2025/03/09 のログ
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ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」にメイラ・ダンタリオさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」にミルド・ルドナさんが現れました。
メイラ・ダンタリオ >  
 王都マグメール
 午後と夕暮れの合間
 天候は、静かに雪が降っている。


 ―――“富裕地区 目貫通り”―――

 空は灰色の、しかし曇り空とは違う色合いの雪雲で覆われている。
 通常とは違い、やや白みがかり明るい曇り空といった感じが、雪を伴う雲の色。
 風と音がない静寂な雪降る世界 それなら邪見にされることもなく、静かな治安の富裕地区の中
 雪の世界を確かにいい形で造っていた。
 粒は大き目ながら未だ降り積もることなく溶けて消える。

 足元は滑ることもなく、全体的に冬仕様な厚着
 ウシャンカとコートの一式で身を覆っている毛皮姿のメイラの姿は珍しい彩だろうか。
 傍には色味が多い女を供連れにしており、食も遊びも割と満たしているのか
 急いた様子もなく馬車を使わずのんびり歩いている。

 雪避け用の傘を差すのは相手だけ。
 メイラはウシャンカを身に着けていることもあってか、静かな雪の中さらされていること
 それを少し楽しんでいるように思える。


   「それにしても、雪の中ではミンクが良く似合いますこと。
    遊び慣れた娘のようですわよ、貴女。」


 傭兵には見えまい。
 同じ轡を並べるよりも、同じ貴族としての遊び仲間に見える出で立ちだ。
 もっとも、そういったコートを選んだのもメイラ、与えたのもメイラだろう。
 本来の彼の女の気質は身軽で露出が際立つ刺青をもっと見せたいところなのだから。 

ミルド・ルドナ > 降りしきる雪の中で、傘をさす黒褐色の女。
背丈としてはメイラとほぼ一緒であり、その口には紫煙を出す一本の煙草。
革靴のコツコツと床になる音が響き渡り、目の前で踊るように動く狂人を見つめる。

「似合うもん選んだのはメイラやろ。何当たり前のこと言うん?」

そう返しながら紫煙を吐き出して、一度女は足を止める。
もうすぐ冬も終わる頃。それでもまだ寒さは続き、こうして雪が降る。
色合いの激しい髪の毛を一本にまとめた、傭兵だという女は。
友連れにしている彼女を見据えて。

「それに遊び慣れしてる言うんならウチよりメイラやろ。
 まぁ、ウチも遊んでるかどうかで言えばまぁ遊んどるんやけどな」

ニッ、と楽しげに笑い、また彼女の足に合わせて女は歩き出す。
楽しそうな彼女につられて、女もまた楽しそうに笑い。
共に歩くその様は、気心の知れた友人であるのがわかるか。

メイラ・ダンタリオ >  
 西寄りの独特な訛り
 見た目の加減と合わさって、紙巻を咥える姿は贅沢な女だ。
 毛皮一式で暖まるメイラも相応ながら、ミンクを羽織るだけで目の前のミルドよりはおとなしくなってしまう。
 そんな軽口の応酬 普段であれば貴族に対する口の利き方ではないそれも
 王以外、皆平等 何も気にすることがないメイラの在り方の前では周囲だけが冷や汗を掻くか。
 気品といったものを置いてきているミルドの在り方は、メイラが傍にいなければ此処では危うい。
 しかし、メイラがいれば蔑む者も、侮蔑に見つめる者もいないのは事実。


   「遊び慣れ、ねぇ。
    わたくし、周囲の子にはみんな真面目にお相手してましてよ?
    遊びのような一夜のそれなら、どちらかといえば声を掛けられるまで来ませんわね。」


 何人云々と言いたげなミルドに、クスクスと。
 血が欲しがる子らはずっと傍に置きたがる子ら故に嘘はついていない。
 燃え尽きるような一夜は寧ろ希だろう。


   「ミルド、貴女にだってわたくしは真面目ですわ?」


 静かに歩きながら霞仕上げのような赤い瞳と白いギザ歯が覗き笑む
 何も恥と思うことも、秘密めいた仕草も見せない堂々とした素振り。
 一緒に傘に入るように雪避けをさせながら、白い吐息を吐き出しては。


   「わたくしはいつだって、貴女が手元にいていいというのに。」


 フフッと笑むまま、未だミルドは自由であることを示唆する。
 ようは、好きにさせているのだ。
 それでメイラは、良いらしい。


   「それで?」


 話は変わるように、目貫通りを散策しながら馬車を使わない二人歩き
 楽しむ素振りは消えないものの、次の遊びを探そうか。


   「雪の中で逢瀬を楽しむのも有りだけれど、次はどうしましょう。」


 そういって見渡した先、歩きながら見つけた先を、黒鉄が包む指先が伸びる。


   「腰を落ち着ける前に、少し遊びを加えてみても?」


 見えたのは、ダーツ・バー。  

   

