2023/11/12 のログ
ご案内:「温泉旅籠「九頭龍の水浴び場」」にエリビオさんが現れました。
■エリビオ > ちゃぷん、と肩まで浸かる水音が大きく響く露天風呂。
肌寒くなってきた夜に外気に晒された肌は粟立ち、湯に入ると染みるような心地に身震いがする。
擦り傷目立つ肌にそれを丹念に塗り込む湯は、酒粕の風呂。
つん、と鼻をつくお酒の匂いに驚いて顰めていた顔も、ほんのりと朱色に染まってくる。
「この風呂で、このお酒を飲むと温まるんだっけ?」
旅館の従業員から買った徳利を、奇妙な形のようにあらゆる角度から凝視し。
これまた見慣れぬお猪口を裏返したり横から見たり観察。
それでも興味が勝って、恐る恐る透明な液体を注ぎ込み。
「綺麗……まるで水みたい。
安いエールとは違うのかな?」
警戒に顰めていた黒眸を興味津々と丸く輝かせて徳利の淵にそぅと口付ける。
「熱ッ……なんだこれ」
口腔を僅かに焼くような慣れぬ味わいに、少しおっかなびっくり。
それでも嫌ではない味わいに少しずつ嚥下していった。
■エリビオ > 一滴残らず飲み終えた徳利を湯の縁におき、ごろりと頭も預けて望む月も美しい。
すっかりと体温まった体をもう少しだけ湯を楽しんでから露天風呂を去るのだった。
ご案内:「温泉旅籠「九頭龍の水浴び場」」からエリビオさんが去りました。