2023/11/24 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 レストラン」にメイラ・ダンタリオさんが現れました。
メイラ・ダンタリオ >  
 王都マグメール 富裕地区 レストランの午後

 戦場へとまだ戻る日程では無い中、メイラは鍛練やアスピダへ持ち込む物資の相談
 王城や視界に入る肥え豚貴族の頬へ、鉄拳を打ち込むなどやることに変わりはない。

 王以外は皆平等の精神は変わらず、馬車移動もあれば徒歩もある。
 富裕地区平民地区変わらず衣を変えることなく歩き、兵を辞めて店を営む者
 その辺の食事処の老人など、話しかけられても気軽に対応した。
 高圧的な者に比べ、領主と領民のような接し方にも似たそれの中
 富裕地区を歩いている中でレストランに入ったのは気まぐれと声かけだ。

 好い肉が入ったから食べてほしいと、時折利用する店の料理人
 髭を綺麗に整えた清潔感のある、皺の刻まれた頬に丸みのある中年紳士
 入室後、腰の刀剣類を外し席に着いたのなら、待ちの焼き時間を終えてのステーキ。

 ハンマー・ステーキの部類に入る極厚な肉
 余計な付け合わせもないソースの汁だけが白い皿を濡らすそれに対し
 首元のナプキンな姿でナイフとフォークで切り分けた肉の一片


   「(がもっ)」


 白いギザ歯の奥に入り込んだそれを咀嚼しながら、余計な肉筋脂が無い塊を堪能中
 時折杯の中身 薄い桃色に染まった甘口の発砲ワインを呑みながら脂を消すジャンキーな食べ方
 メイラの表情は笑みを浮かべており、満足げに肉を攻略している。
 

ご案内:「王都マグメール 富裕地区 レストラン」にモルガナさんが現れました。
モルガナ > 「相席、よろしくて?」

 そこに至るは、一見すれば一人の貴婦人。
 だが頭部に掲げた七色のティアラ、同じ貴族へ向けるには不遜な笑み。
 親しき距離を保つダンタリオとは対照的に紳士が平伏する様、ある種の距離を帯びるは随分と対照的で。

 相手の返事を聞くまでもなく、向かいの席に腰を下ろし、同じものをと、こともなげに言う。

「警邏以外に刀を佩くの、貴女ぐらいなものでしてよ」

 食事中であろうと刀を手放さぬ様を愉しむように語り掛けて、頬杖を突いて微笑む。
 ……言うほど仲が良い訳ではない。しいて言うなら、他称の評価を借りるなら、仲が悪い部類。

アスピダ。かの城塞都市。
同じ王なき玉座に忠誠を誓う家柄にあって、用があるとすればその一つで。

メイラ・ダンタリオ >  
 相席を求められても、何ら気にすることは無い
 精々が機嫌が悪い時だけ、眉を顰めるくらいだろうか。
 自分の時間という物に拘りや孤独、独占を感じないメイラ
 口元をナプキンで拭えば、特徴的なティアラと髪色。
 赤い瞳は何ら変化はない ただ丸い眼がそこに映し出すのみ。


   「それだけ、その辺で適当に振り回す阿呆と一緒にされていないということですわ。
    ―――モルガナ。」


 武器を預けることも見せないようにする必要も無い
 向かってくる屑共 抜く必要がある下衆共 使用される以外抜く方が可笑しい。
 刀が傍で立てかけられたままでも、それに威圧も恐怖も載せられることは無い。
 言葉通りの意味だった。


    「中々珍しいのではなくて?
     王城や戦場以外で貴女と向かい合う機会なんて。」

 
 必要性があるから来たのだろう
 目の前の同性は意味のないことをするタイプでもなければ、二人は戦場以外の時間にいるメイラ
 その時間を共有したがる親しみもない間柄である。
 だが不愉快に思うこともなく、ズクリとナイフを入れた肉
 それだけでは大きすぎるそれを更に半分にしてフォークに突き刺し、口の中に押し込むのを見せ。

 
    「(ごぎゅっ) それで? アスピダがどうかしましたの?」


 話す内容まで、なんとなく察せれている。
 メイラの黒髪一張羅の姿 反するような色合いと距離をつくる気品を持つモルガナ
 二人の仲を上手く表現できるものはいない。

モルガナ > 「あら。戦場で全力で忌憚なく振り回してこそダンタリオではなくって?」

 貴族を鉄拳で制裁する王に仕えし凶刃が何を言うかと鈴が転がるような声で笑う。
 否、嗤う。
 殺伐とした鍔迫り合いなど物足りぬとばかりに”王の犬”と揶揄する伏魔殿を制する伯爵家は、
 しかして”戦友”を見る目は卑下するものではなく、故あらば己にすら殴り掛かる者を見つめていて。

「私とて上層や平民地区で飲み食いはいたしましてよ?
 市井をおしなべて心得てこその民を導くものでありましょう?

