2024/07/27 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城2【イベント開催中】」にシトリーさんが現れました。
■シトリー > 王宮で催された舞踏会
王族からの招待ともなれば、無碍にできるはずもなく、渋々ながらに見上げるほどに大きな扉を潜る。
煌びやかなダンスホールに連なる部屋には、贅の限りを尽くした料理が並ぶ。
少女が纏うのは、煌びやかなドレスではなく、自国の正装
特徴的な尖った耳も相俟って、注目を浴びてしまい。
慣れないながらも、ひと通りの挨拶をし終えると、それだけでもうぐったりとしてしまう。
かと言って、それを表情に出すわけにもいかない。
表面上はにこやかな風を装いながら、しつこいくらいに繰り返されるダンスの誘いを断って。
「人が多い所は、やっぱり苦手です………」
ダンスの誘いから逃げるために、人の少ない方、少ない方へと移動していると。
気付けば中庭に出てしまっていた。
辺りに人の気配はすれど、姿は見えず。
ようやくしつこい誘いを振り切れた安堵感から、ぽろりと本音が零れ。
ご案内:「王都マグメール 王城2【イベント開催中】」にタマモさんが現れました。
■タマモ > 気紛れにどこにでも現れる、神出鬼没のミレー族らしき少女。
それは、この王城であろうとも、変わらない。
もっとも、理由があって居る場合と、理由がなくて居る場合、その違いは結構大きい。
なにせ後者の場合、不法侵入案件だからである。
さて、本日はと言えば…後者。
だからこそか、人気のない場所から侵入し、ふらりと適当に王城巡りをする予定だ。
何度か訪れている場所だからか、人気の疎らな場所は、それなりに知っている。
もちろん、この中庭も、そんな場所の一つではあったのだが…
何もない中庭の風景、その一部がゆらりと揺らげば。
その歪みから、ふわりと現れる少女の姿。
それは、ちょうどその場所に現れた相手の真ん前であろうか。
■シトリー > 「えっ……!?」
瞬きの合間に、突然、目の前に人が現れる。
揺らぐ風景はともすれば、幽霊かと見間違うようなもの。
思わず悲鳴を上げそうになって、けれどどうにか押し留める。
その理由は、後ろの方から先程のしつこい男性の声が聞こえたからで。
一瞬だけ、後ろを振り返り。
声だけでまだ姿が見えないことに安堵はすれど、猶予はあまりなさそうで。
視線を戻しても、目の前に現れた少女の姿は消えてはおらず。
どうしようと、右へ左へと視線を彷徨わせ。
■タマモ > 「おっと、いきなり誰かに出会うてしまうとは、予想g…ん?」
とん、と地面に降り立ち、すぐ目の前からの声に、反射的に手を伸ばそう…として、その手を止める。
知らぬ相手であれば、さっさと気絶でもさせて、せっかくだから入れ替わってやろう、と思ったのだが。
そこに居た相手が、覚えのある相手だったからだ。
もっとも、その目の前の人物…少女からすれば、覚えのあるような、無いような…そんな感じだろう。
なにせ、以前に変装?した学生の姿で出会っているから。
まぁ、その時は今のような耳や尻尾もないし、服装も学生服を模したものだった。
と、そんな考えよりも、少女の仕草にかくん?と首を傾げる。
目の前の己に驚きはするが、それ以上に、何か背後に気になるものがあるらしい。
「あー…もしや、あっちから近付いてくる者に見付かる方が、妾よりも面倒そうじゃろうか?
いや、本来は妾を気にするべきじゃろうが…まぁ、すぐばれるよりましか。
ほれ、ちと大人しくしておれ?」
とりあえず、少女だけに聞こえるような、そんな小声でそう伝えてやれば。
止めていた手が再び伸び、少女の体を抱き寄せようとする。
大人しく抱き寄せられれば、それと同時に、己と、その周囲を認識させぬ、そんな場を作り出すし。
それが避けられたのなら…うん、どうしよう?
■シトリー > 右も左も茂みになっていて、飛び込めば全身ひっかき傷だらけになってしまうだろう。
次第に近づいてくる男の声に、おろおろとしていると、目の前の少女が何やら話しかけてくる。
「え? ゆ、幽霊じゃなかったんです……きゃっ!?」
不意に伸びてきた手に捕まってしまう。
突然のことに、今後こそ悲鳴を上げてしまえば、走ってくる足音が聞こえ。
せっかく撒いたのに……と徒労感に苛まれていると、
『確かにこっちから声が聞こえたはずなんだけど……』などと言う声が耳に届く。
きょとんとして顔を上げれば、すぐ近くに先程の男の姿。
けれど、こちらが見えていないらしく、きょろきょろとしながら、中庭の奥の方へと進んでいく。
そんな後ろ姿を見送ってから。
「あ、あの……助けてくださって、ありがとうございます……?」
下手に物音を立てられずに、未だ抱き締められたまま。
原理は分からないけれど、おそらくは少女の能力によるものなのだろう。
囁くような小声で、そう疑問符まじりに感謝を告げて。
■タマモ > どうやら、避けられはしなかったらしい。
己の言葉に戸惑ったか、それとも鈍いのか、それどころではなかったか。
理由はどうあれ、少女は己の腕の中。
そのまま、己と共に、周囲に気付かれぬようにすれば…現れたのは、一人の男。
声を上げたのは少女だけ、それならば、少女が逃げていたのは、この男なのだろう。
とは言え、己も少女の認識出来ず、通り過ぎて行く訳なのだが。
さて、男が去った後、抱き締められたままの少女からの礼の言葉が掛けられる。
そのまま大人しくしているのは、下手に音を立て、男が戻って来るのを警戒しているのか。
…まぁ、己としては、好都合であろうか…抱き心地良いし。
「ふむ…ともあれ、気配はまだ近い、もう少し大人しくしておる事をお勧めするが?」
少女の耳元に唇を寄せ、ぽそり、と続けて小声で問う。
実のところ、男の気配は中庭の更に奥、なかなかに広いのだ、気付ける辺りには居ないのだが。
この状況となれば、ちょっとした考えが浮かんでしまう。
現状から考えて、少女は素直に言う事を聞くだろうか?
そうであれば、もう少し、この状況を楽しませて欲しいものだし、その後は…まぁ、その時だ。
■シトリー > 男の気配はそれなりに離れて、もう普通に話しても、声は届きそうにない。
なので少女の言葉に少し首を捻るものの、素直に頷いておくことにする。
「んっ……じゃあ、もうちょっとだけ様子を見ることにします。」
耳元に触れる吐息が擽ったい。
いつまた男が引き返してくるか分からない。
風の精霊に頼んで、男の行き先を追ってもらうことにして。
様子を探っている間は、少女の腕に中にすっぽりと納まったまま。
どんな術なのかは分からないけれど、腕から出れば術が解けてしまうかもしれない。
そう思えば、下手に動くこともできず。
ぽつぽつと小声でお喋りしながら、ゆっくりと夜は更けていき―――
ご案内:「王都マグメール 王城2【イベント開催中】」からシトリーさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城2【イベント開催中】」からタマモさんが去りました。