2023/08/20 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にニュクスさんが現れました。
ニュクス > メインストリートは防犯の為か明りが程々に灯されている。
日中ほどとはいかないがそれなりに明るく足取りには困らない。
そんな中を踊り子は歩いていく。踊り子の衣装のままだ。
こんな場所に娼婦かと婦人方の嫉妬の視線。
貴族らしき男性陣の欲望に塗れた視線。

たまに(下卑た)声をかけてくる男がいる。
相手をしてもいいのだが、気が乗らないなら一瞥をする。
微かに笑みを浮かべた一瞥。それだけで男の動きは止まり…すいっとその場を離れていくのだ。
不思議な様相に次第に声をかける者も少なくなる。

堕落させがいのある若い子とかいないかしら?と考えながら歩いていく。
もしくは踊りの仕事ができる場所は、と…。
さて、勇気のある者がいるのか。それとも女の眼鏡に叶うものがいるのか…?

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にセリアスさんが現れました。
セリアス > 自宅のある富裕地区の通りを歩いて行く。
平民地区に近い場所ではあるとはいえ、自身の職場である店からはそれなりの距離があり。
夜になってもまだ日中の暑さを引きずるような身体で、何処かの酒場に寄ってもと思った矢先。

視線の先に見つけるのは扇情的な衣装の女性。
どこかの店の客引きかとも思ったけれど、この付近で夜間営業しているのは品の良いバーや食事処が主で、彼女とは似付かわしくなく。
更には粉をかけようとした男たちが視線を彼女と合わせて……そのまま去っていくのに、むしろ興味を覚えて。

「……もし。この辺りは飛び入りで踊れる店はあまりないかと。
 平民地区の歓楽街のほぅが、貴女のような方が訪れた方が歓迎されますよ」

もっとも、少し裏路地に入り込めば趣味の悪いクラブ等もある。
けれどその場所も、其処なりのルールで運営されているから、ふらふらと部外者が踊れるかというと解らないところで。
平民地区の方が下品な歓声が付くだろうとはいえ、まだ彼女のような踊り子は歓迎だろう。
あるいは、声をかけてくる男の部屋なりでショーを披露するかだが。

ニュクス > なかなか良い子は見つからないわね、とそれならそれでと考えている。
ふと近づいてくる黒い風体の男性。目線が合った。
何やら気を利かせて声をかけてくれたらしい。

「…ふふ。ありがと。おにいさん。」

どこか余裕のある踊り子の返答。
おにいさんと呼んで良かっただろうか? どこか見た目通りでもなさそうな雰囲気もある。
それにしても暑苦しい恰好だなぁと思いながら、踊り子は初めて足を止めた。

「それならそれで構わないけれど。ん-……おにいさん、どこか紹介してくれるとか?」

何となくではあるが、蛇の道は蛇という感がある。
わざわざ声をかけてきたのも情だけという事もないだろう。
お金が無くて焦っている!なんて雰囲気は欠片も見せてはいないのだから。

女の青い瞳がじぃっと男性を見つめる。
愉快そうでもあり、値踏みしているようでもある。

セリアス > 最悪無視されても、と思っていたものの、微笑みながら脚を止めてくれ。
美しい透き通る青色の瞳と目が合って、その目がこちらの恰好をちらりと見やる。
かっちりと執事風の恰好を着こんだ男はにこりと人好きする笑みを浮かべて見せた。

「紹介ですか? ……そぅですねぇ、そうは言っても貴女が何が出来るか、どのくらいできるか分かりませんしねぇ。
 今も――……恰好から、一応ダンサーかと思って声をかけはしましたけれど」

適当な店に誘導するのは、彼女が赴くだけだからその先はどうでもよいが、
紹介となると、知人の店や行きつけにしても、
自分の商会の系列店にしても、自分の面子が一応はかかってくる。

大した面子でもないとはいえ、流石に今であったばかりの相手を諸手を引いて案内はできず。

特段男を漁る風でなく、身綺麗で金品に困っている風でもなく。
むしろ彼女が何を求めているのかと赤い瞳を細めて見つめ返した。

ニュクス > 如才なく笑みを浮かべる男。
どうにも若く才覚に溢れたというよりは老獪という印象に落ち着く。
まぁ、そうなのかもしれない。と赤い目を見ながら思った。

「私ぃ? ん-……まぁ、そうねぇ。
おにいさんの言う通りのダンサー。一応娼婦の真似事もできるけれど。」

んふ、と少し艶やかな笑みを見せる。
気持ちもわからないでもない。
飛び込みはこちらの責任になるが、紹介ともなると紹介した方に責任がかかる。
こういう恰好をしてそういう事をしているのだ。色々厄介ごとの多い現場も見たことがあるわけで。
ではどうするか。

「…じゃあ、どうやって証明しようかな?」

と言いながら、女は自然な動作で男の腕に自分の腕を絡ませた。
同時に猫撫で声のような甘い声を男性の耳に囁く。
その辺りの凡百の娼婦がやりそうな、ありきたりな行為。

しかし―――。

ふわり。男性の鼻をくすぐる女の香り。
くらりとするほど蠱惑的に感じる、かもしれない。普通ならば。

セリアス > 互いに人間の国に入り込んでいる魔族同士。
となれば、お互いに感づくところもあるかもしれないが、
当然それを衆目の前でどうこうと確認するつもりもなく。
涼し気な視線を見てはどこか自由な振る舞いに興味も覚えつつ。

「ああ、それは、それは。私の見立てもそう外したものではないと安心しました」

娼婦の真似事、と言いながらにどこか揶揄うような艶美な表情を見せる彼女。
それに、こちらの言い分を無碍にするような、察しの悪い様子もなく。

するりと絡んでくる彼女のしなやかな腕。
甘く、こちらの意を試す様な声色。
この街の、この国のどこでも見られるような仕草が、洗練された技術の様にすら見えて。

「……近くに私の屋敷がありますから。
 そちらで、色々と――……腕前を拝見させていただく、というのは?」

酩酊感にも近しい思考の揺らぎ。
それが何に起因するところかと、察せないわけではないけれど。

彼女に幾らかの興味を覚え始めたから、男の方から誘うように彼女の耳元に告げる。
否やと返されなければ、丁寧に彼女をエスコートしていくことだろう。

ニュクス > 自分のモノもなかなかに捨てた物でもないようだ。
正直こんなありきたりな色仕掛けが通用するような者でもなさそうだが。
それでも考慮はしてくれるらしい。

「ええ。それじゃあ…そのように。期待しているわ。」

何なら今日の食事分くらいは何とかなりそうね。
そう内心で舌なめずりをわずかにしつつ。
男の手を取って、エスコートに身を任せるだろう。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からセリアスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からニュクスさんが去りました。