を一瞥する。
整えられた服装をしてはいるが、あまりこの場の空気にはそぐわない雰囲気を感じる。

「ほう、それでは一つ頂くとしよう♪」

差し出された皿に乗ったチーズを一欠片。
靭やかな白指がつまみ、艷やかな口元へと運ぶ。
臭みの少なく、酒によく合う、上質なチーズだ。

「うむ、悪くないぞ。
 お主は…ミレーじゃな。いずれかの家の召使いか何かか?」

この国でのミレーの扱いを知ればこそ、この場にいるのはそういうことだろうかと問いかける。
チップ…というわけではないが、チーズの礼に飼い主がいるならば一つ目をかけてやろうという腹積もりだ。

クロス > (一欠方、チーズを受け取れば差し出していた盆を下げる。
ここで働く上でのマナーであり、厳しく言われていたのであった。
口元へ運ぶ様子を見ると同時に、近寄った貴族らしく見える女性を眺めた。
真っ白な服装に独特な瞳、そして服の上からでもわかる豊満な服装、男の性を刺激してくるのである。)

「あぁ、いえ…私は…」

(ただの依頼で働いているミレーだと説明しようとしたがピタリと言葉が止まる。
相手には見えないように少し考えるような様子で黙ると再度口を開く。)

「はい、そうです…お恥ずかしながら、最近飼われたものでして…。
主人ですが、少々酒が回ってしまい部屋でお休みになられております。」

(男は嘘をついた。
依頼人はここを開催した貴族であるが専属ではない、挙句の果てには部屋で休んでいるとも話した。)

「もし御用がありましたら、お部屋までお連れ致しましょうか?」

(どこまでも丁寧そうな口調をし、背筋を伸ばしながら2mはありそうなその身体を伸ばし、美しく女性の前へ立つのであった。)

エリザベート >  
「…ふむ」

言葉が止まり、再度口を開けば目の前のミレーは最近飼われたことを口にする。
その様に不可思議と感じる点は然程なかった、が……。

「何、恥に想うことなどあるまい。
 服装も立ち振舞も、なんら他の客達に比べ遜色ない。
 まだ不慣れに見える部分もあるが、主に尽くす内洗練されるであろう。
 妾は相手がミレー族であろうと区別して見たりはせぬからな♪」

気をよくしたような女はそう語り、銀色の視線を改めて目の前の男へと向ける。

「して、お主の主人はなんという家の者じゃ?
 それに、酔い潰れておるのじゃろう?そのような状態の者に部屋まで押しかけてどうするというのじゃ。
 ──それとも妾をこの場から連れ出そうという腹かの」

くすりと笑みを浮かべ、己よりも遥か上背の高いミレーの男を射抜く様に銀瞳が見据える。

クロス > 「…ありがたきお言葉感謝致します。
この事は主人にもお話させていただきます…。」

(自身の腹部に手を添えて静かに頭を下げる。
綺麗な角度を作りながらもきっちりと仕込まれたかのようなお辞儀を行い、まるで何度も教育をされているかのような立ち回りを見せる。)

「・・・。」

(銀色の視線を向けられると再度質問をされる。
主人としている者の名前、そして酔いつぶれているのに部屋へと案内する不自然さに違和感を覚えたのか射抜かれる。
表情にも尻尾や耳にも反応は見せず、微動だにしない様子を見せながらもゆっくりと口を開く。)

「…随分と勘が冴えている御婦人様だな?」

(体を少し下げて顔を近づける様にすれば先ほどの礼儀正しさとは裏腹に砕けて、少々無礼な様子の見える様子で口調が変わる。)

「すまねぇな、さっきのは嘘だ…俺はここのパーティーを開催している主人に雇われた普通のミレーでな…こうやって接客していたのさ。
だが…あんたみたいなべっぴんさんに出会えてちょいと気分を良くしてな…。
どうだい?今夜、俺と過ごしてみるのは…?
どうせ、貧民地区の住民…あんたに喰われるなら、本望ってやつさ。」

(洗いざらい自身の素性を話し出す男。
喋り方こそ礼儀のなっていない貧民地区の住人ではあるが、立ってその場に交じり合う空気はこの場に合ったものである。
最後にそっと相手の手を取って誘い出そうとそそのかす。
その目線には色欲も含まれているが、喰われてしまっても構わないと言う素直な気持ちも存在していた。)

エリザベート >  
「くふふ。やはり嘘か。
 これくらい看破できぬようではこの城で若人達の相談役など務まらぬわ」

純白のファーをひらりと踊らせ、飽くまで女の語り口は老獪。
所作こそ優雅なれど、この王城で長年生き抜いた貫禄を感じさせる。

「何か企みでもあるのかと思うたが…その様子では妾が何者かも知らぬようじゃなぁ…」

さすれば、然程悪意に根ざした嘘というわけでもあるまいか、と。
ドレスの裾から取り出した扇で口元を多い、誘いを持ちかける男を見据える。

「貧民地区がどうのこうのはどうでも良い。──しかしじゃ」

ぴ、と扇を閉じ、男を指す。

「されど、金かあるいは他の報酬で要するにお主は仕事中じゃろう。
 夜会は朝まで続くぞ? 女とともに雲隠れしたのではお主を雇った者が示しがつかぬ。
 …ま、然程義理立てする相手ではないのかもしれぬし、それほど魅力的な妾が悪いのかもしれぬがな~♡」

真面目な態度は途中まで、急激に崩れ茶目っ気を出して見せる女はそれでも、しっかりと己の返答を返す。

「お主の居直りとお主の雇い主に免じて今宵の嘘については咎めぬでおこう。
 ただし、金を貰うのであれば仕事は最後までしっかりと全うせよ。
 そして妾のことが気にかかるというのであれば、まずはこの夜会で存分に妾を楽しませてみせるのじゃな♪」

クロス > 「…へぇ、優しいんだな?あんた。
貴族ってのは貧民地区出身者みたいな底辺は眼中に無い上に簡単に首を跳ねる者だと思っていたから、正直驚きだったよ。」

(自身の嘘を見抜いており軽く流す相手の様子に驚く。
恐らく、今目の前の女性は高位の存在であるため下手をすれば頭と体が離れるリスクも存在している。
それなのに許されたのだからだ。)

「…まさか、夜の誘いをしている相手に対してここまで説教してくるとは…。
ハッ!いいねぇ、あんたは俺が知る貴族の中でも最高に良い女だぜ。」

(牙を見せつける様にニヤと口角を上げる男。
仕事柄、貴族と関わることも少なからずあるため面と向かって指導するケースはほとんどない。
そのせいもあり、相手の事をかなり気に入ったのである。)

「楽しませるか…。いいぜ、なんだってするさ。
こう見えても、貧民地区じゃなんでも屋をしていたからな…。

リクエストは何かあるか?手品か、パフォーマンスか?
それとも、犬のモノマネか?」

(相手が提案をすればそれに乗る気の男。
依頼はこの夜会を無事に終えるために貴族達のご機嫌取りを行うこと。
だからこそ、今目の前の客人も楽しませるのも男の仕事である。
大抵のことはできると言うミレーはどんなリクエストが来てもすぐに対応できるように常に準備のできている体制を取るのであった。)