2024/05/25 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にセリアスさんが現れました。
■セリアス > 【待ち合わせ待機中】
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にザイラさんが現れました。
■セリアス > 王都の富裕地区にある、ストリングス商会の支店。
もともと平民地区に本店を構える商会ではあるが、
手広く商売をするのに、富裕層――……特に、貴族との付き合いは必須とも言える。
成り立ちを知らなければこちらが本店としか思えないだろう店構えの建物。
その2階にある一つの部屋は、特に会頭が直接やり取りをするような相手しか招かれず。
取引上の秘密を守るための仕掛けもあるその部屋で起こったことは、当事者しか知らない。
その日は王族に連なる血筋の婦人を招いての取引。
若き日は姫騎士として名を馳せ知らぬ者は無かった令嬢。
それがともに戦場を駆けた男と添い遂げた折には祝福と共にどれだけの男が嘆いたことか。
かつて戦場で鍛え上げられた身体は衰えようともその肢体を美しく支えていて。
育ちゆえか流麗な佇まいを常とし、年齢相応に熟れた肉体は自然と目を惹く。
戦場の華は今は夜会の華として、変わらず男たちの視線を浴びていて。
セリアスも、本来は魔族側の者とはいえ――何年も王都に紛れ過ごしており。
本人も今や魔族側というよりも王国側での生活のほうが主のようなもの。
かつては姫騎士としての噂話や姿絵で見聞き及んだ相手。
目の前で恵体をドレスに包んだ彼女とは初めての取引でもなく。
「本日ご用意した品は一旦、これまでですね」
美容品類、衣装類――子を成すのに利くという触れ込みの薬湯類など。
その日も普段用意するような品物の、最近の流行物や人気の衰えない定番の物をそろえながら。
彼女を射止めた夫君との関係はまことしやかな噂交じりで色々聞こえてくる。
一旦、と付け加えたのは、それが真ならばと、
余計な世話と――いくらかの邪な思いで用意した品があるからで。
■ザイラ > コツ、コツ、と石造りの道に、ヒールの音が響く。
こんな場所でヒールなど、些か危険なような気がするがその持ち主はまったく意に介さず。
確かな足取りで、その店の中へと入店する。
透明な、肌にゆったりと張り付くドレス。
素肌が見えるわけではない、しかしその全身のラインやプロポーションの輪郭を映し出させていた。
見るものが見れば…いや、誰が見ても扇情的であり、その肉がつき始めた体に目を引かれるだろう。
悩まし気な青い瞳と睫毛は整えられており、頭にはティアラのようなアクセサリーが乗っている。
自身の身分も、その財力も、身体も惜しげなく周囲に見せるように。
「ふむ……」
顎に手を当てて、並べられたその商品へと目を通していく。
肌のうるおいを保つクリーム、老いを健康的に抑制する錠剤。
いささか疑わしいが、妊娠を促すことができる薬湯などなど。
一つ一つに、王族として育てられた審美眼が光る。
専門家ではなくとも、素人の目利きよりは間違いなく信用できると自負していた。
「他にもご用意したのでしょう?どうぞ、他にもお聞かせください」
と、この男と話すは初めてではない故の、少しばかり遠慮のない態度。
しかし所作一つに確かな作法があるのは商人勤めにはよくわかるだろうか。
ちらりと、視線を体に移せば幾重にも布として重なった透明なドレスが、体の影を浮かばせる。
胸元からは、白い谷間が強調されていた。
■セリアス > 踵を高く位置取るような履物でもその身体が揺れることはなく。
元々体幹が鍛えられているからこその賜物だろう。
戦場を駆けまわった年の頃はすでに昔、今は引き締まるというふうな印象ではなく。
けれどその身体は男から見れば誘うように肉の付いた魅惑的な肢体。
着ているドレスも身体を覆い隠すわけでなく、その肉感的な稜線が浮き上がるようなもの。
本人も隠す様子もないのは、やはり王族としての育ちゆえもあってだろうか。
その目を惹く相手の、見せつけるような肢体にと視線を向けながら、
不躾にならないようにと商品を説明し。いくつかは買い付けられ、邸宅へと送るように手配をしている中。
「おっと。ザイラ様に隠し事はできないようですねぇ」
言葉を聞き咎められたのか、所作で気取られたのか。
