2025/03/15 のログ
:: [一覧へ] :: :: ::

ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」にバーバ・ヤーガさんが現れました。
バーバ・ヤーガ >  
 夜の王城
 城の中で行われる夜会も過ぎた時間。
 眠りにつく者 好き勝手に手にした女を手籠めにする者
 眠れぬ夜を過ごす王族が酒浸りになっている程度、だろうか。

 明かりは無く月明かりと燭台のみが光源だろう王城内の通路と部屋。
 其処を出歩いているのは、暗いこの空間 髪も衣も黒
 口に咥えた捩じれ気味の紙巻から甘ったるいバニラ香の紫煙を漂わせる姿。
 咥え煙草 両切りの捩じれ気味な紙巻 咥え煙草のまま煙を静かに吐き出す姿と赤い一点。

 ババ・ヤガ(賢人山姥)の行動は単純
 長生き故の人脈の広さと、頼られがちな事柄から始まった、この一時だけの現役復帰も同然の所業だった。
 周囲は六角をこめかみに打ち込まれた骸や、両目と唇の境目を鼻軟骨ごと切断された半頭生物がぶっ倒れている。
 王城内で射止める行動をしようとする者は、射止める事ができる者にまた見つめられていることも真理。

 護衛騎士が一々キンキン攻撃を弾いて撃退するよりも、餅は餅屋と言わんばかりに
 裏方は裏方が始末するほうがよほど道理だろう。
 今ですら、手に携えている爪型のカランビットナイフ一本のみを操り、薄く鋭い金属音の攻防
 それがずっと続いている。
 やらせない 逃がさない 行かせない。
 

   「―――(ふぅっ)


 煙草の先端が、縦横無尽に燃える火種の色を伸ばして弧を描く。
 弧が止まる。

 一息、無言で白煙の甘い香りが細く吐かれながら、ヤーガは見えない者も見えている者も
 その蛇眼で見つめながら咥え煙草のままナイフで一人一人、地道に刻んでいこうか(殺していこうか)。