2025/02/20 のログ
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ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にホアジャオさんが現れました。
ホアジャオ > 富裕地区の広場は広い。
いや『広場』という名前なのだから広いのは当たり前なのだろうけど
『広いな~』程度じゃなくて『…広っ!』
というくらい広い。

「広いなァ……」

大通りから、大層な門を通り抜けて歩いてきた女が足を止めてつぶやく。本当に広いことに感心したというよりほかにいう事が無かったからという風情で、表情はどことなくつまらなそうだ。
富裕地区というだけあって行きかう人々の身なりは見るからに良いものばかり。簡素なカンフー上下でしかも両手をポケットに突っ込んで歩いてきたような女は、どことなーく避けられているようで人の流れはちょっと遠巻きになっている。
本人は当然のごとく気づいていない。

陽は傾いてきたというものの、陽光の温かさと風の冷たさがちょうど釣り合う頃合い。
広場中心の噴水とその周りの水流で遊ぶ子供たちがはしゃぎ声を上げて、親らしき人たちがさらにその周りでアハハウフフと談笑している。

当然ごろつきはいない。ぶっとばしていいやつもいない。

「…ひまだ」

公主の護衛のアルバイトできたのは良いものの、肝心の護衛対象が昼間っから貴族の屋敷にしけこんだ。何回か来ている屋敷なので、過剰な警護も必要なく交代の相手が来たらお役御免。

「…好闲啊(ひまだ)~」

何語でいってもかわらない。
ひまだ。

ホアジャオ > 一応(喧嘩相手に)見落としが無いかぐるっと見回して、はぁ~とため息をつきながら片手で後頭部を掻く。

「…んっし」

ここをぐるっと一周したら、平民地区から貧民地区まで足でも延ばしてみよう。それでも喧嘩相手に恵まれなかったら、遠回りして走って点心屋にでも向かおう。

「…今度、遺跡ってェとこでも行ってみよっかな」

喧嘩ってカンジにはならないかもしれないが、ぶっ飛ばしていいやつが居るにはちがいない。
足取りを進めつつそう言ってみてから頭で真剣に検討し始める。まずは情報集めに、冒険者ギルドとやらにでも行ってみてもいいかもしれない。
やることが決まると女の心は弾みだす。両手をポケットに突っこんだまま、スキップで石畳が模様のように配された広場を一周して
また入ってきた門から三つ編みを揺らしながら出ていった。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からホアジャオさんが去りました。