2023/09/17 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」にサファイアさんが現れました。
サファイア >  
「───ですから、非人道が過ぎると言っているんです」

王城…貴賓室の一つに少女の声が響き渡る
声の主は、マグメールの王女が一人、サファイア姫
やれ敵わぬと我先に王国貴族が部屋から退室してゆくのを、椅子から立ち上がり追いかけるようにして廊下まで、王女がその姿を現す

「ああもう、まったく…お話にもならないなんて」

深い溜息と共に胸中に蟠る色々な感情を吐き出し、心を落ち着ける───

「いくらアスピダの問題があるとはいえ…知らぬ存ぜぬで通ると思っているなんて」

──現在王城の地下で秘密裏に行われている魔導機械の開発…
その噂の真相を正義観から問い正したところ、誰もがその場を後にしてしまった

一介の王女、継承権の争いに手を挙げる程度の立場でしかない姫には、それをどうこうとする力はない
しかし自らが住む城の地下で、目を疑うような光景が繰り広げられているのを黙っていられる性格でもなかったのである

サファイア >  
王城の地下に関してはそもそも以前に悪い噂はいくらも聞く場所である
実際に踏み込んだことこそ流石にないが、火のないところに煙は立たない
この国のこれからを憂うからこそ、そういった部分は是正していかねばならない、という気持ちは強くあれど

それを現実的にどうにかする力や権限は、今の段階では持ち合わせていない
さりとて、自身の目に見える範囲、今もてる力が及ぶ範囲だけでも、と……
清廉潔白で在るべきを地で行く王女はある意味で扱いづらい、よからぬことを企む王国貴族の間ではやや厄介な存在だった

「とにかく、信用のおけそうな騎士様や大臣の方にお伺いを立てなければ…黙ってなんていられるものですか」

真偽はともかく噂が広まれば良いことはない
ただでさえまことしやかに囁かれる悪い噂は王城の中にいくらもあるのだから

ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」にアティルさんが現れました。
アティル > 『サファイア様。謁見希望のフィラスメンタ家当主、アティル様が見えられていますが』

その貴賓室にいる少女へ扉の向こう側より衛兵から声が掛けられた。
勤勉な王女であれば以前は清流派だったが、今は腐敗した貴族の人間と言う事で有名となってしまった貴族の当主。
特定の王族とはそれほど関わり合いを持たず、貴族の中でも浮いている様な存在の家。

これが一番流行している今のフィラスメンタ家の評判といった所。
汚れた場所に身を置いているならば、穢れた場所についての知識もあろうかという存在。
用向きは彼女との謁見。それ以上でもそれ以下でもない。
衛兵の後ろに佇む男は、謁見室から出て来た他の貴族から話を聞いてここに足を運んでいた。

受けるか受けないか、それを決めるのは王族である少女の判断一つ。

サファイア >  
ため息混じりに椅子にかけると、衛兵からかかる言葉…

「フィラスメンタ家の…?」

やや、怪訝な表情を浮かべるサファイア
かの家の話は詳しい程ではないなりに伝え聞いてはいる…
…正直、あまり良い話とは言えない、そんな家柄だったと記憶していた

「どうぞ!お話はちゃんとお聞きしましょう」

身だしなみを正し、来客を待つ
王家の継承権を奪い、為政者となる
本気でそれを将来の目標に掲げる王女
この国の悪い部分に目を背けるようでは、是正することなどとても叶わない
故にどのような者の、どのような用向き、であろうと最低限お話を聞く、というのが王女のスタンスであった

アティル > 『余分な物を持ち込んでいないか確認済みです。失礼いたします。』

衛兵は少なくとも職務を忠実にこなして礼儀正しく貴族を中に通す。
武器の類は一切預けてあり、最低限の短剣ももっていない。
ステッキこそあるが、こんなもの振るっても自分が立場的に不利になるだけ。
恭しく一例を王女に向けてから室内に足を踏み入れた貴族。膝をつくようにしての礼は王族への礼節をわきまえているとも言えた。

