2024/10/11 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城」にヴァーゲストさんが現れました。
ヴァーゲスト > ――王城、パーティー会場のひとつ。

今夜は酷く面倒な仕事を請け負ってしまった。
端的に言えばパーティー会場の警護である。
詳しく言うと不審者の排除と制圧。
更に言うなら王立コクマー・ラジエル学院から招かれている生徒達や冒険者ギルドでも若手冒険者に唾をつける貴族のフォロー。

今夜は貴族のお歴々が普段から目をつけている男女問わずの若手を招いての適当な理由をつけた立食パーティーらしい。
青田買いというよりも品評会という方がたぶん正しい。
あの娘はどうだの、この少年はどうだの、下衆が若者たちを見ながら、或いは談話を仕掛けながら、何とも浅ましいことをしている、ご苦労なことだ。

「どーやって真面目に仕事をすりゃいいんだ……。」

パーティー会場の隅にある柱に寄りかかり、ワイングラスをくるくるっと揺らしながら隻眼で会場を時折睨みつける、だけ、それ以外やりようがないのだ。

言葉巧みでもなければ、陽気なピエロでもない。
会話のフォローなんて出来やしないし、かといって前途有望な若者たちを食い物にするお歴々をぶん殴れるほど若くない、――…もう仕事が終わるまで、滅多に口にできぬ高級ワインって奴を舐めながら、状況を眺めるしかできない。

ヴァーゲスト > 関わりない人間を助かるつもりはない。
助けを乞われたところで助ける予定もない。
あくまでも金をもらって仕事をしている傭兵A。
――…それが、まあ、仕事だから…なぁ。

いやぁ?今夜の仕事に思うところがない、わけもない。
ただ金受け取ってるからなぁ、いい子紹介してやるともいわれてるからなぁ?

「……適当に酒飲んで誤魔化すか。」

己か、他者か、背中を預けていた柱から背を放し、絢爛豪華な料理が並ぶテーブルの一つに歩み寄ると、瓶ごと高そうなワインをひょいと手繰り、誰かが飲む前に直接瓶に口をつけてぐいっと呷る。

視線は、まあ、痛い。
マナー違反ってのは重々承知だが、まじめに仕事をしてやるんだから見逃して欲しい。

でないとやってらんねぇって話だ。

出番はないほうがいい。
だが残念なことに出番のようだ。
どうやら貴族に目をつけられた冒険者のパートナーらしき者と、警備している傭兵がケンカを始めたようで、男は酒瓶を片手に騒ぎのほうへと歩いていく。

ご案内:「王都マグメール 王城」からヴァーゲストさんが去りました。