2023/08/24 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】地下」にセレンルーナさんが現れました。
セレンルーナ > そこへと通じる通路を見つけたのは、本当に偶然だった。
スターチェンバーの活動自体、王城内の隠し通路を使って街に出たり詰所に入ったりを行っており、たまたま曲がる筋を一つ間違えたのを切っ掛けに強く濃い魔力の反応を感じて、進んでいけば、行き着いたのは使われなくなって久しいと思われる階段を見つけたのだ。
そこからは、酔いそうなほどに強い魔力のゆらぎが感じられて所々、崩れそうな階段を地下へと降りていった。

「……これは…。」

そして、たどり着いた最奥にそれはあった。
地下に安置されている、見たこともないほどに巨大な魔術鉱石の数々にグリーンブルーの瞳を驚きに見開いていく。
強大な魔力の流れは、最早空気のゆらぎさえ作り出して、セレンルーナの長いプラチナブロンドの髪を揺らすほど。

「――っ」

無意識に魔力の流れを見てしまう瞳に、強すぎる光に灼かれるかのように痛みが走るほど…。
ぐっとセレンルーナは眉根を寄せると片手で目元を覆い、しばし視界を奪われる。

セレンルーナ > 目頭を押さえて、何度か指先でもみ込むようにしながら痛みを逃がして、首を左右に振る。

「これほどまでの魔力…。どうりで此処のところずっと、変な魔力を感じてたはずかな。」

未だ霞む瞳を細めながら、魔力を視るのをやめて魔力鉱石を眺めやる。

「大量に王城に連れ込まれる奴隷…。中には魔族の捕虜もいたって噂だけど…。」

主に奴隷のミレー族がアスピダの騒動が起こって以降、王城に大量に連行されているという噂はまことしやかに囁かれていた。
実際に、大量の奴隷が輸送されてきた場面を見たという者もいる上、タナール砦の方面からも輸送があったという話も聞く。
それらの情報と、これだけ膨大な魔力…城の地下でなにが行われていたのか、想像に難くない。
視えた魔力の性質には、生命が最後の時に絞り出される色も見えた気がした。
それが意味する所は……と、考えてぐっと眉根が寄っていく。

ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】地下」にミシェルさんが現れました。
ミシェル > 「おや、見ない顔がいるな?」

その時、背後からかかる声。
振り向けば、洒落た服装に身を包んだ男装の麗人が立っていることだろう。
宮廷魔術師、エタンダル男爵ミシェル。噂ぐらいは耳にしたこともあるかもしれない。
彼女もここで魔導兵器開発を行っている魔術師の一人であり、王城の保全も担当している。
この倉庫に仕掛けておいた警報魔術が作動していたため、様子を見に来たのだ。

「聖騎士がここに何の用だい?それともうっかり迷い込んだとか?」

魔術鉱石の山を彼女に見られても、ミシェルは何ら慌てる様子は無かった。
むしろ笑みまで浮かべてフレンドリーな仕草でそう訊ねる。

セレンルーナ > 「――っ」

魔術鉱石に気を取られすぎて、背後が疎かになっていた。
声がかかった瞬間に、反射的にレイピアの柄に手をかけながら後ろを振り返る。
そこに立っていたのは、男装姿の女性。
男装の麗人、緑の髪…確か宮廷魔術師の一人だったように記憶している。
名前は…

「確か…エダンタル卿…だったかな。」

どちらかといえば、交友関係…主に情事的な女性関係で有名故にその名前と姿に聞き覚えがあった。

「これは、暁天騎士団の一件に対応するために貯蔵されているのかな?」

慌てる様子のない相手に、レイピアから手は話さないままに問いかけていく。
知らない者は知らないまま…けれど、知っている者にとっては驚くべき事でも隠すべき事でもないのだろう。
と、なれば上層部が近々アスピダに向けて対抗策を講じ用としているという噂もまた信ぴょう性を帯びてくる。

ミシェル > 余裕の笑みを浮かべてセレンルーナの事を見ていた宮廷魔術師であったが、
彼女が腰のレイピアに手をかけるのを見れば慌てるように両手を上げる。

「待った待った待った、僕ここの人間だよ!
というかもしかして君の方が騎士に扮した賊だったりするのかい!?」

その可能性に思い至ればミシェルもまた杖を取り出しセレンルーナに向ける。
レイピアの間合いに入らぬよう数歩後ろに下がりつつ。

「あら、僕の名前をご存知かい?嬉しいね。
君の名前も教えてくれるともっと嬉しいけど」

この宮廷魔術師の女癖の悪さは聖騎士にも知られていたようで。
そしてミシェルの方も場所が違えばセレンルーナに違ったアプローチをかけたのであろうが、
ここは一応最重要物資の保管庫である。

「そっちもご名答。アスピダ攻略用に用意されたものだよ。
これをあれやこれやしてあの城塞を吹き飛ばすのさ!……まぁ後々修復可能な範囲で」

彼女の所属先にも知っている者はいるだろう。
新兵器を使った一大攻略作戦によってあの難攻不落の要塞と強大な血の旅団を粉砕する。
それが、近々実施されるであろう王国軍の作戦だ。

「おっと、守秘義務違反かな?まぁいいや…」

しかし、王国軍の一兵卒一人一人までそれを知る必要はないし、
血の旅団にその情報が漏れてしまうのも困るのだが。
幸いミシェルは記憶消去の魔法も使えるため、
目の前の聖騎士の正体次第では行使することになるだろう。