2024/06/04 のログ
ご案内:「温泉旅籠「九頭龍の水浴び場」」にアンジェラさんが現れました。
アンジェラ > この部屋でお待ちください―――。

ひっそりと金髪の少女の耳元に囁かれる言葉。
それを告げた女性従業員はくすっと艶やかな笑みを浮かべて退室していく。
数度、この宿の裏側の餌食なってしまった少女。
配達物という名目で呼び寄せられ、そのまま一夜の『商品』とされてしまった。
宿側の手練手管によって意識を奪われ、ぼんやりとしたままで備え付けのベッドに腰掛ける。

薬物、催眠、魔術―――意志を奪う手段はいくらでもあるだろう。
女性の従業員だからと油断してしまえばこの通りだ。
宿を利用する者、関係者。
そういった人物にそれなりの値段で一晩の相手を提示されている。
勿論ふたなりである事も告げられるのだが…。
部屋に誤って迷い込む者だと、それは知らないままとなっているかもしれない。

そうして人形のようにされた少女は、ただ相手が来るのを待っている―――。

ご案内:「温泉旅籠「九頭龍の水浴び場」」からアンジェラさんが去りました。
ご案内:「温泉旅籠「九頭龍の水浴び場」」にティカさんが現れました。
ティカ > 夜のまだ早い時間、何となく足を向けた九頭龍の水浴び場。
テーマパークのアトラクションめいて多くの風呂を内包する巨大施設を観光気分で見て回るうち、たどり着いたのは随分と奥まった場所に作られた露天風呂。
混浴表示にも知った事かと男らしさを発揮して暖簾を潜り、その癖先客がいないことにほっとしながらそそくさと服を脱ぎ、ふと、大鏡に映し出された己の姿に小さく唸る。

「ふぐぅぅ……こいつは流石に、だよなぁ……」

健康的に日焼けした肌、鍛えても鍛えても大して筋肉の付かぬ小柄な体躯。その癖むっちりと肉付きの良い胸・尻・太腿。
それらは見慣れたいつもの自分なのだけれど、少し前まではきゅっと括れていた腰回りが、今ではボテっと歪な膨らみを形成していた。出産間際―――とまでは行かぬにせよ、素人目にもおめでたなのがはっきりと分かるシルエット。妊娠6、7ヶ月程のサイズだろうか。
これまではちょっと太って来たかなとか、最近お通じがよくないしとか、適当な理由で己を誤魔化してきた物の、日毎に膨らみを増していく下腹部は、ここ数日で往生際の悪いチビでさえ認めざるを得ない程に膨らんでいた。
異常なまでの生育速度は、淫紋なんて物を刻み込んだり出来るあの男の妙な能力やら血筋やら、そういうった物が関わっているのだろう。
このまま行けば、翌々週くらいには破水して出産、なんて事になりかねない育ちの良さだ。

ティカ > ため息を漏らしながら引き戸を開けて、露天の浴場に移動する。
掛け湯でざっと身体を清めて湯船にちゃぽんと裸体を浸す。
縁岩に背を預けて良い月の浮かぶ空を眺めながら

「ここまで育っちまうと堕ろすのもかなり大事だろうし……。やっぱ………う、産むしかねぇのかなぁ……」

気乗りせぬかの言葉とは裏腹に童顔が浮かべるのは、擽ったい様な、照れくさい様な、そんな形容しがたい乙女の表情。
湯船の揺らめき越しにもはっきりと分かるボテ腹の丸みを撫でる手つきも愛おしげ。
これが山賊共のガキであったなら、どれほど育っていたとて即座に堕胎を決めていただろう。
しかし今、ティカの下腹に宿るのは、認めるのは業腹というか小っ恥ずかしいというかアレなのだけれど、難からず……もっとはっきり言うのであれば好意を抱いた男の子供。
そんな命がまだまだ未熟といえどもしっかり赤子の形を成して、今もすくすく育っているのかと思えば、自然、生意気チビの顔にも母性なんて物が滲んでしまう。

