2023/09/23 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にセリアスさんが現れました。
セリアス > 王都、富裕地区。
仕事帰りによく利用する酒場で夕食と、少しの酒精を楽しんで。
そこから平民地区にほど近い区画にある自分の邸宅にと戻る途中。

ほろ酔い気分で、足取りはまだしっかりと。
その日は食事も通常、午前のうちに売り切れてしまう、店の看板商品でもあるヴァイスヴルストにありつけて。
上機嫌で街並みを彩る街灯を眺めるようにしながら歩いていたのだけれど。

「……っ、と。……これは、参りました、ねぇ……?」

ぱらり、ぱらりと落ちてくる水滴。
いくらまだ夏の足音が遠ざかる気配を見せないとて、夜中に打ち水もなく。
見上げれば、街灯が目立って見えたのはその向こうに星が見えなかったから。
雲に覆われた視線の先は、すぐに降り注ぐ雨で埋まる。

慌てて近くの建物の軒下にと退避するも、いくらか濡れた髪や衣服に辟易しつつ。

自分と同じように軒下に逃れるものの姿も、走って行く先へと急ぐ姿も見える。
窓を閉じる音、街路を打つ雨音。良き夕食の余韻もいくらか去ってしまいつつ、
さて早く上がればよいけれどと、濡れて張り付く前髪を払いながらに小さく嘆息して。

セリアス > ざんざんと振り続ける雨を眺めてさてどうするか、と。
自分の屋敷まではまだそれなりに距離はあり、そのまま帰路へと戻れば濡れ鼠は確定。

かといって止むまで待つのも、魔術で雨を避ける算段までするのも億劫でもあって。

自分が身を寄せているのはどうやら宿の軒先のようで、
周囲を見れば、まだ灯りの見える店もいくつかある。
程よい酒精のまわり具合で切り上げてきたところだけれど、
どこかの店に駆け込んでは暫く様子を見るか、

いっそ近場に娼婦なりでも居るのなら誘って、
宿で一晩を明かした方が有意義かもしれない、など、思考を巡らせる。

その間もやや強めの雨は周辺を打ち濡らし、足元まで跳ねては下衣の裾に滲んでゆき。

知人でも通りかかるなら、話題にもなるし濡れた甲斐もあるのだけれど、などと、
益体もないことを考えながらにかつり、と、踵を無意識に鳴らして佇む。