2023/10/11 のログ
ご案内:「王城内回廊」にマーシュさんが現れました。
マーシュ > 王城、外廷部をつなぐ回廊を一人歩む。
やや伏し目がちに、自身の気配を抑えるような静かな歩み。
己の所属する礼拝堂に向かう経路の一つだからか、普段からあまり人が多いということはない。

遅くもなく、早くもない歩みは一定の速度を保ったまま進んでゆく。
風の通る回廊は、この時節だと少し肌寒くなってくる頃合いだが、整えられた庭園の様子が、目に入る。

己たちが世話をする庭とはまた違った則のもと、美しく整えられた姿を視界の端に。
夏とは違う梢の色合いが、季節の移ろいを伝えていた。

マーシュ > 「─────……」

もう幾許も過ぎれば、万聖、万霊節の祭祀か、と無言のままに思考を巡らせる。
それにかかわる書類作業や、準備などに思いを馳せつつ。

─────今年の花はなにを誂えようか、と祈りとも日々の暮らしに根付いた習慣とも、どちらともいえる思考の揺らぎ。

女にとってはどちらも身近で根差したものではあるから特に矛盾はしないことだから。

マーシュ > さら、と秋を孕んだ風が通り抜けるのに、装束がかすかに揺れる。
束の間足を止めて、伏し目がちだった視線を流し。

移ろい、巡る季節に対して。
淡い感慨を抱いた眦が柔らかく細められる。

すい、と視線を戻すと再び歩き出して。その静かな足取りは、惑うこともなく己の居所へと向かうことだろう。
黙想の時間はその装束をほどいてもなお続くのだから。

ご案内:「王城内回廊」からマーシュさんが去りました。