 それにここのステーキは良い肉がつきますもの」

 たがいに、女らしい肉を求めてのことではあるまいと、次の戦場に向けての滋養を体に与える時であろうと、
 時間を無駄なく口にする。

 白と黒。お互いを挟む肉に、もう一枚鉄板に乗った分厚い肉が運ばれてくる。
 そうすれば、輝石を掲げる武人はもう2枚ステーキを注文して目配せする。

 よもやただの一枚では足りぬだろうと。

「政は絡めば致し方ないとはいえ、こうもアスピダへの侵攻が遅らされていると、
 私とて辟易も致しますわ。
 ……エイコーン。あれ、貴女はどう叩くおつもりで?」

 アスピダから溢れて戦場になだれ込む魔導兵器。
 およそ単騎では、一太刀では落とせぬそれ。己達でさえそうであるならば、
 下手に兵士を投入しても被害が増えるばかり。

 王に仕えし凶刃、しかしてその立振る舞いに意図がないはずもなく、
 故にこそ、愚鈍だが浅知恵だけ回る貴族に飼殺されるどころか嚙み殺す痛快な相手へ問いを投げかける。

 王に捧げる勝利は辛勝であってはならない。それはマグメールの貴族ではない。
 であれば、たまに訪れる難局、仇敵と言葉とかわすも良いだろうと。

メイラ・ダンタリオ >  
 見た目と口調とは裏腹
 メイラがしそうなことをするように、厚みのある肉に手を付け始めながらもう二枚
 それは互いに一枚ずつ追加という意味なのだろうが、メイラは肩を軽くあげて見せる。

 戦場でというのなら街中で武器を携えていても、恐れる者は後ろめたい事がある者だけ
 向けられる恐れがある者だけなら、今わたくしにそれを抱く者はここにはいない
 そう返事を返す。

 警邏以外で武器を携えてうろつく貴族に対する言葉に正確に回答しながら
 柔らかい肉塊 割れた断面にソースを塗し直して食むと、エイコーンか、と鼻で息をする。


   「何度か会敵してますわよ。
    厄介なのはデカさと硬さよりも相手の性質に重ねて動こうとする事
    どこぞの目配せ人形を改悪化させたような出来栄えは、本当に面倒ですわ。」


 エイコーンは相手に合わせて動き方を変える
 ステータスが似たようになるのだ。
 メイラが最前線で鉄塊を振るって対応すれば、そのケダモノのような動きを真似ようとするのであれば
 周囲はたまったものではない かといって、一人でエイコーンを相手にして周囲に他を任せれば
 以前よりも戦果は増えない。
 弱者を充てて弱まったところを叩いても、数度打ち合えば性質は変わるだろう。
 メイラや他の剛の者が対峙するのは悪手になり得た。


   「だから凹凸や草結びのような、それこそ動きを封じるようなやり方や転倒
    選り好みすれば土属性と水属性に秀でた者を用いて泥濘に全身を沈めたいところですわね。」


 全長からして深い穴に堕としこむ他無い
 全身を硬い鎖で縛ろうとも、暴れまわるだろう
 何度も考えていたことだ エイコーンは破壊でも制圧でもなく封じてしまうのが手っ取り速いのだと。


   「もしくは、魔導機械に秀でた者をもっと用いる、とか。 ほら、わたくしが欲している
    例の場所で活動していた者ですわ。」


 だが、こちら側に第二のエイコーンが生まれることはまだ当分ないだろう
 あれは簡単には倒せない者としてそこに居るのだ それは伊達ではない。
 メイラの表情は、肉を食べて機嫌良さげだった時とは違い、まるで刃を研ぐような表情になっている。
 カタンと杯の中身を干したところで、次を注ぎ直せば、モルガナにも桃色の発泡ワインを注いだ。