2023/09/14 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区/酒場」にセリアスさんが現れました。
セリアス > 富裕地区、とはいえ平民地区にほど近しい個所にある酒場は夜が更けても賑やかで。
その一角、やや隅の方にある席で一人、簡単な肴を前にしながらグラスを傾ける男。

王都で商会を構える彼の顔はどことなく楽し気で、いくらか酒精を楽しんだ後なのが解る。
少し大きな商いがあり、その祝いを先程までこの店で行っていた、その名残。
ほとんどの参加者は酔いつぶれたか別の個所に河岸を変えたかで。

男だけは、心地よい達成感と宴の雰囲気を此処で味わっていたくて、残っていた。
ずいぶんと酒精も楽しんでしまったため、今はグラスの中身は水にしてもらっている。
持つべきものは馴染みの店と、此方のことを許容してくれる店主だろう。

加えてこの店の店員は美人も多く、目の保養にもなる。
ゆっくりと、心地よい宴の余韻を過ごすのにはちょうど良く。

……ただ、それもそこそこじっくりと愉しんだ。
後はこのまま塒に戻るか、自分も河岸を変えるか、
それとも店員の誰かを引っ掛けて2階へ行くか、どうしようかという所で。

セリアス > 残っていた参加者も、多くは河岸を変えたか、
上りの近い店員や、一緒に飲んでいて気の合った相手と店を出て行った。

心地良い酩酊感にぼう、と過ごしていれば、少し瞼も重くなって。
気付けとばかり、少々強めの酒精を頼む。

店主は視線ではもう止めて置けというように見てくるけれども、ちゃんと一杯、用意してくれて。

それをくっと煽り、はぁあと喉が灼けるような感覚に息を零す。

褐色の肌もどこかうっすらと上気し、眠気は多少飛んだらしい男の目元は、
それでも酒精のせいかとろりと細められる。

次に用意された酒精は大分と度数の低いもの。
すん、と鼻を鳴らしそれに気づくも、店主の気遣いだということが分からないほど酔ってはおらず。
ゆっくり盃を傾け、少しずつ中身で舌を湿らせて。
僅かに胸元のタイを引いて緩め、椅子の背もたれに背を預けては息を吐いた。

店員もほとんどが姿を消し、あとはセリアスのように細々と酒を呷る客が数人。
あとは外で夜風に酔い覚ましを頼もうか。そんなふうに考え始めたところ。

セリアス > からり、と。
グラスの中の氷が転がるような音で、ぼうっとしていた意識が引き戻される。

心地良い余韻のまま、椅子を引き立ち上がる。
すこし、ふわりと頭が揺れるような感覚があったけれど足取りはまだ確かで。

店主に今日の払いは商会まで、と、いつも通りの帳簿付け払い。
かるく手を振り了承を返されればセリアスの方もひらりと手を振って。

ゆっくりと店外に出て、自分の屋敷に向けて足を進めていく。
生温い夜風に頬を撫でられながら、良き商談に思いを馳せつつ街路の向こうへ姿を消し――……。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区/酒場」からセリアスさんが去りました。