「お初にお目にかかります、サファイア姫。
名乗りは――先程衛兵がしてもらったので省略を。
先程謁見室でされていたお話について、小耳に挟みまして。
差し出がましいようですが意見の1つをお聞きいただければと愚考しております。」

その後立ち上がると、向かい側に位置する許可を求めていた。
少女を値踏みするような視線を表向きは見せていない。
ただし、その目は忠節だけではなく、打算的な輝きを孕んでいる――野心家の側面も垣間見えるような容貌。

「――あくまで小耳に挟んだだけ。今一度サファイア様のお悩みを聞かせていただき、私の愚考が一助となれば幸いにございます。」

サファイア >  
礼節を弁えた立ち振舞
聞いていた話、フィラスメンタ家に纏わる悪い話とはかけ離れている、ようにも見えるその姿に少々の驚きを
けれど、悪辣な者ほどそういったポーズに長けている…ということも聡明な王女は知っていた
故に心に盾を、一つの壁を作っておく
言葉そのものだけに、信を置かないようにと

「こちらこそ、伯爵。
 お話、と言うと…──この城の地下で行われていること、についてで宜しいですね?」

その名の通り、宝石のような色合いの瞳をやや細め、言葉を返す
どうぞと席につくことを促し…来客の容貌をじっとその瞳に映す
……立ち振舞も、表情もおかしなところはないけれど、何か感じるものはありつつ

「それでも構いません。
 民の誇りとしてあるべき王城で、目を背けるようなことが行われているという噂。
 その真偽を問い正すべく幾人かに話を聞いたのですが、みな口を閉ざしてしまう始末」

これでは余計にあらぬ疑いを持たれるだけ、為政者達の信用に関わる話だと、憂いの表情を見せる王女
何か一つ、楔となるようなものがあれば…

「伯爵の意見とやら、是非お聞きしたいと思います」

彼に信頼を置けるかどうかは今はともかく、知り得る情報、意見の多様さは必要だろうと

アティル > 「えぇ、正しく。城の地下で行われている事について、ですね。
失礼いたします。」

足音を立てず、ステッキは椅子のひじ掛けへ音もせず立てかける。
椅子を引き、座るとその容姿を目に収め微笑を浮かべた。
現所怪しい動きを見せる様子はないが、代わりに内ポケットの部分から1枚の紙片を取り出す。
魔力も何もない、本当にただのメモと走り書き。貴族の家名とつながりのある豪商や施設。そして夜会等に至る横の情報網。

「最初から聞くならばあのように多数の者に聞いてはいけません。現に私の様な者の耳にまで届いております。正義感と言うのは美徳であり、同時に利を求める腐敗した貴族からすれば――。」

邪魔になる、とまでは口を閉ざす。瞳が少しだけ引き絞られた。
ただ、危害を加えようと言う意思ではなく警告を促す様なモノ。
消されてきた――『居なかった事にされた』王族の数も決してゼロではないのだから。

「それは【在る】と言う認識だけにとどめておく方がよろしいでしょう。
そして不特定多数に話を広げれば、それは貴女の孤立を招く。
まずは腐敗している貴族を取り込んでいく事。今の波風が表向き立たない事に満足した貴族や王族では、サファイア姫のお話を耳にしても、破滅してでも貴女に力を貸そうとする人々にまで禍が及びます。」

言葉を区切った上で、その紙片を代償に。契約書代わりの様にテーブルの上から、少し王女の傍に押し出す。
紙片は綺麗な上に黒い文字が記されているので読みやすい……筈。

「幾人、では足りません。十人でも足りません。
まずはサファイア様の声を直接響かせ、心酔させる事。
貴女の齎す革命に夢を共にもてる者を探す事。
貴女の齎す革命に利益を取れる貴族や王族を探す事。
最初から危ない橋を渡れ、と言われては尻込みしてしまうと思いませんか?」

サファイア >  
王女はアティル伯爵の言葉を、唇を結び真摯な態度で耳に入れる
その口から出る言葉は、サファイアが聞いても最もととれる内容であり、
目の前の男が現状の王国の状況をしっかりと、現実的に受け止め分析できていることが理解る…