ここ10日くらいはこの子の父であり、少女戦士のスポンサーでもあるヤクザ医師と顔を合わせていないので、腹の膨らみについては何の相談も出来ていない。
出来る事ならあの男が知らぬ間に一人で勝手に産んでしまうなんて事はせず、きちんと孕んだことを伝えてあれこれ相談してからにしたい。
とはいえ、このまま成長が続くのであれば猶予は後数日程度。
それを過ぎてしまったならば、今でも既に愛着を抱きはじめている胎児を堕ろそうなんて選択は出来なくなると思う。

ご案内:「温泉旅籠「九頭龍の水浴び場」」にルヴィエラさんが現れました。
ルヴィエラ > (小さな、足音が響く。
裸足で床を踏む音だろう其れは、他の来客が近づいて居る証
混浴の表示なのだから、其の可能性は当然の事だろうが
程なくして姿を見せるのは、男の姿。 ――その、筈だ。
長い髪糸を紐で纏め乍ら、既に先客の湯浴みする湯舟を眺め。)

「――――これは失礼、先客かな?」

(掛ける声は、脅かさぬ様にとの礼節。
もし、露骨な抵抗だのが無ければ、娘とは少しは慣れた位置に着き
湯船へと足先から浸かって行こうとするが――果たして、反応は如何だろう
透明な湯は、湯の中に在っても体の輪郭を、ぼんやりとながら映し出す

娘の姿に視線を送ったなら、何かに気付いた様に、ほう、と瞼を瞬かせ
柔和に、微笑みを向ける事だろう。)

「……おめでたかな、喜ばしい事だね。」

ティカ > 湯水の心地よさのみならず、思考の海にも沈んでいた少女戦士は近付いてくる足音にも気付かなかったらしい。
声を掛けられはじめて知った他者の接近に、びくんっと小躯を弾ませて、片手でDカップの膨らみを、片手で秘所を抑え隠して振り向いた。

中性的な声音。長い銀髪。腰の括れさえ確認できそうなスレンダーな身体つき。
一瞬女かと思ったが、白磁の痩躯は恐ろしいまでに仕上がっていた。
鋼の束を撚り合わせたかの様な、細身であろうと強靭な肉は、鉄板めいた胸板からもこの正体不明が男なのだとティカに知らせた。

「――――お、おぉ……」

しばし意識から外れていたが、ここは混浴。そういう事もあるだろうと覚悟した上での入浴なので、文句を言うつもりもないし、十分に距離を取った場所にそっと身を沈める所作に下卑た欲望はまるで感じられなかった。
にも関わらず、若干気圧された様に曖昧な声を漏らしてしまったのは、この男の浮世離れした雰囲気故の事だろう――――が。

「ん、ぇ、えへへへ。そう、だな……うん。そうだと思う。」

柔らかな微笑と共に告げられた妊娠を寿ぐ言葉には、思わずふにゃりと野良猫の警戒も緩んでしまった。

ルヴィエラ > (湯に身体を沈めれば、岩面に背を凭れさせる。
身体のラインが湯の中に消え、顔だけを見れば、或いは女であると誤認しそうな容貌では在ろう
拒絶反応が無ければ、対面で向かい合う形。
湯面を軽く掌で掬い、顔を濡らしては、のんびりと僅かな間、瞼を閉じて。)

「……ふふ、如何やら幸せそうで何よりだ。
命が産まれて来る事ほど、祝福されるべき事は無いからね。」

(望まれぬ命ほど、不幸な事は無い。
この世界では、そう言う事も決して少なくは無いと知って居る
だから、祝福に対して、幸せそうな微笑を浮かべた娘には
心よりの、おめでとう、を伝えて置くのだ。)

「……ただ…、……、…ふむ、いや、若しかしたら。
態々言われずとも、理解して居る事なのやも知れないが…。
……普通の子、では無いようだね?」

(其の上で。 言葉にすべきかは少しだけ考えたが。
この際だからと、其の儘問いかけて見るだろう。
胎の仔が、普通の人間ではない。 ――他とは違うと言う事を、一目で、看破したかに。

片掌を掲げ、嗚呼、と追って断りを入れ。)

「何、だからどう、と言う心算は無いのだよ。
君が其れを知って居るのなら、別に何も問題になる話では無い。
ただ、知らないのであれば…相談には乗ってあげられそうでね。」

(あくまでこれは、ちょっとした御節介だ。
気を悪くしないでおくれ、と、柔和に微笑み)。