取引上の付き合いとはいえある程度の人となりを知られる故か。
他にも用意している物があるのだろうと指摘されれば僅かに困ったように笑って見せて。
懐から小さな卵のような形の道具を取り出し彼女の目の前に置いて見せる。
それを彼女に差し出して示しながら、男が魔力をそれに込めると小刻みに震えはじめて。
どうやら魔力量に反応して震えようも変わる代物らしく。
「この見た目で一応、魔導具なのですよ」
にこりと笑って説明するけれど、もったいぶっているのか用途は言わず。
彼女の反応を見るようにその整った顔と……ちらりと視界の端で白い谷間を覗いて。
■ザイラ > 「こういう時の商人の言い回しはもう聞き飽きていますからね」
朗らかに微笑み、彼の笑った顔を見て。
商人といえばどうやって客にモノを買わせるかという腕次第だ。
それは平民相手でも、貴族相手でも、王族相手でも、相手次第で売り方も変わる。
そしてザイラはそのどの売り方についてもある程度は知っていた。
そうでなくても、王族というわけで何かしら高価なものを売り付けたい人間はいる。
それは商人だけではないのだが。
さて、目の前に置かれた小さな卵のような器具。
はて?こんな器具が一体どんな効果を…と思っていれば。
なるほど、変わった機能だなと思うが、しかし。
「これ、どう使うんですか?」
不思議そうな顔をして、それをまじまじと見る。
今までの知識上、振動する魔道器具というのは見たことがない。
どういう用途、どういう使い方など、全くの想像もできない様子であった。
■セリアス > 王族という立場上、色々な思惑で様々な取引、交渉があるのだろう。
もっとも、商人からしてもそこは織り込み済みの話。
悟られようと、そうでなかろうと、それぞれに応じて話を持ちかける。
そして差し出した魔導具の用途というのは、彼女は思い当らなかったらしい。
何故それを持ちだしてきたのかも、自分へ売り込まれているのかもわからないというような表情。
年齢からすればどこか稚気を感じさせるようなその表情を愛らしくも思いながら。
「元は魔術に長けた貴族家で、子の玩具兼、魔力を扱う訓練具に使われていたそうで。
これはそれをもう少し上等にと造り変えて、マッサージ器具として使う代物なのですが」
手のうちで震える魔導具を見せながら説明する中、
彼女の手の甲を恭しく取れば、そこに魔導具を触れさせる。
小刻みな振動が彼女の白い肌、ただ嫋やかなだけでなく戦場を駆けたころの名残の残る手の甲へと伝わって。
「……マッサージと言っても色々使いようもあるようで。
若い妾にとご夫君とのお時間を奪われたご夫人の無聊をお慰めするのにも使われるそぅです」
そこまで伝えては、彼女の肢体にと視線を這わせる。
いくらか、商人としてではなく、男としての欲を滲ませつつに。
「もしザイラ様にご興味をお持ちいただけたなら――……。
奥に他の物も幾つかご用意してございますが」
取引を秘めるような部屋のさらに奥。他に知れようがないよう隠す様な場所へと誘い、
にこり、といつも浮かべる商売相手への笑みの中に、僅かな別の意図を含めながら。
如何なさいますか、と、赤い瞳を彼女の蒼い瞳にと向けて。
■ザイラ > 彼の赤い瞳を見て、その用途にようやく理解が及び始めると……。
ごくり、と喉が動いたのをこの商人は見逃さなかったであろう。
視線を器具と、彼とで何度か行き来するのは明らかな動揺。
年齢や肉体に反して、少しばかり少女のような顔を見せて。
「ま、マッサージ器具ですか…。それはまた、興味深いですね」
手の甲で受ける振動はかなり小刻みで、なかなかに強い。
どういう使い方をするのかはわからにが、どういう時に使うのかはわかってしまった。
彼の視線が自らの肢体を這うようにやられたら、少し迷うように視線を逸らした後…。
「…では、もっと見せてもらいたいですね。
使い方も…実践させてくださいますか?」
そう述べると、顔を上げて。誘われた場所へと向かう。
不安と、好奇心を滲ませて…。
■セリアス > 【場所移動致します】
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からセリアスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からザイラさんが去りました。