ミルド・ルドナ > クスクスと笑う彼女に、何か言いたげな視線を送る。
ジト~っというその視線は、それこそ周囲に誰かがいれば咎めるような目だ。

「真面目なのはわかるからタチ悪いっちゅー話や。
 ま、そういうところがあるからウチも強くは言えへんのやけどな。
 この夜に誘ったのもウチのほうやし」

ギザ歯を見て、溜息を一つ。敵わない、とでも言いたげな様子。
傘の中でともに入れば、そんな彼女の腰に手をまわして。
軽く抱きながら共に歩き、身を寄せる。

「ほな、今の時間だけは手元に収まっといてやるとするわ」

自由でいるのは好きだ。しかし時には縛られるのもいい。
彼女に、縛られる時間も嫌いではない。

「ふむ……えぇで。やったろうやないか」

彼女が示したそのダーツ・バーを見てニヤリと笑う。
彼女と同じギザ歯を見せながら獰猛に笑い、共に中へと。
客はほとんどおらず、その中でそこそこ身長の高い女性同士で入れば。
格好も合わさってまぁまぁ目立つだろうが、スタイルのおかげでキマっている。
視線だけ向けたマスターに、自分の注文を述べて。

「勝負するんやったらやっぱなんか賭けへんと燃えんなぁ。
 何を賭ける?ウチはなんでもえぇで?」

ニヤニヤと、彼女へと厭らしい笑みを浮かべた。

メイラ・ダンタリオ >  
 エスコートをする方が決まっているわけでもなければ、どちらが供回りというわけでもない。
 対等な扱い故か、傘を差すミルドが腰を回してくる仕草。
 普段なら、こういったことはメイラ側からばかりでされることは希。
 もっとも、性格上そういう女だと知れている。
 互いに歩く身 コート越しでは手を添える程度だろう、とその内腕を差し出して絡めさせるか。
 腰に差す物もあっては余計にかさばっているメイラの姿では、仕方ない。

 傘と組む関係上やや身がはみ出していても気にすることもなく
 先ほどの言葉のやりとりのジト目はお互いの立ち位置がにじみ出ている。
 メイラが欲する位置まで、敢えて踏み越えていないのだ この女は。
 それのせいか、こうしてメイラに欲しがられるままの立ち位置で、続けられている。


   「賭け?」


 互いに入れば、其処は富裕地区。
 ダーツを伴う場故に遊戯と合わさった室内は広め。
 飲むためのカウンターとテーブル。
 向こうには的を下げた台。

 綺麗に拵えられた場所で互いはコートをゆるりと外してもらい、ウシャンカも共に預けられるだろう。
 そうなると互いは黒の一張羅姿と刀二振り。

 明るい髪色と褐色肌が目立つ、覗く肌が多い緩やかな上着とボンテージのような身軽姿。
 刺青と蒼い爪紅も相まって、富裕地区に入り込めるようなガラには見えない。

 メイラはペイズリーのワインレッドのネクタイをキュッと黒鉄で包まれた指先
 慣れたように締め直すしてから長い黒髪、それが両手で背中に今一度バサリと広げ直される。


   「賭け、貴女で賭けれるところなんて―――。」


 メイラは瞳を細め、黒い包まれた爪先が首からゆっくり胸の中心線をなぞるようにして、下でフイと外れ。
 それはまるで、賭けれるところなんてまだあったの?と言いたげな笑み。
 といっても、それはわかりきっていること。


   「甘いのをくださる? 少し強めのやつを。」


 そう酒の声を掛ければ。ダーツを互いに数本ずつ色分けされたものを預かりダーツの前に赴き。
 答えは決まったらしい。


   「“上”か”下”かでいいのではなくって?
    貴女、いつも上に乗りたがるんだもの。
    楽だし、眺めはいいのだけれど。」


 クスクスと、寝床の主導権くらいなのかそういって賭けを述べた。
 上に跨った時の彼女は、きっと踊り子も真っ青というのは体の強さや体幹が見れる物ならわかるだろうか。 


 

ミルド・ルドナ > 「そ、賭け」

彼女の視線など意に介さず、楽しげにミルドは笑う。
扇情的な、自分の身体を見せつけるような服。
そのスタイルを強調し、派手な化粧や刺青を浮かばせる身体。
なるほど確かに、このような貴族たちとともにいるような姿形ではない。
それでも堂々としているのは、彼女の性根を表しているのだろうか。

