2023/12/07 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」にプシュケさんが現れました。
プシュケ > 王国に事件があり、問題があっても行われるものというものは存在する。
治安上どうしても必要だったり、権勢を見せびらかすために絶対に開かれたりといろいろな理由はあるのだが、このサロンで開かれるものについては少し理由が違っていた。

開かれた理由は、数か月に1回のそのサロンが待ち望まれているから。
特に、好事家の貴族や美術品、工芸品などを商う商人たちなどから。

それがゆえに、王都が戦場にでもなっていない限りは開かれる。
もしかすると、王都が戦場になっていても街を変えて行われているかもしれない。

そんなサロンの一番奥。豪奢なソファーに腰掛けているのは年のころまだ12~3歳程度の少女。
このサロンに来る者は、この少女の一言が、サイン一つが運命を左右するのだ。

「……これは、贋作ですわね。とはいえ、大分出来は良い贋作。
本作であれば1000万ゴルドはくだらない大発見だったでしょうが……
出来が良くても贋作ですし、私が買うとしたら50万ゴルドと言った所かしら。」

一枚の絵画をしばし観察してから口にした言葉。
その言葉に持ってきた商人の肩が落ちる。恐らくはもっと高い値段を払ったのだろう。
贋作でも良い値はつくと言ったものの、それ以上の値段で買っていては意味がない。

しかし、少女にとってそれはどうでもよいこと。
サロンに集まる他の貴族たちが少女の言葉に興味を示した美術品であるなら、この場で買ってもらえるかもしれない。
そんな、サロンだった。

このサロンでは、美術品、工芸品、楽器、音楽家、はては武器や愛玩奴隷まで持ち込まれるときは持ち込まれる。

少女はそれらをただ見つめるだけ。
もし、もしもこの王族の少女が買うと言ったら……それは大きな騒ぎになるだろう。

そして、次の品物が持ち込まれる。

プシュケ > 一般的で、大がかりだったり、小さくとも多数の宝石をあしらわれた装飾品だったり。そういう取り回しやすく価値が付き安い品物が持ち込まれては鑑定されて、商談に次の間に向かうものがいたりと続いていけば、このサロンを『商談』として強く見ている者たちはいつしかいなくなっていく。

つまり、今ここに残っているのはこのサロンでこれから何が起こるのかを知っている人たちばかり。

そこで引き入れられたものは、露悪的な男性器を模した形の魔道具という説明。
差し出された少女は、特にためらうこともなくそれを手に取る。

特に頬を赤らめることもなく、まじまじと観察しては、時折スイッチを入れて機能を確認したりして。

しばしそうしてから持ってきたものにそれを返せば

「平凡ですね。取り立ててみるべきものはありません。
街中のこう言う道具屋で買ったとしてもなにもかわらないでしょう。
もし、それに唯一の価値があるとするならば、恐らくはこの道具を装着できる自動人形が発見されたときかと。」

見て確認しただけで自動人形のパーツの一つと看破した少女。
普通に道具として売りに出そうとしていたらしい持ち主は、また家の蔵を詳しく調べることにしたらしい。

そう、表のサロンはいつしか終わり、裏の用途の淫靡なアイテムたちが持ち込まれる裏サロンが始まったのだ。

プシュケ > そうこうしていれば、裏サロンも最後の一品。
持ち込まれたのは薄汚れてボサボサの髪の毛、服も破けて肌のあちこちが煤けている一人の少女。

誰も欲しがるはずもなく、持ってきた商人も劣悪な労働である鉱山にでも入れるか、などと口にしていれば

「……鉱山にいれるなら、10万ゴルドで譲っていただける?」

少女が初めて口を開く。
元々提示していた価格からすると値段は半分程度だが、鉱山で使いつぶすくらいなら儲かる値段。

承認がそれで手を打てば、ほどなくサロンは散会された。

なお、数日後、プシュケの近習として見目麗しい少女の従者が一人増えたというのは、また別のお話。

ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」からプシュケさんが去りました。