やがてすべての言葉を聞き終えれば、王女はゆっくりと口を開く
鈴の音色のような声は凛とした、清廉な言葉を紡ぎ出す

「敵を作らぬように根回すこと、味方をより集めること。
 伯爵の言葉は理に適う…けれど」

一度、その大きな眼を閉じる
ゆっくりと、再び蒼玉の光を覗かせると、その光はより強く

「いずれ、未来に。
 それも重要ですが、今、この時に犠牲を強いられている者がいるかもしれない。
 人も力も足りぬといえど、今は慌てず未来を見据えると言って見殺しには私はできません。
 …それも、本当にそういったことが行われているのなら、ですが」

……問いただした者の態度を見れば、明らかにも思える
差し出された紙片に目を落とせば、そこに記されているのは見知った名も含む情報の羅列…

「美徳を投げ捨てて為政者になろうとは私は思いません。危険な橋とて渡りましょう。
 それで橋を落とされるのであれば…私は王位を継承する器ではなかったということ。
 …まだ若輩である私がこのようなことを言うのはやや気後れもしますが、この国を是正するにはそれほどの者でなければ」

「──この紙片に記されている方々は?」

アティル > 「今この時期に犠牲を強いられている。それはサファイア姫を信じている民や臣下も同じ。
先程の様な話が広まり、尚も強硬手段を取り続けては。
王女の周りから外堀が埋められてしまう事になります。」

宝玉の原石だ。腐敗した王族であろうと稀にこういった高潔な存在も生まれてくる。
育ちも良く、清流派を纏め革命を齎せるかもしれない。が、今はまだ味方も少ない。
利を売りつけるなら今でもあるが、サファイア姫自身も穢す事に興奮を覚える美貌の持ち主だ。
その興奮は抑えながら鈴の様に清らかな声が向けられる。

「私と同じ。揺れ動き、今の環境を良しとも悪しとも思わない面々。
信を置きにくいかもしれませんが、利益を得られるならサファイア姫に付く事も決して夢物語ではないでしょう。
その彼らが参加する夜会。あまり圧迫しなければ幾らかの情報は得られるでしょうね。
――危険な橋を渡る時、今のサファイア姫に出来る事は多くない。
手足を増やし、今いる貴女に尽くす忠臣を大切に。
その上で危険な橋の1つ、夜会への参加で仲間を増やすと言うなら。
一時の屈辱を呑み込めるなら参加の手配や面会が出来る面々です。」

誘い水。夜会等どうせろくでもない事が行われる場所。
参加する事で得られる情報や人脈はあるだろうが、決して綺麗ではない道筋。
この情報を元に姫が兵力を集めて動くようなら自分は逃げるだけだし、潜伏を決め込んで夜会の爛れた場所に参加するなら恩を売りつける計算と打算があった。

「夜会に兵を連れ込む様な人はおりません。
ただ、仮面を被って参加する貴族も多い。サファイア姫が参加される際に、顔を隠すマスクを着用しても誰も怪しまないでしょう。」

サファイア >  
「清廉だけでは…、清濁を呑み込む度量も必要、と?」

目を細める
それは理想と現実の狭間

夜会への誘い
顔を隠し参加することで横の繋がりを増やすこと
繋がりとは、力へと変わるもの
いずれ為政者となるためには必要なもの
それが力
──それは、頭では理解をしていること

清廉さだけ
愚直さだけでは為せぬことも多い──

「………」

しばし、口元に手をあて思案をする仕草、やがて、視線を真っ直ぐにアティルへと向けて

「──私はまだ若輩の身。伯爵の助言、身につまされると共に心に刻みましょう」

「…ですが」

「先程伯爵も仰った、犠牲という話…。
 私を信ずる民、臣下…彼らは今この時にいわれなき犠牲を受けているかもしれぬミレー達とは立場が違います。
 変革には犠牲が伴う者、その覚悟なしに理想は語れぬでしょう」

強硬な姿勢にも見える、是正を求めてゆく王女
口にする覚悟とは、王女本人にも及ぶ可能性のある犠牲を含む言葉
それすら乗り越えられぬようでは、王位の継承権になど触れることもできないだろう、と

