2024/04/05 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城2 「図書館」【イベント開催中】」にカミュさんが現れました。
カミュ > 夕暮れの静かな図書館。
その中に響くのは羊皮紙がめくれ、僅かに擦れる音。
何処かの窓が開けられているのか流れる風が心地よく男の体を撫でると同時に悪戯に背中でまとめた髪先をさらさらと流しながら抜けていく。

ご案内:「王都マグメール 王城2 「図書館」【イベント開催中】」に枢樹雨さんが現れました。
カミュ > 王城の中の図書館。
蔵書は国内位置を誇り、背の高い書架が影を濃くしている。
入り口から進んで少し奥に入ったところにある窓際がお気に入りの男。
西日で本を傷めぬように差し込む影においた書物。
魔法で浮かべた淡い光の玉を使ってゆったりとした体制で本を読んでいる男がいる。

枢樹雨 > 街のあらゆる所から見上げられた、大きな大きな建造物。
それを見下ろす妖怪は、霊体の姿でふよふよと夕暮れの空に浮かんでいる。

あれは、何だろう―――。

そんな疑問を持ったのは、この国に流れ着いて数日経った頃。
人の子には見咎められない霊体であるのを良い事に、妖怪は荘厳たる建築物に近づき、
其処にあるいくつもの窓を覗き込む。

そうしてしばらく。解放された窓がひとつ目に留まる。
其れに近づいてみれば、窓枠の奥には並ぶ本棚と数多の書物。
先日見つけた平民地区の図書館よりも規模が大きいと感じれば、妖怪は前髪に隠れた双眸を僅かに見開き、
するりと窓から入り込んで実体を顕わにする。

人ならざる者の気配。感じる誰かはいるだろうか。
そんな懸念など抱くこともなく、妖怪は鬼角を隠す薄絹を揺らし、どの様な書物があるのかと右へ左へ視線を……。
ともすれば、別の窓の傍。真っ先に淡く光る何かを見つけて。

カミュ > 書物を読み端へと目が進み、やや厚手の皮の角を指の腹で軽く押し、僅かに出来上がった山に指を差し込みはらりと捲った拍子。
風に混じり込む僅かな陰気に気付き視線を上げ、初夏の間に視線を滑らせながら改めて気配を感じれば頁を捲ってから一息。

此方に向けられた視線と自身の視線が合えば、男は唇の端を上げ、小さな笑みを相手に向け、男の制御下にある淡い光を浮かべる燐光を相手の方へと滑らすように押し出していく。

「こんばんは、お客さまも書物に惹かれたのですか?」

穏やかな声で相手に語り掛けながら、押し出された燐光は相手に向かいふわふわと舞いながら近づいていく。
その燐光には攻撃の意志等一切ない。

そんな男の周りには様々な魔法や魔術の書とお堅い内容が多い。

枢樹雨 > 不法侵入。そんな概念もない妖怪は、先客の存在に驚くことはない。
けれど、此方へと近づく淡い光には好奇心がじわり湧き上がる。
遠い記憶にある、蛍に似たその光。けれどそれよりは大きな光。
持ち上げた、白い手。届く距離まで燐光が近づくのなら、指先でそっと触れる。

其処に温度は存在するのか。そもそも触れることは出来るのか。
害意への警戒よりも、好奇が勝る所作。

「―――そう。この国は、私の知らない事に溢れているから。」

視線は、燐光へと向けられるまま。
ワンテンポ遅れ、貴方の問いへと答えるのは、淡々と抑揚のない声。
そうしてゆったりと、光へと向いていた視線が貴方の方へと向かう。

「君、も?…君も、本が読みたくて、此処へ?」

カミュ > 燐光は相手の傍にたどり着き相手の手の届く範囲へ。
その蛍に似たそれはその指先と戯れるようにふわっとその指と遊ぶようによけ、触れられそうで触れられない様にとふわふわと漂いながら近づいた指にはほんのりとした熱を伝える。

「それには確かに。その目的に応えられる場所ですね。」

好奇心に惹かれ燐光を追う相手に穏やかな調子で言葉を向けながら小さく頷く男。

何処かたどたどしくも感じる相手からの問いに男はゆるりと頷きをもって答える。

「えぇ 今日はお休みでしたので。 魔法の本でも読んでみようかと。」

と、小さく笑うと、燐光は蝶の形をとり一対の羽をはたはたと揺らしながら相手を誘う様に男の方へと僅かに進む。
羽ばたく度に小さな光の粒が幾つも生まれ、程なくしてその粒は消えていく様は相手の目にどう映るか。

