2023/11/14 のログ
メイラ・ダンタリオ >  
 午後の王城
 長くいる戦場とは違い今や短い時間を過ごすだけとなっている城の中
 最近、見慣れぬ侍女や見回りが増えたと聞く傍ら、不審者めいた者もいる。
 王族らの共食いの中ではそういった者らは鼻につきやすい
 異国がどうではない どこの誰なのかを知らなければ斬りつける横暴さがあっても不思議じゃなかった。

 メイラからしてみれば、あの王以外がどう死のうが知ったことではないものの
 この城に土足で上がりこんだ糞というだけでも抜く理由になるだろうか。
 最も、城の中の誰彼に興味を抱くことは薄い性格上、気づけばの話だろう。


   「逆に引き込みたくなりませんか 人材は幾らあっても困りませんわよ、我が王。」


 逆にその度胸と仕事振り 好い人材を見ると手に入れたくなるメイラは、肖像画の一つを見上げてそう声を掛ける
 見上げる表情は笑み 憤りなど少しも無く、友人や優秀な人材を消されなければどうでもよさげ。
 語り掛ける唇からはうっすらと白い吐息 ギザ歯の白よりもやや薄い色
 此処は石壁で囲まれただけの人も薄い世界 暖炉の部屋とは違い、冷気がこの中まで入り込んでいるようだ。


   「それにしても冷えます事 昨年の山脈を思い出す ―――忌々しい。」


 其処でやっと、表情が少しばかり歪んだ。
  
  

ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」からメイラ・ダンタリオさんが去りました。