2024/09/21 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にオリビア・フレイグラントさんが現れました。
■オリビア・フレイグラント >
満月の夜
夜が明るいほど、賑わいのある場所。
富裕地区の夜は平民地区と違い、危険度は薄くても異質な空気が漂う。
向こうではできないことを此処ではできて、向こうではできることを、此処ではできない。
一つの店の定位置に置かれた馬車 その傍にいるのは奴隷騎士。
首に掛けられた金属製の首輪は夜でも映え、胸当てと露出した両腕には金輪と鎖をかたどる所有物印を示すように彫られたもの。
低俗低所得なヤクザが彫るような、色も薄くなっているのにそのままにしたものとは違う。
まるで彫られたばかりのように定期的に色を入れられているのだろう。
腕から見える鎖と手枷の刺青は、綺麗に黒く彩られている。
「・・・、・・・。」
手にしているの長柄武具のせいか その店の中に呼ばれる用事がない限り、此処で馬車の守りに徹しているのか
表情はスンとしたもので、空いている左手で二頭馬の鼻上や顎を搔きながら、無言の会話に興じているようだ。
奴隷と見えてわかる見た目でも、装備は整ったもので、所有者を示すそれがある限り
見下す視線は自由でも、誰の両手指も自由には触れもいたぶることもできやしない。
それは所有者に対する敵対行動だろう。
だから、奴隷騎士は、矛盾めいた立ち位置でそこで馬の熱い体を撫でてジッとしているだけに留まっている。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からオリビア・フレイグラントさんが去りました。