枢樹雨 > 触れ、そして捕まえられる距離。しかし燐光は、指先に触れた感触を与えてはくれない。
妖怪もまた性急な動きで光を求めることをしない故に、ゆるやかな鬼ごっこが繰り広げられる。
ただ、炎よりも随分と柔らかな熱が指先に感じられるなら、その指先を親指と擦り合わせ、確かめるように。

「―――ま、ほう?」

初めて音にする単語。先に貴方が感じた以上に、たどたどしさのあるそれ。
目の端で光が不意に形を変えるなら、再び視線は其方へと奪われる。
カラリ、下駄を鳴らし、誘う蝶を追いかけるのは幼子の様。
再び伸ばした手は蝶の残す光の粒を掴むのに、開いた手にそれは残らない。

ちょうど、貴方の正面。追いかける脚を止めた妖怪は、光の残らぬ己の掌を見下ろし、
握っては開き、握っては開きと繰り返し。

「溶けて、しまった。
 ――――君は、人ならざる存在?その光は、君の遣い?」

握った手のひらに残らぬ光。淡雪のようなそれは、けれど温かい。
不思議そうに首を傾げると、前髪の下の灰簾石が、じぃ…と貴方を見つめ。

カミュ > 燐光はひらり、ひらりと、舞い、その指にほんの少しの熱を伝え、緩やかな鬼ごっこを燐光も楽しんでいる様で、積極的に距離を置くことも無く、相手が指先をすり合わせ確かめていれば相手の目の前でふわふわ。

「えぇ、魔法や魔術、外の国や文化には名前を変えていても確かにあるものです。」

初めての単語をたどたどしく言葉にして紡ぐ相手に男は応え、球から庁へとその形を変え相手の目を奪い、ひらり、ハタハタと空気を舞い男の前へと相手を誘っていく。
光の粒は相手が握り込んだ手を開くまでの間に形を消し無へと帰る。
不思議そうに手を握っては閉じる相手の頭上で蝶は円を描く様に羽ばたき、夕方の冷たくなった空気にほんの少しの熱を与え相手を包み込む。

「そうですね。 只人ではないのは確かです。 私の遣い、私が生み出したもの。 学べばあなたにもできるかもしれませんよ」

じぃと下がった前髪越しに見詰められれば男は相手に向かい、小さく頷き、相手の手のひらの上へと蝶を下ろし、その羽を畳み休ませる。

枢樹雨 > 蝶が己の頭上で羽ばたくのなら、貴方を見つめる視界に光の粒が降り注ぐか。
儚いそれを再び捕まえることはなく、今は貴方の語る言葉に興味を移し。

「まほう…、まじゅつ…。 この子が君の魔法であるなら、私の国では陰陽の術だろうか。
 ――否。君が人の子でないのなら、それは形容されることもない、もって生まれた何かか。」

この子と、視線で示すのはもちろん貴方の蝶。
上を見上げる事で少し前髪が流れれば、妖怪の目許が少し覗くか。

春の夜の、温かくなりきらない空気。
それを温める光の粒に、ゆっくりと視線を落としていけば、ちょうど蝶が己の胸元へ。
握っていた手を開くなら、其処にそっと温もりが止まる。
人懐っこいその子。無論振り払うこともなく、貴方の傍へ一歩近づき。

「学ぶ?学び、得とくできるものなのかい? この、本を読めば?」

近づき、空いている左手が触れたのは、先ほどまで貴方が読んでいた書物。
魔法の本と言ってた。この手の蝶が魔法であるなら、そのすべてがこの書物に詰まっているのかと。

カミュ > 少女の頭の上で燐光から生んだ蝶を遊ばせながらこちらを眺めながらゆっくりと言葉を紡ぐ少女に耳を傾ける。
陰陽の術という言葉に小さく首を振る。

「ハイ、でもいいえ。 と答えましょう。持って生まれた物もありますが、それだけではない。」

上を見上げる少女、座る男よりほんの少し高いぐらいか、
そんな相手を僅かに見上げれば流れた前髪から見える目許。
人懐っこい蝶を掌に載せた相手が近づけど、男は逃げる事も払う事も無くただ穏やかに相手を柔らかく見つめる。

「言葉も、文化も、技も、学ばなければ得る事は出来ません。 ふふ。えぇ、ですがその一冊も一つですが、それだけでは何もできません。 学び重ねた物がなければ、それはいつかそこにたどり着くまでは只の文字、その文字が分からなければ形の羅列に過ぎません。」

男は諭すようにゆっくりと言葉を紡ぎ、相手が触れた書物を相手が読みやすい様に向けて見せる。
その中身は昔の人たちが使っていた所謂古書の類。
長く生きた相手なら読めるかもしれないが、そこだけ抜き出して読んだところでも繋がりも無ければ只の意味の無い言葉となってしまう…。