2024/05/07 のログ
■メルリンディア > 「ふふっ、そんなにおだてても何も出ませんよ?」
あからさまな褒め方ではあるものの、小さい子が必死にいっていると思うと可愛げも覚えるというもの。
相手が子豚どころか子鬼とすら呼ばれるような醜悪な存在であると、気付いていないからこそだ。
視線からくる品定めや、こちらの不慣れさを見抜く観察も気づかぬままに言葉を重ねてしまう。
そうしてぽんと手を叩くのを見れば、分かったのかなとこちらも察し、じっとその顔を翡翠色が見つめていた。
「えぇ、こういう社交の場がまだまだ苦手で……ぁ、ご存知──……っっ!? ぁ、ぇ、えっと、ほ、ほんと、褒めても何も出ないですって。た、ただの子供だから……っ」
つらつらと並べられた褒め言葉に耳を傾けると、みるみる内に頬を赤らめていき、耳まで紅に染まる。
緩いウェーブの入ったベージュ色の髪を緩く振ると、びっくりした子猫の尻尾のように空気を含んで僅かに膨らみ広がった。
目を輝かす様子にこそばゆさを覚えて、直視できなくなり、視線が右に左にと泳ぐ中、手にしたフォークの先が落ち着きなく皿を突っつくのはお行儀が悪い照れ隠し。
とはいえ、身分の差や堅苦しさを感じさせない彼に安堵しているのも事実。
そして、こちらの作った品を購入していると聞けば、自分たちの仕事の広がりを実感し、慌てふためく内心では少しうれしくなっていた。
表向きの情報すらよく知らないのだから、裏の話など気付く様子もない。
それはこうして小さな彼の掌の上で転がされている自身が、わかりやすく示していた。
「ありがとうございます、父や母の凄さは……私も憧れて、二人にみたいな魔具とか魔術をつくれたらなって思ってます。ぇ、そうなんですか? 最近は物騒なお話もありますし、需要増えたって聞いてたからかな……」
人間と魔族の争いだけでなく、アスビタでの盗賊団との戦いも重なっている。
質の良い武具や魔法薬は数を揃える程に兵士達の命を救い、魔道具もまた戦線を切り開く力にも、友を守る力にもなる。
しかし、それらにばかり研究が傾けば、生活を豊かにする技への研究は減ってしまう。
その結果だろうかと思いつつ、フォークを持った手の親指を顎先に当てると、首を傾げて思案顔。
もし彼の家も研究開発に加わってくれるなら、よりよい技術が生まれるかもと真っ白な未来を浮かべていた。
「わ、私がですか……? でも、私もまだまだ勉強している最中ですが……それでも良ければですが、お仕事が……」
教鞭を執るなんて初めてのことで、簡単なアドバイスと言われても、緊張を覚える。
しかし、もし出来たなら更に両親に近づけるかもしれないと思えば、おずおずとうなづいた瞬間ハッと緑色の瞳が丸くなる。
そもそも、社交の場になれるという練習も兼ねて護衛を受けていたのだから、ここを離れるわけには行かない。
どうしようと表情が曇る最中、彼から説明しておくと聞けば、ほっと胸をなでおろす。
「そう、ですか? じゃあお願いします……ぁ、そんなお金なんて、だ、大丈夫ですっ。お父さんに変な心配かけちゃいますし……口添え? ごめんなさい、そういうの良くわからないのですけど、良い感じになるならちょこっとだけお願いします」
まさか罠満載の部屋に連れ込まれようとしているとは、全く気づかず、驚くわ慌てるわと思っていることが素直に顔に浮かぶ。
そうしてお金の話を切り出されると、慌てて勢いよく頭を振って断っていく。
先日パーティを抜け出してお散歩して、お叱りを受けたばかりだと言うのに、今度は違うパーティで未熟者が技術を教えたとなったらどういわれることか。
怒られはしないと思うものの、お前というやつはと呆れられるイメージが脳内に浮かびながらの否定は、父にあまり知られたくないという弱みを見せるのと変わりない。
そして、彼の想定通り家の権力絡みには疎いというのも理解の浅い返事に滲む。
内緒話というように人差し指を唇に当てて、柔和の微笑みとともに少し戯けるぐらいには打ち解けたつもりでいる。
■レイアル > こういった場が苦手である他にも、そもそもこういったやりとり自体が苦手だとわかった
となれば、相手を騙すための知識や手管を…
同じく悪辣な父や兄弟から学んだ少年からすれば何と与しやすいことか
(確か…結構抜け出したりしてたんだよなー
ってことはー…ちょーっと長くおでかけしても誤魔化しが効くってことかぁ…♡)
「ええ、ええ。私たちのような戦えない貴族も少しの自衛は必要ですからね
生活のみならず、護衛に持たせたりなど、色々使わせてもらっていると父が言っていました♪すごいご両親ですねっ」
もっともらしい理由を並べ立てる
まずは相手に同調して油断させろ、とは一番悪辣な兄の教えだ
護衛の仕事も問題ないこと、そして報酬のことも付け足せば
どうやら両親から娘だけではなく、娘も両親へ愛情をきちんと感じていることがわかる
(ふぅ~~ん、いい家なんだなぁ♡
……かんたんかんたん…♡そのだーいじに育てられたデカ尻味わってやろ…♡)
家の地位とは違う良さ…少女の家の絆を感じつつも
それを踏みにじる想像に下衆な少年は滾り
こっそりと、膨れた腹に隠れて陰茎を勃起させていく
護衛も問題ないと言って、少女が了承し
話が纏まれば、近くを歩いていたウェイターに護衛対象宛てで言伝を頼む
本来は必要ないが、少女を安心させるためのポーズである
「はい、これで大丈夫ですよ
きっちりドリュアズの名前も出しましたから、すこーし抜け出しても怒られません♪
…実は私も、あんまり楽しくないなーって時はこっそり抜け出してますから」
ウェイターが護衛対象に何事か話しているのを見てから少女へ悪戯な笑みを向ける
同じようにしー、と人差し指を立てて…悪童なのは一緒なのだと安心させるように
「こっちです。あっ、失敗作とかそのままにしてしまっているので…
部屋のものには触らないようにしてくださいねっ」
そう告げた後は、ゆっくりと先導して…会場を出て廊下を進んだ、奥まった別室へ
そこは喧噪も届きにくく、逆に部屋の中は音を外に出さない作りになっており
部屋の中は大きなベッドが中央に
それを囲むように棚が置かれ、種々の魔道具…というより淫具が備え付けられている
少女がそこに入れば、扉は鍵がかけられ
まず襲い掛かるのは、入り口脇に備えられた、媚薬を霧状にして噴霧する魔導器
少年の操作で、次に入ってくる少女へ向けて
その体の力を抜くための桃色の霧が放たれて――
■レイアル > 【後日継続】
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」からレイアルさんが去りました。
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