「ご忠告はありがたく。夜会については──少々、考える時間を」

アティル > 「清濁併せ呑み込む度量を見せれば後に続く者も増えましょう。
今、この瞬間で行われている事へ心を痛めるサファイア姫は清廉さを見せている。人柄については知れ渡っています。
ならばあとはその器の深さにて人を集め、今王城で行われている事を洗い流す。その水は例え汚泥を含んだものであれ、洗い流す事で掬われる者がいる事を刻んでいただければ幸いに御座います。
流す水の量が少なければ、汚れに届くまでに水は尽きて無為となるのですから。」

思案をする仕草。黙考している間も伯爵を継いだ男は背筋を伸ばし目前の姫が紡ぐ言葉を待つ。
自分だけの言葉ではなく、相手の意思が動く事が肝要なのだから。
暫しの時を置いて真っ直ぐに向けられてくる瞳。
そこに曇りも陰りも無い。犠牲者となる王族や貴族に共通した、芯のある人間特有の穢れなき、野心とは異なる浄化の炎を感じさせる瞳の輝き。

その返答を聞いてから、首を縦に振る。
どの道ここで即答を求める訳ではなく、自分にとって利を齎す存在がすぐに潰えてしまう事を防ぎたい側面はある。
決断をするのは何時でも当人だけなのだ。だが、今の状況では少なくともその場所に辿り着く前に散ってしまう運命に見える。
投資は出来ない――。

「えぇ。此方へ連絡を取りたいときの為に使用人を一人抱き込んでおります。その者へ連絡を頂ければ。
夜会についてはすぐにご返答をしない方がむしろ明断。
今日の出来事は一旦広まりますが、その後鎮静化するまで時間は必要でしょう。」

サファイア >  
話に一区切りが出来、卓に置かれたティーカップを口に運ぶ
教養ある美しい所作で喉を潤し、一息をつくと…先程までは少し、違う…より強い輝きを秘めた視線を向ける

「愚直な私への痛み要る忠告でした。まずは感謝を、アティル伯爵様」

「───しかし残念ですね。
 元々は清純でありながら、穢れを許したばかりに汚泥を含んだ水となったまま、王国に在る者も多いのでしょう」

自身に忠告を向けた、男の家柄
フィラスメンタ家に纏わる評価を多少なり知る…これは王女の、単なる興味…
忠告の内容を考えれば考える程に伺い知りたくなる、そこに利が絡むのであればこその言葉なのか、それとも…
そう…清濁を呑み込んだまま、汚濁の道を辿る可能性の一つを目の前にしているのだから

「伯爵様は…」

「泥を洗い流すこと、それそのものは是としているのですか?」

先前の話とは切り離された題目
収賄、裏の取引、利権の融通…汚れた王族は己の利なしに自ら動くことは少ないだろう
であれば、単なる忠告や誘いだけとは思えぬ、裏があるのでは、と
それを見定めるためにも、問いかける。男が仮面を被っているのか、それとも本心から出ている言葉なのか…
王城の話ではなく、サファイアという王女を訪ね、忠告の言葉と誘いを授けた男へと

アティル > 「感謝など。貴族として王族の方への諫言もまた1つの在り様。
――穢れ無しの清い川にしか住めない魚は多くない。
――穢れは時に栄養となり川の中に多様性を生み、生息する生き物も増えていく。
穢れを放置してしまえば何れは命の無い泥の沼になりましょう。」

自分の家柄を指さす様な言葉。事実、元は清流派だが穢れを受け入れその蜜から逃れられずにいた結果が今。
その言葉に頷いて返答を返しつつ、自らもまた同じである、とは言わずともその言葉が、視線が姫の年齢を考えれば聡明に、雄弁に語っていた。

「洗い流す事は是。このまま腐敗が進み、犠牲を犠牲と思わなくなる存在だけが王族の全てを占めてしまえば禍は我々にも向きます。
何れ貴族の家1つ程度は人知れず召し上げられても誰も何も思わなくなる。
その1つの家に自分の家が入るだろう事は想像が出来ますから。
――後は家に溜め込まれた穢れも吐き出す時期としては頃合いでしょう。痛みを伴うとしても、ね。」

