2023/11/15 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城2【イベント開催中】」にメイラ・ダンタリオさんが現れました。
メイラ・ダンタリオ >  
 午後の王城の廊下
 冷え込む空気は雑に混ざり合う二色のようにすぐに色を変える
 雲が陰れば冷たくなり、去ればまた暖かく感じてしまうような不安定な気候
 歩く足音は二種 重みのある弛んだ足取りと、踵を落とす音が静かに消えていくそれ。

 歩くのは巨漢 肥えた体が丸々とした 贅肉と呼ぶにふさわしい中年
 片や背が一回り小さくなる 全身を黒一色で固めた黒毛のファーコートを肩から羽織らせた姿
 大小二刀を腰に下げ、左手はその柄に指を這わせるように纏わせている。

 肥え豚貴族と称するメイラの蔑む呼び方に反し、二人はまるで長年の付き合いの様に会話を広げる
 メイラの貌には嫌悪はなく、長年の親しみからくるそれがある。


   「あの中で何をやっているのか、賊という不純物が消えていく結果、彼奴が何をするのか
    結界も城塞も計算尽くで何もさせないのだから、ほんっとうに忌々しいですわ。」


 半魔という体はどこまでも戦仕立て
 入り込めなければ次へ進めない 賊も逃げ出し、傭兵や縁、裏切りの徒を殺すばかりになってくる
 キロリと赤い瞳は戦場ではなく国勘定が得意そうな隣の脂ぎった肌を眺め。


   「結界も城塞も国勘定や戦働きではまるで使えない上に“エイコーン”。
    王城の魔導機械技師で欲しい子がいると何度も言っているでしょう?
    本気でブチ貫きますわよ?」


 王城でとある一人をメイラは欲しがっている
 しかし王城関係である以上、メイラが強引にやりすぎてはいけないと止めに掛かっている一人が
 目の前の国運営で役に立ち、王の為になっていると認識している“デブ”である。
 隣のデブは顔を険しくさせ、ぷるんっと丸い頬を弾ませ歩き、答えを出さない。

  
     
 
  

メイラ・ダンタリオ >  
 王の為 城の為 “城の中にある者は全て王の物”
 それを思考してしまえばメイラは止まる。
 向こうに誘い掛け応じればよし 見つからなければそれもまた
 全ては王の手の内側に手を伸ばしているだけでしかないと
 居なくなった今でも、そう本気でメイラは思っている
 その狂気が、隣の友人の言葉と上手く嚙み合っておりメイラは抑え込まれていた。


   「―――フン。
    “全裸王女”との切っ掛けで、わたくしの力が増えそうだったというのに。」


 未だ城内に鼻をくすぐる色香が残るような変態王族の一人
 妙な縁で始まった戦場の変化も、もはや昔の出来事だ。
 メイラはくるくると、髪型で決まって下げている片側の三つ編みお下げを黒鉄で包まれた
 その指先で弄ぶように絡めつつ、短い時間の王都での時間
 目の前の友人と、今一度協力する姿勢を見せた。

 全ては、あの御方の為に。


   「時に“デブ” じゃなかった〇〇。
    最近肥えすぎですわよ ウ゛ッて倒れ死にしなくなければ少しは摂生しなさい。」


 余は草など喰わぬ を体現する肉オンリー生活のメイラにして、その肉体維持
 目の前の無駄腹肉をだゆんっと軽く作った拳で押し揺らし。 


   「お前のようなものが居なければ、わたくしは安心して皆殺しにできませんもの。」


 赤い瞳 白絹のような肌 トラバサミのように鋭利な均等なギザ歯列。
 見せる笑みは親しみと執着 そして強制力を見せているようで
 心配と利用価値を傾かせるなと言いたげで。

ご案内:「王都マグメール 王城2【イベント開催中】」からメイラ・ダンタリオさんが去りました。