「くくっ、えぇやん。ほなそれを賭けるとしよか」

自分の肉体、スタイル、そして強さ。全部を信じている自信のある笑み。
メイラのような優雅さ、あるいは狂気を秘める様な顔ではない。
明るく、そして強気。経験と鍛錬に裏打ちされた、爽やかさすら感じるような笑み。

「ま、その前にまずは乾杯といこうや。
 バーに来たんなら、まずは酒を飲んでからでも悪かないやろ。
 それに……奢ってくれるんやろ?」

などと、当然のように支払いはメイラだろうという。
バーテンダーがカクテルを作り、それを差し出されるのを見ながら。
預かったダーツを眺めながらグラスを手に持ち、彼女へと向ける。

メイラ・ダンタリオ >  
 グラスを持ちながら乾杯しようとするミルド。
 賭けも決まり、この後寝床に赴くのも決まっている。
 後はどちらが上か下かだけでしかない。
 どちらでも、メイラは気にはしない。
 ただ少し閨での楽しさが変わるだけだ。

 赤い瞳は曇り硝子状のまま、ニッと三日月型に笑む、口角
 ギザギザの嚙み揃えた精巧な歯列を見せて甘いカクテルが注がれたグラス
 柄の先で▽型に満ちたそれ。
 互いに持ち上げたまま、誘ったのはミルドと述べながら奢る云々はこちらに投げる。
 それで勝ちを拾い上げようというのだから、傭兵らしい。


   「もちろん 傭兵の懐を痛ませるほど、わたくしは狭量ではありませんわ。」


 シィッと笑む吐息がギザ歯から漏れる。
 やや好戦的な笑みに変わるまま、チンッと縁を軽く触れ合わせ。


   「今夜の楽しい夜に。」


 どちらでも気持ちいことに変わりはないのだからと、クッと強い酒
 少し冷えた体 毛皮で包まれた身ではせいぜい頬の冷たさでしかない。
 だが、燃料が入り、胃に落ちると吐息は甘く火が灯る。
 舌先 苺色の淡い赤が唇を小さく舐めずる。
 そっと頬を寄せ合わせ、スリッとチークキスのような、獣の頬ずりのような互いをくすぐるそれ。
 甘い吐息のまま、二人だけに聞こえる声で投げかける。


   「      ♡」


 離れる頃に、空いている手でパシンッとミルドの臀部の丸いところを愛でて終わり。

ミルド・ルドナ > 「その言葉を待ってました♪」

奢られる酒や食事ほど、楽しいものはないと言いたげな声。
好戦的な笑みを見ればそれすらも美しいメイラの顔。
うっとりと、それを思わず見たが、彼女の言葉に続いて微笑み。

「あぁ、今夜の楽しい夜に」

そう続けていい、クイッと一気に口に含み。
口の中で何度か転がしながら立ち上がり、ダーツを持つか。
しかし、立ち上がろうとした瞬間に彼女の頬が迫り……。
甘い吐息が漏れ出す彼女に、片目を閉じて目を細めて。
擽られる感覚に少しばかり身をよじらせた瞬間に……。

「っ……♡」

ごくっ、と転がしていた酒を一気に飲み込み、彼女に臀部を愛でられて顔を赤くする。
朱に染まる頬のままに、彼女を見つめると。
そっと片手でメイラの背中に手をまわして、強く腕に力を込めて抱擁する。

「ほな……」

そっとそのまま耳元に唇を寄せて、同じように甘い吐息を出して。
甘えるような、蕩ける声でメイラに囁き、彼女の右胸と、自身の左胸を合わせる。
むにゅり、と互いの胸がつぶれ合うほどの距離まで肌を密着させてから。

「どっちでもええよ♡ なんぼでも――――ウチの”ここ”可愛がってほしぃ♡」

そう囁き、彼女のさきほど臀部へ伸ばした手を掴んで……。
熱く、焙られている自身の下腹へと触らせて、撫でらせた。
ダーツをその状態のまま的に向けて、見もせずに投げる。
…ナイフ投げで培った、その投げのダーツは、果たして……。
どちらにせよ、ミルドはどっちでもいい。メイラにとってどっちでもいい。

「(アカンなぁ。やっぱ……どんな気持ちであっても、ウチ。
 完全にこの人にドハマりしとるわぁ……♡)」

結局、この行為も夜を楽しむためのスパイスでしかないのだから。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」からメイラ・ダンタリオさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」からミルド・ルドナさんが去りました。