王族の方が貴族よりも立場が強い。王族がそうしろ、という命令を下せば貴族は賄賂やあらゆる手段を使って禍を逃れようとする。
それが自分の家に向く事を理解しているのだ。問いかけには本心9割。1割の欺瞞はある。
その1割はサファイア王女個人への興味と言う欲望。それを悟られない様に、言葉と瞳でどこまで貫き通せたかというところ。
出した言葉に嘘は無い。――無いのだ。実際に家に溜め込まれた穢れはそろそろ吐き出しておいていい。
その穢れに自分がからめとられるのは、自分が自由に動けない事に不便を感じる事もあるのだから。

サファイア >  
「光だけ、正だけが存在する世界など在りえぬことは承知しています。
 伯爵様の言葉通り、バランスが大事だということも。穢れもまた、有り様の問題なのでしょう」

アティルの言葉に頷き、続く返答を待つ
…その返答は意外思える言葉と、やはりと思える言葉の混ざりもの

「‥少々驚きました。ですが、納得のいく返答でもあります」

保身を口にする言葉に嘘が混じることは、少ない
彼の言う通り彼の家もまた穢れが蔓延すれば犠牲となる立場…
であれば、家に溜め込まれた汚れを吐き出そうという言葉もまた、生きるための保身
信じるに値する言葉であると、王女は確信をもったのだろう
深く頷き、向き直って

「フィラスメンタ家に関する噂は色々聞いていますから、伯爵様の考えを聞くことが出来て良かった…。
 伯爵様がお家の是正を求めるのであれば、私も力を貸しますよ。
 今はまだ。王位の継承権も手にしていない小娘に過ぎませんが、いずれ、必ずそれを手にして見せます故」

己の将来を疑わない強い言葉
理想を己で信じることも出来ない者に理想を掴むことは出来ないという、強き在り方

──才気溢れる王女なれど、目の前の男の言葉に巧妙に隠された欲望にまで届く慧眼は、流石に持ち得ず

アティル > この場は下がる方が得た印象を下手に下げるよりも得策。
礼儀作法と共に儀礼を伴った例と、椅子を引きステッキを手に取った。
音も無く立ち上がり、椅子を戻しながらも恭しい一礼。

才気煥発、という言葉が相応しく。けれどまだ若い身空だけに付け入る隙もまた存在する。
その素質が花開けば王族の穢れなど一度適切に洗い流せる事だろう。
今はまだ、危うい橋。けれど渡り切れば見返りもまた莫大。
渡り切れなくとも自分に見返りがある様にしておくのもまた大事。

「遠慮なく。穢れに漬かった身分では穢れを洗い落とす力は非力なので。
今宵、お話に耳を傾けて頂けたことに深く感謝を。
私に出来る事が出来ましたらご連絡を――」

そしてその場を後にしていく。
衛兵が扉を閉める頃、お互いがどのような表情を浮かべていたのか。
希望と欲望。理想と利益。どちらに天秤が傾くか、いずれ知れる話――。

ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」からアティルさんが去りました。
サファイア >  
部屋を後にする伯爵
その背を見送ると、王女は椅子に背を預け、側に寄る衛兵に視線送って

「ほら、ね? 噂なんてそんなもの、上辺からだけでは人が何を思っているかなんてわからないわ。
 ──勿論全てが本心からだった、なんて思わないけれど…」

腐敗した王国貴族の中にも、闇から逃れられず光を求めるものはまだまだいる…のかもしれない

「…さて、忠告もされてしまったしもう少し目立たないよう、地下で行われてることを探っていきましょうか。
 噂の通りなのか、そうではないのか…より、酷いのか。わからないけど」

椅子から立ち上がり、ドレスの裾を払う
きらきらと、窓から差し込む陽光に輝く髪を靡かせながら、王女もまた貴賓室を後にする

この陽光のように…願わくば、闇で足掻く者達を導けるほどに鮮烈な光となれたら
新たに生まれた、そんな理想を胸に抱きながら

ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」からサファイアさんが去りました。