2024/06/14 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城 訓練場」にメイラ・ダンタリオさんが現れました。
メイラ・ダンタリオ >  
 王城訓練場 昼

 屋内 屋外 訓練の際の場所は天候に左右されるかもしれない。
 素振りや走り込みなど、様々なやりとりを一手にやるのであれば屋外が多いかもしれないものの
 戦闘的なやり取りによる稽古ならばそれは屋内 道場のような内部空間が好ましい。

 現在、メイラのみ もしくはそれを含めるメイラの背中に付く者らは同一で戦場に出向いていなかった。
 前回タナール砦で命をやりとりした結果から、鎧を弄らせてほしいと作り手本人に言われてしまっているせい。
 停滞と奪い合い 二つの戦場に急務というものは一切なく、不気味な状態が続いている。
 それのおかげといってもいいのか、メイラは鎧が新しく整うまでの間王都に留まっていた。

 それはつまり、メイラが顔を出す場所と回数が王都内で増えるという意味になる。


   ギャアッ
       タスケテェ

            オカアチャァーン


 悲鳴が聞こえる道場内。
 倒れる相手は数知れず。
 全員が木剣や類する槍を使う中、メイラも同じく。
 黒く塗り固めることで木の色味を消し、本当の武器に近い威圧感を出すそれで何人も叩き潰している。
 稽古着ではなく黒の一張羅とワインレッド色のネクタイ。
 普段の装いで行う姿勢は、何時でも。何処でも、と述べるかのよう。

 植え付けるのは恐れと威圧と力の差
 タナールやアスピダに赴いた際、目の前の暴力にさらされているほうがマシだったと
 そう思わせる為の精神訓練に過ぎない。

 目の前の力に対し、受け流しや回避防御の選択を光らせるのも当然ながら
 メイラ自身 その全身には痣や腫れなど傷がむしろタナールよりも増えている。
 顔 手首 腕 脱げば腹部や肩もありそうな怪我の具合。
 目の前で潰されている連中と変わらないのは、上の格や技量に満ちた剣士らに
 メイラもまたボコボコにされているからに他ならない。


   「次の戦場までに整えばいいですが、下手にやりすぎて“捨てがまり”をされても困りますわねぇ。」


 狂兵を造りたいわけではない。
 脚が震えず、歯が鳴らず、指が滑らない真っ当な剣士らが欲しいだけ。
 しかし腐れた騎士 王城所属のぬくぬくナイトよりは、柄を握る指の締まり具合は好いはずである。


   「わたくしも王都に居る間に、もっともっと研ぎ澄ませなければ
    ―――でないと、あの御方に顔向けできませんもの。」


 そう呟くメイラは、笑み 白いトラハサミのような歯列を開き、体のその痛みを喜んだ。
 まだまだ強くなれる隙間が存在するのだと。